ドラグナーの本分047_1

#05 テット、空に舞う(4)

 さて、所定の高度に達したペーターとテット。いよいよ周辺の観測を開始する。

 エレノアは、地面に残されたテットの正面にしゃがみ込む。そして両手でテットのほっぺ部分を優しく包み込むように触れる。意識を集中させるエレノア。エレノアの体が光り出す。

 慈悲の光が少しずつ体の周辺から漏れ始める。髪の毛がふわりと浮き上がる。
 同時に、上空のテットの頭部からも慈悲の光が漏れ始める。といっても、上空は晴天なので太陽光に負けてさほど目立たない。一方、地上のエレノアから漏れる慈悲の光は相対的にまぶしい。
 いよいよ観測開始だ。こうなるとエレノアはまるで置物のように動かなくなる。全神経を周辺にいるはずのゴールドバードの観測に当てているからだ。この状態が本当に無防備になるので、この瞬間はアッシュも気を張る。周辺警戒が最も必要な瞬間。なぜならば、エレノアの意識はすぐに戻ってこないし、ゴールドバードを見つけるまではこの観測状態が維持されるからだ。いわばエレノアの意識が肉体から離れている状態なのだ。人さらいに合う確率が最も高まる瞬間といえよう。それを防ぐためにアッシュがいるわけだが…………。

投稿先をnoteからアルファポリスに変更致しました。ですので、これ以降についてはnoteでの新話の追加予定はありません。ご了承下さい。アルファポリスにて継続予定です。


読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊