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相続税の基礎控除について

「不動産を相続することになったけど、相続税ってかかるの?」
「不動産の相続税はどれぐらいかかるの?」
このような悩みについてお答えします。

こんにちは。つかさです。
お客様からのご相談で、
「親から不動産を相続する予定で、どれぐらい相続税がかかるのか?」
とご質問頂くことがあります。

相続税がいくらかかるかというと、下記のSTEPで求めます。

STEP①:課税総額を計算
すべての相続資産から、借金などのマイナス財産を差し引いて、
課税総額(A)を求めます。
(すべての相続資産とは、預金・不動産・有価証券・骨董品・自動車・宝石・貴金属などが含まれます。)

STEP②:課税遺産総額を計算
課税総額(A)から基礎控除を引いて、課税遺産総額(B)を求めます。
(基礎控除額=3,000万円+[600万円×法定相続人の数])

STEP③:取得金額を計算
課税遺産総額(B)を法定相続分で取得金額(C)を求めます。

STEP④:相続税額を計算
取得金額(C)に応じた税率(a)を掛けて、控除額(b)を引いて、
相続税額(D)を求めます。

STEP⑤:各人の納税額を計算
実際の相続割合により各人の相続税額(E)を求めます。

◆相続税の税率と控除

※詳しくは国税庁HPをご覧ください。 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm

【例題】
・法定相続人は、妻・長女・長男の3人
・現金・預金・株式     5,000万円
・土地(特例適用後)    1,500万円
・建物           1,500万円
・借入金          △500万円

STEP①
(A)課税総額 =  7,500万円
【5,000万円+1,500万円+1500万円-500万円】

STEP②
(B)課税遺産総額= 2,700万円
【7,500万円(A)- [3,000万円+600万円×3](基礎控除)】

STEP③
(C)取得金額〈妻〉 = 1,350万円
【 2,700万円(B) × 1/2 】

(C)取得金額〈長女〉= 675万円
【 2,700万円(B) × 1/2 × 1/2 】

(C)取得金額〈長女〉= 675万円
【 2,700万円(B) × 1/2 × 1/2 】

STEP④
相続税額の総額  = 287.5万円
(D)相続税額〈妻〉 = 152.5万円
【1,350万円 × 15%(税率) - 50万円(控除額)】

(D)相続税額〈長女〉= 67.5万円
【675万円 × 10% 】

(D)相続税額〈長男〉= 67.5万円
【675万円 × 10% 】

STEP⑤
実際の相続割合が妻50%、長女20%、長男30%だった場合。
相続税の総額は 287.5万円と変わりませんが、各人の負担する相続税額が変わります。

(E)各人の相続税額〈妻〉 =  0円
287.5 万円 × 50% = 143.75万円 - 143.75万円(配偶者控除)
特別控除:配偶者の税額軽減:法定相続分か1億6,000万円のいずれか多い金額までなら非課税 (適用条件あり)

(E)各人の相続税額〈長女〉
287.5 万円 × 20% = 57.5万円

(E)各人の相続税額〈長男〉
287.5 万円 × 30% = 86.25万円


◆相続税の基礎控除とは
相続税の基礎控除とは、相続財産の額から一定額を引くことで相続税を減額できる非課税枠です。
相続税の基礎控除額は、法定相続人の数によって変わり、
計算式は以下のとおりです。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

例:法定相続人が妻と子供2人の場合の基礎控除額
3,000万+600万×3人=4,800万円

◆法定相続人とは
法定相続人とは、民法に基づく相続人を意味し、配偶者や子供、父母、兄弟姉妹などが該当します。

◆基礎控除以外の特別控除
①贈与税額控除
②配偶者の税額減税
③未成年者控除
④障害者控除
⑤相次相続控除
⑥外国税額控除
⑦小規模宅地等の特例

相続税は、すべての財産にかかるものなので、相続予定の不動産だけでは、相続税がいくらなのかを求めることができません。


相続税は、ある程度大きな金額に課される税金で、基礎控除や特別控除などがあるので、相続する財産が基礎控除よりも少ない場合は、相続税はかかりません。


財産を相続する場合、まずは「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」という相続税の基礎控除の算式を覚えて、
「遺産の総額が基礎控除額を超えると相続税の申告が必要になる」ということだけでも覚えておくと良いと思います。


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