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日傘、遮光傘を買う前に読んでほしい記事
皆さんこんにちは。
傘クリエイターの辻野です。
今日は『日傘、遮光傘を買う前に読んでほしい記事』というテーマで書いていきます。
いよいよ暑くなってきました。
これから日傘の購入を検討されている方がいると思うんですが、『どんな日傘を買えばいいかわからない』、『遮光傘を選びたいけど何がいいかわからない』という方が、たくさんいると思うんですね。
ぜひ、そういう方にこの記事を読んでいただき、正しい知識を身に着けていただければと思います。
機能性表示に注意してください
まずは 機能性の表示です。
日傘は紫外線カット率、遮光率、この2つを特にチェックしてください。
この2つの数字は高ければ高いほど、性能はいいです。
特に暑さを避けたい場合、紫外線カット機能だけではNGで、遮光率100%、もしくは遮光率が高い日傘を選んでください。
業界団体の見解は?
ただし、この遮光率100%という表示が今問題になっています。
ざっくり要約すると、
日本洋傘振興協議会が「JUPA基準」の一部を改定し、洋傘の機能表示について「完全」「100%」などの表現を控えるよう求めている。これは、消費者の混乱を避けるための措置であり、日本アパレル・ファッション産業協会も注意喚起を行っている。遮蔽率や遮光率に関する誤解を招く表現の使用を制限することで、市場の整理が図られることになっている。
業界団体としての見解は「消費者の混乱を避けるため、完全や100%などの表現を控えましょう」ということです。
ただ業界団体に加盟していない側は、遮光率100%や完全遮光という表示の方が売れるので、現在でも混乱を招く表現が横行しています。
遮光率100%と完全遮光の違い
モノとして遮光率100%と完全遮光は同じものです。
弊社では、「遮光率100%の生地を使用」という表現をしていますが、「完全遮光」とは表示しておりません。
また「製品として遮光率100%」という表示もしておりません。
これを説明すると長くなっちゃうので、簡易的に書きますが、
弊社製品は生地のみの段階で「遮光率100%」は事実であり、エビデンスもある。
製品になったら遮光の検査は不可能。(製品状態での検査方法が存在しない)
製品状態で完全遮光かというと、縫い目があるので完全ではない。
というのが私の認識です。
2023年までは、弊社も業界団体の推奨する表示方法に賛同し、また検査会社にも指導をしていただき、遮光率100%の生地であっても、製品の表示は「遮光率99.99%以上」としておりました。
ですが、コンプライアンスに厳しい法人のお客様から指摘があり、逆に「製品で遮光率99.99%以上であることは証明できるのか?」と問われたんですが 、それを証明する方法がありません。
よって弊社の品質表示は、エビデンスが提示できる「遮光率100%の生地を使用」という表記に2024年から変更しています。
完全遮光という表示について
布製生地を縫製して傘を作る限り、必ず針穴が発生します。
ですから私の認識は、生地そのものは遮光率100%かもしれないけど、 完成品となった時に「完全」はあり得ないし、このような表現はまずいと思うんですね。
いずれ消費者庁から注意喚起が入ると思われます。
「遮光傘は劣化する」は都市伝説
「遮光の傘は劣化するから毎年買い換えます」という動画を見ました。
しかしそれは大きな誤解です。
遮光傘は生地が破れたりしない限り、遮光の効果は続きます。
UV カットもしてくれます。
劣化するというのは、おそらく昔の紫外線カット機能のみの日傘の話です。
紫外線カット機能のみの日傘は、紫外線カット剤を生地表面に塗布する方法なので、生地を直接手で触ったり、経年劣化で年々機能が下がっていきます。
遮光傘はポリウレタンのフィルムやコーティングがされたもので、簡単には剥離しません。よって紫外線カット機能や遮光機能が維持できるのです。
*私は傘が快適に使える耐用年数を3年くらいと考えております。3年ほどで撥水性はかなり低下しますし、骨組みにもガタツキが生じます。使用頻度や元の材質にもよりますが。
「スマホのLEDを当てて透けたら遮光じゃない」も都市伝説
あともう一つ。
「スマホのLEDを当てて透けたら遮光じゃない」という実験動画を見たことがあります。
これはかなり乱暴な計測方法です。
スマホのLEDで透けるからといって遮光機能がないわけではありません。
遮光の検査方法は、10万ルクスの光を当てて、透けるか透けないかを判定します。
10万ルクスの光とは、概ね晴天時正午の明るさです。
一方LEDの光はスマホによって違いますし、確か単位はルーメンだったと思いますので、そもそも光の単位が異なるので、単純比較できないのです。
私の経験上、スマホのLEDを当てて透けても、遮光100%の生地というのはたくさんあります。
またスマホのLEDで透けなくても、アウトドア用の800ルーメンの光を当てたら透けてしまうものもあります。
スマホLEDを当てて遮光するかしないかは、一定の目安にはなりますが、多少透けてもUVカット機能が劣るとか、遮光率が低いということではありません。
ですので、正規の検査をした結果の機能性表示を見て選んでいただければと思います。
まとめ
機能性表示に注意し、遮光率100%、もしくは遮光率が高い日傘を選んでください。
業界団体は消費者の混乱を避けるため、「完全」「100%」など、誤解を招く表現を使用をしないよう求めている。
スマホのLEDを当てて、透ける・透けないは関係ない。
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