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良いデザインは良い環境が生む。 建築家としての「三方よし」とは _その1

ビジネスの世界において「三方よし」は昔からよく耳にする考え方だ。
[ 顧客  × 会社 × 社会 ] それぞれが、WIN-WINの関係性を築くことが、良いビジネスであり、成長するビジネスであると。さらに現代では、SDGsや倫理的な思考が求められている。「三方よし」は目指すべきものから、マスト事項として企業の存続に影響を及ぼしかねないものになっている。

これは建築・デザインなどクリエイティブが求められる世界であっても、根幹はビジネスである以上、同様である。クライアントにとって価値があり、クリエイターの作品として追求され、社会をより良くする建築を作ること。それが良い建築であると。


一方で、建築家・デザイナーとして、継続して活躍し、どうサバイブしていくか。クリエイターのあり方としての「三方よし」も存在する。

いかに良いデザインを生み、いかに社会に届け、伝えていくか。建築家・デザイナーの足りていない点、デザインのリアルについての話。今回はそのあたりのことを書いてみたいと思う。


「デザイン × 環境 × 広報」

① 良質なデザインを生み
② 良質なデザイン環境を整え、
③ 良質なデザインを広く伝える。

どれが欠けても、成功しない。

これは意識をしている人にとっては当たり前のことかもしれない。
けれど、実際に周りの建築家・デザイナーを見渡してみると、②と③の意識が圧倒的に低いなと感じる。①の良質なデザインを生むことにしか、関心がない人が多い印象だ。しかし、本当に成功するためには、①だけでは不十分である。この世界はそんなに甘くない。成功している先輩たちを冷静に分析すれば、デザインだけでなく、環境作りも広報についても一流な人たちばかりだ。

遺伝子:5割  環境:4割  教育:1割

建築家・デザイナーは、①の良質なデザインを生むことに関しては、全く問題なく追求できている。しかし、環境づくりはどうだろうか?

良いデザインは良い環境が生む。

最近の行動心理学では、遺伝子:5割、環境:4割、教育:1割と言われているらしい。
残念ながら遺伝子(才能/能力)はもう変えられない。つまり自分たちがどうにかできる、残り5割のうち4割が「環境づくり」に依存する。どれだけ時間をかけて学び、努力をしても、環境の1/4にしかならない。いかに「環境づくり」が大切かわかるだろう。

ここでいう「環境づくり」というは、働く場所、環境、時間もあれば、人間関係もあると思う。良質なインプットができる環境づくり、最新のPC・ソフトの導入、チームメンバーの精神的なケアなど多岐にわたる。

だからこそ面倒だし目も背けたくなる。デザインだけに没頭したいと思ってしまう。わかる。
しかし、それでは現実から逃げているだけだし、デザインに夢を見過ぎだ。デザインだけでは解決しないこともある。

建築は歩かない

広報活動についても同じだ。
せっかく良いデザインが生まれても、人に伝わらなければ、建築の価値は広まっていかない。自分の認知も高まらない。もちろん口コミも重要だが、広報活動をするデメリットがない限り、するべきだと思う。

残念ながら建物や空間は、勝手歩いて人前に出向いてくれない。何も語らずそこに居座っているだけだ。自分が動くしかない。

綺麗な竣工写真を撮り、分かりやすくまとまった説明文を書き、翻訳し、国内外のメディアへアプローチする。誰でも簡単に出来る。

建築写真家の選定も重要だ。案件や自身の作品に合う写真家を慎重にに選ぶべきだと思う。ちなみに僕は、建築家の作品をメディアで見るときに、必ず写真家が誰かを確認し、リストアップしている。(必要な方がいたら共有します。DM下さい。)


クリエイター系の読者に対して、個人的な感覚で言わせてもうらうと、「良質なデザインを生む」ことについては、特に意識しなくても問題ないと思う。ある種のクリエイターの性みたいなもので、脳内に刷り込まれている。条件反射で対応できる。だからこそ、「環境づくり」と「広報活動」に意識を強く向けたほうがいい。ちょっと意識し過ぎかなと思うくらい、アンバランスな状態でちょうどいい。

実際に僕自身が、二拠点生活で東京-浜松を移動しているのも、デザイン環境を整えるためでもある。環境の違う場所を行き来することで、思考にも変化を与え、インプットを増やし、より良いデザインが生まれやすい環境を作りを意識している。

残業をほとんどしないのも、より良いデザインが生まれやすい、脳内の余白をつくるためだ。(良い言い訳を見つけた。w)

このnoteでの執筆活動もそうだ。「広報活動」の一貫であり、デザイン活動以外に意識的に実践していることでもある。仕事の余った時間に書くのではなく、事前に時間を確保して書くようにしている。(そうでもしないとすぐにサボってしまうから、、)


僕は知っている。多くの建築家・デザイナーは「デザイン」に関しては、すでに超優秀だ。だからこそ、勇気を持って「デザイン」から一歩離れる時間を作ってほしい。その時間を「環境づくり」や「広報活動」に目を向けてることで、結果的により良い建築・デザインが生まれるはずだ。

そして、建築・デザインの価値が社会全体に広がり、建築家・デザイナーの影響力が高まることを期待している。

と、ここまで偉そうに書かせてもらったが、僕自身がまだまだ成功できていないし、建築家・デザイナーとして、これからも生き残っていけるかもわからない。説得力は全然ないかもしれないけれど、僕はこの建築家としての「三方よし」を信じ、未来の成功に向けて、実践していきたいと思っている。そして皆さんには、その過程も含めて、暖かく見守り応援してもえると嬉しい。


今後もnoteを1週間に1回弱くらいのペースで、書き続けていきたいと思いますので、良ければハートマークをクリックして「スキ」を、そして「フォロー」もお願いします!すっごく励みになります!!

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