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第20回うまいもん!まるごといちのせきの日に参加して来た。

格之進Neufで開催されている「うまいもん!まるごといちのせきの日」、その第20回という節目の会に妻に連れられて行って来ました。

東北の復興活動は力強い

一関市から生産者さんがとっておきの食材を持ち込み、格之進さんが顧客から消費地・消費のハブである東京の食に関心のある人、食を生業とする人などを中心に参加者を募って、料理して供するイベントの様子。今回は他県ながらお隣の気仙沼市も参加しての開催とのことでした。

震災後に女川町や石巻市、ずっと離れて亘理町なども見る機会がありましたが、こうした地域の復興活動は実に力強いと感じます。被災地だから「外貨」が必要。そこで支援してねではなく、「外地に売れるものは」と自分たちの地力を見直し、それを発信して、復興事業をきちんと経済的に継続性のあるものにしていく。

この「まるごといちのせきの日」も魅力的な食材や産品が並んで、伝統のあるものも震災以降に開発されたものもあり、とても力強く胃に訴えかけるメッセージでした。

一関&気仙沼のうまいもん

…という能書きはこれくらいにして、お品書き。

乾杯はゆず酒。この日は予防接種後でアルコールを止められていたので、以降はリアスりんごジュース。氷入りでいただいたのだけど、食事を邪魔せず、むしろ適度に口の中を洗ってくれるスッキリした味で、お代わりをいただきつつ最後まで飲み続けました。

スモークハウス道楽亭のチーズとNeufのパテのピンチョスに挟まれて、中央に「もうかの星」。「レバ刺しがないなら、もうかの星を食べればいいじゃない」というやつですが、こちらの方がたしかにシンプルにうまい感じで、好みです。

渡辺農園とかさい農園の野菜サラダ。渡辺農園Vege fruハーモニーのトマトドレッシング、玉ねぎドレッシング、ビーツドレッシングをお好みで。ビーツドレッシングがとてもお勧めですが、野菜がブロッコリーもロマネスコもビーツも美味しくてそのままで美味しい。

きたあかりの塩辛じゃがバター。塩辛は八葉塩幸かな?シェフ(Neufの方)曰く、いいジャガイモと塩辛が入っていたので、北海道でよくやられてる食べ方で、とのことでした。塩梅が良かったし、きたあかりがホクホクというよりモッチリといった食感になっていて、美味でした。

気仙沼もまれ牡蠣と南三陸ねぎのグラタン、モーランド牛乳のホワイトソースで。いい感じに焼かれたホワイトソースの下にはこの牡蠣が敷き詰められてました。こういうのって、4人分なら4粒とか8粒じゃないんですか…ひたすら出て来てホワイトソースとの体積比1:1なんじゃないかってくらい入ってて…本気過ぎて嬉しすぎます。

気仙沼メカジキの塩麹竜田揚げと矢越カブのラペ。メカジキの竜田揚げは身がふんわり。矢越カブのラペも酢や油の味は主張せずサッパリした味わいで、人参などより柔らか。余談ですが当日いただいた資料に気仙沼メカジキ本があって見た目にも可愛いのですが、その中の「メカ×カレー誕生!」で紹介されていたレストランBRUNCHのメカカツサンドなど、竜田揚げから想像するにさぞ美味しいだろうと思いました。

気仙沼ホルモンと千切りキャベツ。「遠洋漁業から戻った漁師達が久々に肉をガッツリ食べたい、一緒に内陸の野菜を一度に補給したい 気持から生まれた」という、これも漁業地気仙沼ならではのソウルフードとのこと。

メガネ肉のステーキ、えごまマスタードバルサミコ風味。添えてあるのはふたたび登場の矢越カブ。鮮やかな黄色と口にした瞬間の甘味から、頭が「かぼちゃ?」とか「さつまいも?」と一瞬誤解しそうになりますが、よく味わえばたしかにカブ。ふかしてもグリルしても美味しそうな気がしました。

おにぎり二種「金色の風」「銀河のしずく」。銀河のしずくは2016年、そして金色の風は2017年に市場投入されたあたらしいブランド米。金色の風はひとめぼれとひとめぼれの突然変異系統Hit1073を掛け合わせた自信作とのことで、東北で最高値でもあるそうで、これは妻がずいぶん気に入っていました。

最後に甘いもの、松栄堂の「田むらの梅」と「ごま擂り団子」。田むらの梅は梅案は優しく甘く、そらを周りの紫蘇が引き締めていて妙味。ちなみに原型は白糖がまぶされたもので、こちらは県内でしか販売しないのだとのこと。ごま擂り団子は、これは他でも見かけるごまあんの団子なのだけど、美味しいところのものは美味しいという他ない。

復興支援地に求められること

こうした食材の料理を前に、この日、格之進の千葉社長からは「どういう食材を選ぶかは、どういう生産者に投資するかでもある」と参加者にメッセージが送られました。

東京他の消費地にできることは、なによりも生産地を知り、支えたくなる生産者と出会って、食材を手を伸ばすこと。被災地だから募金するのではなく、生産地として新しく上げてきている声を聞くことに努め、その産品を愛すること。それが対等な付き合い方であり、同時に持続性のある復興活動の支援でもあるのでしょう。

ところで同時に気になったのは、当日渡された資料に記載のURLがアクセスできなかったり、URLがないものも多かったり、そもそもWebサイトがなさそうなところがあったりしたこと。遠くの生産地を知り、食材を買い、周囲に紹介するには、Webページの存在はとても助けになります。逆に「知る」と「買う」の情報がググれないと、その食材にリーチできるのは、たまたま直接販路を知る機会があった人だけになりそうです。

同じことを亘理町に行った時にも思いました。もしかしたらいま必要な復興支援活動があるとすれば、オンライン発信を立ち上げるプロボノじゃないのかな。リーフレットとか作られてるのだからコンテンツは既にあって、あとはFacebookページとか、BASEとか、相性のいいガワを紹介して自力主体の回し方を考えてもらう感じでいい気がします。富川屋の例みたいな、むしろもっと軽い遠隔サポートで回せる形を探るような。

IT企業のCSRとか年次で計画して活動できるところで、そういうこと考えるところ、ないのかな。そして生産地側で、そういうニーズを取りまとめて発信していくみたいな動きもないのかな。そんなことも思いました。

参考

既にこのイベントの記事が二つあるようです。素晴らしいなあ。

「いちのせきの日」 市産食材魅力PR 20回の節目|Iwanichi Online 岩手日日新聞社

第20回うまいもん!まるごといちのせきの日(一関市気仙沼市)に参加してきました。 - FOODee (フーディー)

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