Civic Tech - 市民イノベーションの技術世界
7月10日に開催された「テクノロジーで変える政治と市民社会―世界の最新事例報告―」に行ってきました。当日のメモを共有します。
テクノロジーで変える政治と市民社会―世界の最新事例報告― | tsukamoto | evernote
実は開催は前日にFacebookで流れてきた友達の投稿で知りました。それ以前に、これは海外で開催されたCivic Techに関するイベント「Personal Democracy Forum 2015」の参加報告会ということだったのですが、不勉強を告白するとCivic Techという言葉自体をこの日初めて聞きました。そんな私のメモですから、正確性に不安があることは先にお断りしておきます。
しかし不勉強を棚に上げて言うと、このCivic Techという語は、それほど広く知られているのでしょうか。登壇者のお一人の市川さんは、数年前にSocial Good系の情報を渉猟しイベントを巡っている中でこの語に出会ったと話されていました。Civic Techを検索していて最初に出てきた用語集サイトは、IT用語辞典等ではなくascii.jpの「よくわかるスタートアップ用語集」の1ページでした。
技術者でも、まだ「Civic Tech」が自分のボキャブラリに入っていない人、CSRやSocial Goodに興味があっても自分ゴト担ってない人もいるのではないかな、と勝手に想像しました。そういえば当日、最後にCode for Japanの関さんが「この会場内でTechの人(技術者)は?」と聞いた時に4人しか手が上がらなくて、あれれと思ったのでした。
今回感じた印象で言えば、IT経営×コンシューマリゼーションで起きたボトムアップのイノベーションにも似ているかもしれません。企業のIT化で経営は変わりました。そして近年、自宅のインターネット環境や私物のスマートデバイスなど、コンシューマーのITがある部分で企業ITより先進化し、コンシューマーITが会社内に取り込まれるという技術の逆流、ボトムアップでIT経営の刷新が進むといった「コンシューマリゼーション」が指摘されてきました。
同様に行政もIT化で変わってきましたが、市民のIT活用がある部分で行政より先進化し、それで市民側が行政の刷新を促したりチョイ足しを初めているのが「Civic Tech」「Civic Innovation」「Personal Democracy」と呼ばれてる「現象」なのかなと。最初は新語を使わずに「Code for Social Good」とでも言ってくれよと思ったのですが、ここまで考えてストンと腑に落ちた感じがしました。...勝手解釈で勝手納得なのですが。
実際にCivic Techという言葉を検索してみると、この2、3年で大きな動きになってきているようでした。この週末は、この言葉を鍵に2013年、2014年の関連アドベント・カレンダーを見つけたり、日本でのCivic Tech Forum 2015の記事や、今回の報告会でも再三言及されたThe OpenGov Hack Nightの記事などに行き当たりました。多分私は、きっとこれまでもこれらの記事を目にしてたのだと思いますが、知らない語だったので自分ゴトになっていなかったのです。
特に企業内の技術者で「技術者としてどうSocial Goodに関われるか」に関心を持っている人には、まさにその分野を指す用語だとお伝えしておきます。もしCivic Techという語を始めて聞いたけど、この分野に興味はあるという人は一緒に入門しましょう。この言葉を使いこなす必要はないと思いますが、この言葉を知っておくことは自分ゴトを増やしアンテナを磨いてくれると思います。このメモも、もしかしてその一助にでもなれば、とても嬉しく思います。
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ヘッダー写真:“Unity in Diversity” by fady habib(CC-BY 2.0)
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