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知って得する!刺繍用資材のご紹介

皆さんこんにちは!カワシマです! 

今回の投稿では刺繍用資材を紹介していくんですけど・・・
刺繍屋に限らず、ブランドの企画に関わっている方でも参考になる内容が含まれていますので是非最後までご覧頂ければと思います!

刺繍用の資材といっても細かく分ければとても多くの種類があるので全てをご紹介することはできません。ですので、今回はカワシマが扱っている資材の中でも必要不可欠なものに限って紹介していこうと思います。

パンチシート

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刺繍をする際の土台となる部分です。写真のシートはペンで色々書き込まれていますがもともとは真っ白なシートです。パンチシートは大きく分けて2種類の厚さがあります。これを刺繍枠にはめ込んで使うか、貼り付けて使うのかは刺繍屋によって変わってきますが・・・カワシマでは貼り付けて縫うのがメインなので厚手のしっかりしたシートを使います。

写真をよく見ると分かりますが、刺繍する柄の周りがカットしてあり、この範囲の中で刺繍がされるというわけですね。パンチシートごと縫ったらまー大変だもの!

地貼りのり

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生地をパンチシートに貼り付けておくためののりです。「置縫用」をかかれているのは、パンチシートに生地を貼る(置く)専用という意味です。これを使わなくて良い場合っていうのは、刺繍枠に生地をはめ込んでしまう時ですね。製品刺繍やワッペンを作る際にはこの方法になるのでのりは使わないということになります。

こののりの難しいところは
塗布する厚さ(濃さ)
生地の伸縮性
生地の質感
これらを加味した上で使用しなければならないところです。

まずは塗布する厚さ。
シートに塗布する際、玉になってしまうような塗り方は厳禁です。のりは乾かしてから使用するのですが、均一に伸ばして塗布されていないとまだ乾いていない部分ができてしまいます。乾いていないところに生地をセットしてしまうと、生地の方にのりが移ってしまうので注意しなければなりません。

お次は生地の伸縮性。
よくあるTシャツのような綿の天竺編みの生地であれば特に注意することはないのですが、合繊で伸縮性のある生地に関しては生地をセットする際に力加減を気をつけなければいけません。なぜなら、刺繍が終わって生地を剥がす・・・その時にのりに生地がくっつきすぎてびよーんと引っ張ってしまうことになるからです。刺繍の仕上がりもさることながら、裁断物の形が歪んでしまう原因にもなるのでセットする際には生地をシートに強く抑えつけないことが重要です。

お次は生地の質感。
ここでいう質感は「シルケット加工」を代表例として説明します。
シルケット加工とは、シルクのようなツヤと滑らかさを目指して生地そのものにする加工なのですが・・・これが厄介!!
この加工がされているとのりにくっつかなくなります。のりどころかシール、テープなどの「接着」関係がデバフ状態になります。
生地がその場で固定されなくなるので、縫っている間に刺繍の方に生地が動いてシワを作ってしまうんですね。全く縫えないわけではありませんが、置き縫いをする場合はのりを厚めに塗る、強力なテープで柄の周り以外も固定する等の作業が「必ず」必要になります。
これに関してはプリントも同様で、プリント台ののりにももちろんくっつかないわけです。噂では、シルケットがかかっている生地は仕事を受けないという選択をするプリント屋もあるみたいです。

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機械刺繍用の針です。数ある資材の中で、最も必要不可欠なものです。(そりゃそうだ)
針にも様々な種類がありますが、カワシマがメインで使っているのはオルガン針のKNシリーズになります。このKNシリーズの中で、使用する糸に合わせて針の太さを使い分けます。糸が細いのに太い針を使ってしまっては、針穴が目立っちゃいますからねー。
本皮などの「生きている」生地なんかは、針穴の部分だけが太くなっているK5シリーズで対応したりします。本皮は、針が抜ける瞬間に生地が元に戻ろうとして糸を締めてしまいます。糸が締まると糸調子が変わって仕上がりに大きく影響を及ぼすので、それを少しでも防ぐためにK5シリーズが登場したりします。

芯地

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いよいよここからが本番です。
刺繍の芯についてです。皆さんは刺繍の裏面を気にしたことはありますか?実は刺繍の裏面は写真のように謎の紙が残っていたりすることがあります。(写真は大げさに残していますが・・・)
この芯地が何故必要なのかを説明していきます。

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前述の通りパンチシートには穴が開いています。その範囲で刺繍がされるのですが、芯が無いと縫っていくうちに生地が引っ張られ、仕上がりが悪くなります。というか、縫うことすらできません。笑

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芯は文字どおり「芯」なのでそれ自体が引っ張られたり歪むことはありません。生地が芯ごと縫われることで刺繍が安定するわけですね。

その芯地、こちらも大きく分けて2種類あります。

紙芯

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ごく一般的に使用される芯地です。
紙芯でも厚さや密度が違うものがありますが、今回は割愛します。

紙芯は、刺繍が終わった後に手でむしり取ります。細かい部分はとれないので残ったままになる・・・これが皆さんの目にしたことのある部分です。
それ以外でも、あえて芯を取らずに残しておいた方が刺繍を綺麗に保てるときもあります。柄によって変える必要があるんですね。

生地によっては、紙芯1枚では綺麗に縫いきれないこともありますがその場合は紙芯を2枚使ったります。ただし、紙芯を2枚使うということはそれだけ刺繍面が硬くなりますので「柔らかさ」を取るのか「綺麗さ」を取るのかはそれぞれになります。

ビニール芯

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紙を使うことのデメリット「刺繍面の硬さ」「裏面の綺麗さ」をクリアすることのできるビニール芯。柔らかさは想像できると思います。裏面は手でむしり取るのではなく、熱板を使って剥離させるのでほとんど芯地はなくなった状態になります。
しかし、硬さがないので大きな柄や伸縮性のある生地等によっては紙芯のほうが綺麗に縫えることがあります。また、ビニールを取る際に熱を加えるので生地が縮んでしまったり変色してしまうこともあるので、紙とビニールはその都度使い分けていく必要があるんですね。うーん・・難しい!

ちなみに

芯が不必要な素材の代表例として
・フェルト
・革
があります。
素材そのものがしっかりしていて、縮んだりすることが無ければ芯地は必要ありません。

いかがでしたか?
加工のことで気になった方は是非HPからお問合せくださいね!

ではまた!

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