月々の手取りが減る ボーナスの罠

 ボーナスを出さなきゃいけなくなったから、月給安くしてボーナスにまわすね、という話ではありません(現実にはこの問題は存在しますが)。
 ボーナス分の住民税も毎月の給料から引かれるので、ボーナスがなかった人があるようになったり、業績がよかったとかでボーナスがポンと増えたりすると、翌年の手取りが減るという事態になりますという話です。

原因

 住民税が前年の所得を元に計算され、6月に決定されて毎月天引きされていくためです。
 所得税ですと、毎回の支払時に仮計算されて天引きされます。ボーナスにかかる所得税もボーナス分から天引きされます。年末調整や確定申告できっちり計算し直して、差額を精算します。

 一方、住民税はしっかり一年分の所得が決定した後に、そこから計算されます。
 新入社員が1年目は住民税がかからないけど、2年目からかかるから手取りが減るよとか。退職して収入がなくなっても住民税は前年の所得で計算されるから、かなり取られるよとか。そういうのの仲間です。
 ですので、ずっと給料もボーナスも同じようにもらっていれば、影響は感じないです。ボーナス額が大きく変動すると、影響を感じるようになるかと。

計算してみる

 実際には色々な事情で変わってきますし、切りよくするための操作などが入りますので、異なる数字になるのですが、一定の条件で簡易計算してみます。

★月収25万円(健康保険13,039、年金23,790、雇用保険750)の場合
年収300万 - 給与控除98万 - 基礎控除48万 - 社会保険料約45万 = 105万
住民税は10% + 均等割 なので年額約11万。
で、月9,100円ずつ支払うことに。

★上記にプラスボーナス50万(健康保険25,000、年金46,000、雇用保険1,500)の場合
年収350万 - 給与控除113万 - 基礎控除48万 - 社会保険料約52万 = 137万
住民税は10% + 均等割 なので年額約14万。
で、月11,600円ずつ支払うことに。

 というわけで、この場合ボーナスがあることで月の手取りが2,500円減ることになります。

 25万の2,500円となると1%なのですが、手取りは税金社会保険が引かれて20万を切り、固定費で8万減れば残りは12万。どんどん2,500円の重みが増してきます。

 年収中のボーナスの割合が高いほど、ボーナスの影響が響いてくるんですよね。

対策

 私の場合ですが、ボーナスの明細を見て、おおよそのボーナスで増える住民税額を計算して、取り分けてます。
 そして、実際に住民税が確定して多く引かれ出したら、その取り分けていたところから月々の予算へ移動させています。
 先ほどの場合ですと、3万円をボーナスから分けておいて、翌年6月に住民税が決定して多く引かれ出したら、そこから補填します。

 ボーナスにかかる住民税は、ボーナスから支払うという方針です。

 税金は、法律が変わったら計算方法が変わりますが、どういうルールで計算して税額を決めますということは公表されていますので、後から徴収される物も先に計算して取り分けておくことができるんです。

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