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僕たちは散歩をしていいのか問題

昨日曜日は、前日の冷たい強雨が嘘のような暖かい日差し。赤羽公園は散歩する人、腰を下ろして日光浴の人、ボールやバトミントンで遊ぶ子供たち、といった風景が見られました。ちゃんと見ると、お互いに距離を保ってるのがいつもと違うところかな、というくらいです。

散歩や子供の公園遊びについては、どうも問題視する向きもあるようです。また「太陽光浴びたいっ」「自宅で散歩気分を味わうには」と散歩自粛の苦痛と向き合ってる人もいるようです。「不要不急の外出自粛」には、散歩の自粛も含まれるのでしょうか。

各都道府県のスタンス

日本の場合、政府は緊急事態宣言を出して、その具体的な措置は各都道府県で緊急事態措置として定める形。都道府県ごとに自粛要請内容やその解釈が分かれることになります。散歩等については、各県知事が次のようにその解釈を語っているのを見つけました。

埼玉県の大野元裕知事は26日の記者会見で、「自粛の対象ではない」として、散歩やストレスのたまった子どもの公園での遊びも挙げている。
埼玉県知事 - 朝日新聞
「まずは外出自粛をさらに徹底していただくことになる」としたうえで、「ひとりで散歩することやジョギングなどは問題ありません」「生活に必要な物資が購入できなくなることはないので、必要以上の買いだめは控えていただきたい」などと語った。
神奈川県知事 - 朝日新聞
医療機関への通院や食料などの買い出し、それに職場への通勤など生活の維持に必要な場合を除いては、原則として外出しないことを要請しています。ただ、散歩やジョギングなど人との接触のない屋外のスポーツや農作業などは自粛の対象ではないとしています。
山梨県知事 - NHKニュース
医療機関への通院や、食料や医薬品、生活必需品の買い出し、それに必要がある場合の出勤や屋外での運動や散歩など、生活の維持のための行動は、不要不急の外出に該当しないとしています。
青森県 三村知事 - NHKニュース

海外事例と政府見解

海外のロックダウン事例を見ると、欧州ではドイツが「個人的な運動に限る」、仏英が「1日1回」としてそれぞれ制限付きで運動は可としている一方、伊西は不可としているようでした。米国は州によるものの「買い物や通院、散歩のための外出のほか、食料品店や治安当局、医療機関など『必須』の仕事は除外する例が目立つ」そうです。

日本の場合、政府は緊急事態宣言を出して、その具体的な措置は各都道府県で緊急事態措置として定める形。なので米国のように都道府県によって違うことになります。ただその大本となる緊急事態宣言の内容としては、次のように定めていました。

特定都道府県は、①の法第45 条第1項に基づく外出の自粛要請を行うにあたっては、基本的対処方針等諮問委員会の意見も踏まえ、期間、区域を示すものとする。その際、外出の自粛の対象とならない外出の具体例としては、医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での運動や散歩など生活の維持のために必要なもの等についても併せて示すものとする。
新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針 令和2年3月 28 日(令和2年4月 16 日変更)

関連して政府新型コロナ対策会議の見解と、同会議メンバーの一部などを含むコロナ対策有志の会はの呼びかけをリンクしておきます。

症状のない方にとって、屋外での活動や、人との接触が少ない活動をすること(例えば、散歩、ジョギング、買い物、美術鑑賞など)、手を伸ばして相手に届かない程度の距離をとって会話をすることなどは、感染のリスクが低い活動です。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議|厚生労働省
やむを得ず人に接触するような外出は、一日に1回程度が目安だとお考え下さい。不要不急の外出を避け、食料品の買い出し、通院、行く必要のある仕事程度にとどめてください。お一人での散歩やジョギングなど、人との距離が離れた屋外での活動は、問題ありません。運動不足にならないように注意して下さい。
全地域の皆さまへ 緊急事態宣言で変わること・変わらないこと(4/16更新版)|新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会

僕たちは散歩をしていいのか問題

外出自粛要請に散歩の自粛が含まれるのか。外出自粛要請を出している都道府県が見解を出していれば、その見解通りです。でも東京都のコメントは見つけられませんでしたし、緊急事態措置の告知内容を見ても埼玉県福岡県などでは散歩が生活の維持に必要な場合の例として記載されていますが、東京都のものにはいまだに記載がありません。

そうした都道府県ではどうしたらいいのでしょうか。最後は「など」の部分を自己判断するのだと思います。各都道府県見解や政府見解はそのための材料です。

そして僕はこう判断します。まず散歩はしていい。そして健康のためにした方がいい。ただし緊急事態措置にはしたがった方がいい。人との接触を避けるのが前提ですから、散歩の道筋や行先は人出/人通りの少なそうな場所を選びます。歩き出してみてその日たまたま人が多かったら、向かう先を変えます。人気のない夜道というのは物騒です(そして営業自粛要請下では暗い夜道が増えています)から、明るい時間を選びます。

公園で散歩、遊戯、日光浴をする人たちを、僕は健康的だなあと思って眺めました。違う判断をする人もいると思いますが、それはそれでいいと思います。ただしもし僕らもそう判断すべきだと思ったら、そう判断した材料を教えてください。そしたら僕たちの判断も変わるかも。そしてもし外に出たいとか太陽光浴びたいと思うなら、僕からは散歩や日光浴をお勧めします。強制はしないけど、そうしてもいいんじゃないかなと僕が思った材料はここに挙げてみました。あとはあなたの判断です。

散歩が禁止も許可もされていないなら、これはまだ自己判断のこと。判断を押し付けようとすれば、その時、ことは「僕たちは散歩をしていいのか」から「僕たちは散歩をしていいのか問題」になってしまうのだと思います。

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