●レビュー●日向坂46の四期生曲「夕陽Dance」・やばい時期ならではの救いを求める一曲

  • 20代後半のメンバーと10代のメンバーが共存したフォメです。それぞれの世代の雰囲気を反映してください。

  • しかも卒業が控えているメンバーが参加してます。

  • 時間と予算は限られています。

「以上の条件でいま最適な物語性ある曲とMVを作りなさい」と言われて誰がクリアできるのか。「絶対的第六感」はグループのドメスティックな混乱に満ちている。日向坂は思ったより混沌が混沌として面白くなりにくいグループである。

一方で今回の4期曲は、表題に課せられた条件にさらされている感じはない。一見すると置きにいくかのようだけど、ここにも別の混沌がなくもない。

楽曲自体は大昔のディスコをJpopに使いますなんて、ハロプロのつんくが20年前にやり尽くしたことを今やっている。とはいえセンターがりなしなので、MVではそこそこ別の意味が生まれてる。

りなしはまた妙な感じだ。泰然自若で年齢より歳が行ってるようにも見える。ただ今回は、そんなりなしも含めてハロプロ性を思い起こさせるというか。

2000年代はじめくらいの全盛期つんくって「闇鍋みたいな音楽とグループのなかで、泰然自若とした(少々悪い)若いセンターを入れる」みたいなかんじだった。

よく考えるとハロプロってあそこまで混沌としてるのに、崩壊もせずに今日までやってるのすごくない?混沌を混沌として面白く、というハロプロ的なるものは、気がつけばアイドル楽曲の王道のひとつになってる。しかし当時を知る私からすると、なんだそれとはなるのだが。

4期前作の「雨が降ったって」と続けて見てると、なんだか最近の日向坂本体が混沌としてるからなのか、仕切り直しなのか、ハロプロ的な混沌を目指している感じする。混沌とした楽曲に悪い(感じにはちょっと見える)雰囲気あるセンター、なんか条件揃ってる感がある。

良いとか悪いとかではなく、それより「運営側はグループが迷走し混沌の最中にあるとき、かつて混沌のなかでアイドルを成立させたハロの歴史に救いを求めるのだろうか」とか考えちゃったのだ。