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noteにサンタがやってきた

森にサンタがやってきました。サンタからの贈り物はハッシュタグ機能。サンタが「さあ、これを使ってクリスマスの風景を集めよう、みんなでクリスマスの楽しさを分かち合おうじゃないか」というと、森のみんなは喜んで森の中へ駆け出します。

次々に集まってきたクリスマスの風景は、それはもうたくさんで、すばらしくて、みんなの心がぽかぽかしてきました。「このクリスマスあったかいよね」「こっちのも素敵だよ」「どうだろう、みんなが素敵だと思うやつから、順番に並べてみようじゃないか」。みんなの人気順に並べてみると、広場はもうちょっとした展覧会。なかでもクリスマスの絵本と、マッチ売りの少女の絵は、みんなのお気に入り。

ただ、何か引っかかったみたいな顔をしてるのがリスとハリネズミ。リスはこうつぶやきます。「あの絵もいいけど、でも僕はこっちの松ぼっくりが一番のお気に入りだな」。ハリネズミはそれを聞いて、雷に打たれたみたいに全身の毛を逆立てます。そんなことをされるととても危ないです。

リスも飛び退って周りに誰もいなくなったにも気づかず、ハリネズミもつぶやきます。「いいものってみんなそれぞれだから、この森では順番付けとかやめとこうって誰か言ってなかったっけ。」

加藤(貞顕)氏:noteはランキングを設けていないんです。コンテンツは本質的に多様であることがいいと思っているからです。あまり良い例ではないかもしれませんが、レンタルビデオ店でアダルトコーナーを眺めると、人間の嗜好とはいかに多種多様なものかと思わされます。あの場では、ランキングはそれほど重要なものではありません。

ハリネズミは続けます。「これが良いなんてみんなで言い出すと、そればっかりになっちゃう。そうだ、例えばもう冬だしみんなで食べ物を集めてきて蓄えなくちゃいけない。でも『どんぐりがいいよ、おいしいし長持ちするよ』なんていってドングリしか集めてこなかったら、僕は困っちゃうだろう。」

加藤氏:また、ランキングには、多様性をそぐ側面があるんですよね。「仕事が10倍速くなる○個の事」みたいな記事が上位にあると、そういうコンテンツが量産される場の方向性が生まれてしまいます。

ハリネズミはまだ続けます。「そうだよ、いいものは森が教えてくれるって言ってたはずだよ。そういう森になるんだって言ってたよ。」

加藤氏:ただ、ランキングの良いところは面白い記事をピックアップしてくれるところですよね。そこはテクノロジーでカバーしようと思っています。noteのコンテンツ量がもっと多くなった時、レコメンドが効果を発揮するようになると思いますよ。

ハリネズミはもしかすると、サンタがとても大きく森を変えようとしてるのに気がついたのかもしれません。それとも、サンタにはクリスマスみたいな一時限りの人気投票なら森は変わらないという思惑があるのかも知れません。みんながハリネズミのつぶやきを聞いて考えたなら、なにか答えも出たかもしれないけれど、毛を逆立てた彼の傍からはリスも逃げ出してて、ハリネズミのつぶやきは誰の耳にも届きませんでした。

森にサンタがやってきました。森にハッシュタグがやってきました。森に人気順がやってきました。森にクリスマスがやってきました。クリスマスは #Xmas2014 というハッシュタグをつけていました。クリスマスが終われば、すぐに新しい年がやってきます。森の新しい日々が始まります。

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