見出し画像

3DCGやるなら英語を勉強すべし(お得が一杯)


(約 4,900文字の記事です。)

3DCGに真剣に取り組むならば英語を勉強すべし。これ、きっとゲーム系や映像系のプロの3DCGクリエーターならば「常識、当たり前、疑う余地のない事実」だと思う。

Normalという単語はどういう意味?

別に英語で日常会話がペラペラになる必要などない。覚えるべきは「3DCGでよく出てくる専門用語の英単語」これだけ。例えば、

Normal

この単語を見て、普通の人は「普通、通常の、」などと思い浮かべるだろうが3DCGクリエーターならば真っ先に「法線」という単語をイメージしなければならない。なので、「face normal, normal face(語順は問わない)」という単語を見た場合に3DCGクリエーターは「面法線」をイメージできなければならない。そうでなければ役に立たないぞ、その英語知識。

なぜ語順は問わない?

実は英語では語順はとても重要で、これを無視すると意思疎通が困難になる。だが単語レベルでは多少許容しなければならない。

なぜ語順を問わないかというと、そもそもその表記をした作者が必ずしもネイティブな英語話者ではない可能性があるから。そうなるとどうしても語順や文法などが多少は乱暴になる。

そこから真意をくみ取れるのは同じ3DCGクリエーター同士ならではの優しさだと思っている。

そして何よりもそういうツールやアドオンを作ってくれていることへの感謝の印でもある。英語で理解できればそういうこともできるのだ。

英語を面倒臭がる人の特徴

問題は趣味クリエーターや、1つか2つしか3DCGソフトを扱わない特定の分野のクリエーターの場合。そういう人にとっては

「は?何でソフト1つ扱うのにわざわざ英語勉強しなきゃなんないの?
日本語UIにすればいいじゃん?」

となる。うん、わかるよ、それ(遠い目)。

この両者は相容れない。それぞれに、それぞれの事情があるのだ。

複数の3DCGソフトを扱う人は「英単語の理解があるほうが楽」

というのも3DCGソフトはほとんどが英語圏の海外製ソフトなのだ。

そして日本語という言語は、極東アジアの、極限られた地域のローカル言語だ。なのでソフト開発者からすれば「は?何でそんなマイナー言語の翻訳をせにゃいかんの?金かかる上にメンテも大変じゃん?無理無理」というのが現実だ。よほど大きい会社がソフトを作る場合には、例えばAdobeのような場合には他言語対応で当然日本語対応もする。

でも例えばAdobeに吸収されたサブスタンス3Dペインターの元の企業なんかは、ずっとまるで機械翻訳のような「なんちゃってローカライズ(地方言語の翻訳)」を続けていた。今のAdobeになってもそのまんま(笑)

それだけ「日本語」という言語は特殊なのだ、という理解が必要だ。

とは言え、そんな事情を日本人が理解しろ、というのは、結構難しい。よほど色んな知見がない限り。だから普通の人にとっては「日本語化はよ!」という思考になる。それはそれで仕方がない。ニーズがあるわけだから。

だが3つ以上の3DCGソフトを使う場合、もうね、諦めるしかないのよ、日本語UIでソフトを使うことを。待つだけ無駄だと知っているから。

そして一度努力して英語UIで慣れると、その後は英語UIならばどんなソフトでも英語対応しているので、そのまま使えるわけ。そして一度理解した英単語ならばどんな3DCGソフトでも共通の理解で使えるので楽なのだ。

おまけにチュートリアルなどでも「英単語の持つイメージ」は共通なので、慣れるにつれてそのまま英語のチュートリアルも読める・聞いて理解できるようになる」のだ。

このメリットのほうが遥かに大きい。

英単語はイメージで理解する言語=3DCGとのなじみが良い

この点でいうと、日本語のほうが遥かに曖昧で理解しにくい。一方の話者Aが「○○というイメージで日本語の単語X」を使って説明しているとする。聞き手の話者Bは「単語Xは△△というイメージで(誤った知識で)理解してる」場合。この単語Xには、日本語では○○という意味もあるし△△という意味もある微妙なニュアンスの単語の場合、両者で話がかみ合わない。

ところがその日本語の単語Xを英単語に変換してみると、話者Aは英単語αであり、話者Bの理解は実は英単語βだったとなれば、両者の違いがすぐに共有できるわけ。

辺、片、フチ、エッジ、それって「何の」話?造型後のメッシュ形状について?それともポリゴン面の1つの辺(Edge)の話?複数の辺(Edges)?
こういう議論は英語のほうが明確になる。意思疎通が正確になる。

単語の持つイメージと定義がカッチリているのが英語のいいところ。なので、「知らない単語がいちいち出てくるたび」に苦痛かも知れないが、粘り強く1つずつ理解していくと、だんだんと3DCG関連の話ならば英語でそのまま理解できるようになる。

他にも例えば、私も勘違いしていたのだが、ボーン(Bone)とリグ(Lig)の違い、分かります?分かって使い分けている人と、適当に使っている場合で、話がかみ合わなくなる場合もある。
例えば、ボーンと言えばたいていはデフォームボーン(Deform bone)なので当然ながら対応するメッシュにはウェイト値がセットされているわけだが、リグについてはメッシュにウェイト値をセットしないのが常識であって、(デフォーム)ボーンというオブジェクトの位置制御をするためだけのUI(ユーザーインターフェース)なのだ。

はい、上記のこの文章をすんなり理解できる人が3DCGクリエーターで、謎の呪文に見える人が一般人ですね(笑)

海外の情報を直接収集できる

この恩恵が一番大きいと思う。英単語で検索し、英語の掲示板を読むなどすることで、一気にトラブルシュートの情報収集が楽になる。もちろん全部読むのが面倒ならばGoogle翻訳などを使っていい。そして肝となる部分の英文を英語表記で直接理解すればいい。Google翻訳も補助でしかないので。

これは日本語UIではお手上げだし、そして日本人の誰かが記事を公開していなければトラブルシュートの手段が手に入らない。お手上げ、詰んだ状態となる。

英単語を知っているだけでトラブルシュートできる確率がグンと上がる。これだけでも英単語を覚える、英語に強くなるメリットが十分にある。


【結論】3DCG限定の英単語くらいは覚えよう!

英単語何万語も覚えろと言っているわけじゃない。せいぜい300~400個の3DCG頻出英単語を覚えればいいだけ。そして一度覚えてしまえば一生使える知識になる。例えば、これくらいは反射的に出てこないと、困るだろう。

(問い)ポリゴンの3要素について、頂点、頂点の複数形、辺、面の英単語を答えよ。
vertex, vertices, edge, face. 

おまけでいうとソフトのUIではvertex, verticesを省略してvert. などと表記することもある(語尾の単復をどちらにでも対応させる、という対策でもある)。英語は単数形・複数形に厳格なのだ。これも逆に「詳細な説明の理解」のときに役に立つ。

マニュアルを読んだときにその機能が「1つの頂点の制御のみできるのか、選択中の複数の頂点の制御できるのか」の理解など。複数制御ができるなら当然verticesという単語が使われる。

こういうことが分かってくると、色々と理解が早い。そして英語のチュートリアルでも上記3要素については少なくとも理解できるはずだ。「何について話しているのか?」くらいは何となく分かるはず。

だからさ、ね、もう四の五の言わずに、3DCGを真剣に学ぶなら、3DCG頻出の英単語くらいGoogle検索して学習し、My学習帳にでもメモして、あるいは英単語カードにメモして、反復して暗記して覚えちゃったら?と思う。

100均ショップで買えるよ?単語カード。

そして一度覚えてしまえば一生ものの知識だ。BlenderだろうがMayaだろうがアドオンのUIなど、関係ない。そういう些末な問題じゃない。日本語UIが提供されていないツールを使うならば、最初からそのまま英語で理解して英語UIで使えばいいじゃない?

少なくともプロの3DCGクリエーターは、あるいはプロを目指すならば、日本語UIに依存すべきではない。日本語UIに依存している段階でライバルとの差が広がる一方だから。
日本語UIを利用するにせよ、プラグインやアドオンなどが英語UIオンリーでも大丈夫だよ!特に支障はない!!!という準備は常に必要だ。

だから英語UIで利用できる側の人間になればいい。そこに淘汰の1つのしきい値がある。英語を努力して学んで理解できる側に来ればいい。しきい値のこちら側に来てしまえば、反対側の人の苦労は、自分には関係なくなる。それが努力して英語を学んだ者に対する神様からの祝福なのだから。

(日本語UIを利用する例外)

とは言え、やはり日本語UIが使えるならば日本語UIを使いたいというニーズは大多数だろう。なので、チュートリアル作成者や解説記事の執筆やYouTube解説動画を作る場合には、日本人向けのコンテンツを作るならばなるべく日本語UIにした方が「ウケる」のだ。これもまた真実。なので、例えプロの3DCGクリエーターであっても他者への解説時に日本語UIを利用するのはいいと思う。商売にルールはない。売れたもん勝ちだ。それもまた残酷な現実。その手段として日本語UIが使えるならば使った方がいい。

でも3DCGツールを使う人にとっては、どう言い訳しても、やはり英語UIでもツールを普通に使えるようになったほうが、強い。ライバルとの差を広げられる。

(もちろん趣味クリエーターならば好きにすればいい。でもトラブルシュートの点を考えると 略)


……さぁ、四の五の言わずに単語カードを買ってこよう!そして未知の英単語に出会うごとにスペルと和訳を書いていけばいい。1年もすればほとんどの3DCG用語が分かるようになる。後は自由の空が待っている。

青空と雲

努力するかどうかは、あなた次第。


【追記】大手ソフトのまともな日本語UIならば利用してもいい

ソフトの学習で頭がいっぱいな上に、慣れない英語UIでスタートというのは相当な負担だ。分かる。なのである程度ソフトになれるまでは、用意された日本語UIを使ってもいいと思う。何でもかんでも英語UIが史上最高!というわけでもない

ただ、慣れてきたならば、英語UIになじむ努力をすると、そのまま「英語力向上」につながる。少なくとも「英単語アレルギー」からは脱出できる。そうなれば海外製のアドオンやプラグイン利用時のハードルを下げることができる。

最終的にはどっちのUIでも作業に支障はない!というレベルに達すれば、立派な3DCG学習者!というかカッコいいよね!

なので、日本語UIが使えるソフトであっても、ソフト自体になれたら少しずつ英語UIも試して単語についてだけでも「日本語⇔英語」の相互変換ができるようにしておくと、将来的に役に立つ。例えリンク先が英語オンリーのページでもGoogle 翻訳を使い、「よくある変な誤訳」についても日英の単語の違いを知っていれば、推測しながら正しい意味で解釈できる。

というわけで、やっぱり3DCG専門の英単語だけでも、少しずつでいいから学んだ方がいいよ!ということでこの記事は終了!


今回の創作活動は約1時間30分(累積 約2,721時間)
(739回目のnote更新)


筆者はAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。(AmazonアソシエイトとはAmazon.co.jpの商品を宣伝し所定の条件を満たすことで紹介料をAmazon様から頂けるという大変ありがたい仕組みのこと。)
以下のリンクを経由してAmazonでお買物をするとその購入額の1~3%ほどのお小遣いが私に寄付されます(笑)以下のリンクを経由して頂ければ紹介商品以外のご購入でもOKですよ~。



読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊