夜空

夜空は真っ暗じゃなかった。希望のない世界でも、外に出てみれば、お先真っ暗じゃないのかもしれない。

昨晩は、キャンプでもないのに電気のない夜を過ごした。台風21号の影響で、関西一帯は午後1時半から大停電。日没になっても復旧せず。1日分の水と食料はあるのでのんびりしていたが、ネットの情報だと数日かかるかもとの事。明日になっても復旧しなければ飲み水を調達せねば、などと考える。

電気のない部屋。真っ暗か、と思いきや。なぜか窓の外の夜空は明るい。青白い。建物の陰影がよく見える。目が慣れただけか?とも思ったが、いや、夜空は明るい。月は見えない。窓の反対側の空は確認できない。なので月が出ていたかどうか分からない。

でも、やっぱり夜空は青白かった。なぜなんだろう。地上の建物の影のほうがはるかに暗い。

窓越しに見える遠くの景色には、恐らく自家発電設備の整ったマンションだろうか、転々と明かりが見える。背の高いビルには赤色灯が緩やかに明滅している。法的に自家発電の設置義務があるのだろうね。

電気のない街を徘徊してみてみたい気もしたが、この停電が数日にわたるならそんなライトの無駄遣いもできない。と思って自粛した。そして怪しい人だと思われるの嫌だったので。でも、ちょっと見てみたかった。人口灯の極めて少ない街の姿を。

夜空は真っ暗じゃなかった

いつの間にか、夜は暗いものと思い込んでいた。しかし、夜空は地上より明るかった。明るく見えた。不思議である。明るく見えるからには、どこかに必ず光源があるはずなのだが、今回はそういうことを考えるのはおいといて。真っ暗じゃなかったってことを言いたい。

電気のない世界でも、外に出てみれば、夜でも真っ暗じゃない。
もしかしたら、希望のない世界でも、外に出てみれば、お先真っ暗じゃないのかもしれない。

電気のない部屋の中で、寝付けず、スマホも使えず、何もできない中で、天井と夜空を見ながらそう思ったのでした。


読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊