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名探偵左京'24GW倒叙SP✢第2夜「讐いのとき」

■見どころ
倒叙ミステリーを3夜連続で放送するゴールデンウィーク特番。
▼第2夜のゲストは、舘ひろし暴力団などの捜査を担当する組織犯罪対策部(ソタイ)を率いる陣地巌警視を演じる。
▼さらに、加藤浩次が陣地に殺害される芹沢弁護士役で登場。

ゲスト:舘ひろし 加藤浩次 三宅弘城

■あらすじ
「俺の最後の事件だよ」と刑事部屋から颯爽と出ていく陣地巌警視(舘ひろし)。部下の刑事たちから憧れの存在として人気の陣地は、彼らから見送られ、裁判所を目指していた。陣地が刑事たちから信頼されているのは、その捜査実績だけでなく、ある暗い過去と彼の信念を知っているからだった。

15年前、陣地の一人娘が中学生に殺害されるという事件が発生。犯人の男子中学生は少年法によってプライバシーが守られた。当時、陣地の周囲の刑事たちは、陣地に犯人の名前や素性を教えようとしたが、陣地は断固として拒否。「我々は法の下に生き、働いている。だから、守らねばならない。君たちの想いはありがたい。しかし、犯人の少年の名前は聞くことはできない」と応えていた。

裁判所に到着した陣地は、自身が逮捕した半グレ集団の検挙時の様子について答えていた。彼に質問を投げかけるのは、緊張気味の中年新米弁護士の三枝貴文(三宅弘城)。三枝は脂汗をかいている。彼の公判書類を束ねる風呂敷には、「芹沢弁護士事務所」の文字が印字されていた。

その夜、陣地は刑事部屋でタレコミの電話に対応していた。警視庁あての電話で陣地を指名したタレコミだった。「芹沢利一という弁護士が、半グレ集団から法外な金を受け取り、彼らの犯罪をもみ消している。被害者を半ば脅迫し、示談にしている」というものだった。翌日、陣地は芹沢弁護士事務所へ聞き込みへ向かう。

突然現れた陣地の姿を見た芹沢は、驚きを隠せない様子だった。タレコミについて陣地は芹沢に確認。動揺を隠しきれない芹沢の姿を見て、彼が犯罪に手を染めていると陣地は確信した。そして、事務所に居たのは昨日裁判を共にしていた三枝だった。三枝は何かを陣地に言いたげだったが、芹沢の目を気にして、諦めた様子だった。

事務所を出た陣地は、三枝に電話し、先程言おうとしていたことを聞き出すため、呼び出した。三枝は「芹沢弁護士と共に仕事をしていると、怖くなる時があるんです。世の中の悪人を弁護士として弁護するだけでなく、彼らと同じ匂いがするんです。酔っ払った時、人を殺したことがあると嘯いていたこともありました。芹沢弁護士いわく、刑事の娘を15年前に殺したことがあると。当時、中学生だったから、自分は少年法で守られた。そんなことを言うんです…」陣地は三枝の言葉を聞き続けることができなかった。15年間、我慢していた犯人への復讐心がめらめらと胸に滾る音が聞こえた。冷静になるため、ひとりになった陣地。「いま、自分がなすべきはタレコミに関する
捜査だ。15年前の娘の事件はもう終わっているのだ…」そう言い聞かせていたが、陣地はその夜、娘のことを思い酒を飲みながらひとりで泣いた…。

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翌日の夕方、陣地はタレコミ捜査のため、再度、芹沢弁護士事務所を訪れた。芹沢以外に誰もいない事務所で、芹沢は突然、陣地に叫び始めた。「お前、、、復讐のためにやって来たのか?もう俺は刑期を終えている!お前に復讐される言われはないはずだ!」叫ぶ芹沢を見た陣地は、我慢の川が決壊してしまう。気づいた時には、陣地は裏拳で芹沢の頬を打ちのめしていた。芹沢は自身のデスクにまで逃げ、引き出しから拳銃を取り出した。が、芹沢は意識が朦朧としており、拳銃を落としてしまう。陣地は床に落ちた拳銃を見て、「これが運命か」とポツリと話し、「芹沢ーーーー!」と叫び、彼を射殺した…。

陣地警視は、現場に呆然と立ち尽くしていた。これまで15年間、娘を殺害した犯人を殺したいと考えていたが、それは頭のなかだけの話。いざ、犯人を前にしたとき、殺意と殺害のチャンスがいとも簡単に訪れるとは想像すらしなかった。目の前に遺体となって倒れる芹沢を見て、陣地は呆然と立ち尽くしていた。

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その夜、事務所を訪れた三枝弁護士が警察に通報し、事件が発覚。「DADA」にいた世田谷警部と左京は、ともに現場に訪れる。ふたりは、第一発見者の三枝弁護士に当時の状況を聞いていた。いつものように裁判を終え、事務所に戻ると、ドアのカギは開いており、ドアを開けると、倒れている芹沢弁護士が目に入り、彼に駆け寄った。もう亡くなっている様子だったため、すぐに警察に通報したという。

三枝への聴取が済んだ時、現場に到着したのが、陣地警視だった。芹沢の捜査をしていたため、陣地にも連絡が入ったのだ。左京は鑑識課の捜査員と話し込んでいる。

「陣地さん!ご無沙汰しています!」と世田谷警部。昔から付き合いがあった警部は、陣地を尊敬していた。そして、警部は被害者の名前を聞いた時、陣地の娘を殺害した犯人であることをすぐに思い出した。そして、今、別件で陣地が芹沢を捜査していると聞き、心がざわついていた。「陣地警視は、芹沢の正体を知っていたのか?それともただただ偶然だったのか?」世田谷警部は陣地に直接聞きたかったが、ためらっていた。

陣地は現場に置かれたままの凶器と思われる拳銃を見て、驚いていた。その様子を左京は見逃さなかった。「陣地警視、お目にかかれて光栄です。左京と申します。あなたのお噂は世田谷警部から何度も伺っています」と左京。「あなたが左京さんですか。どうも陣地です。あなたのご活躍は、ガヤからよく聞いていますよ。いつもガヤがお世話になってます」と陣地。ガヤとは世田谷警部のことだ。付き合いがないことがその呼び名からもわかる。「時に、ご意見を伺いたいのですが、気になるんですよ、指紋が」と左京は警部と警視ふたりに話しかける。「鑑識の方によると、この拳銃には指紋がなかったそうです。拭き取られていたそうです。しかし、事務所のドアノブの諮問は拭き取られていなかったそうです。どういうことでしょうか?拳銃の指紋を拭き取った犯人が、なぜ、ドアノブの指紋を拭き取らなかったのでしょうか?どうお考えでしょうか、警部?」問われた警部は、答えに困っている。「陣地警視はいかがお考えでしょうか?」警視は「左京さん、君はどう考えているんですか?」と逆に問い返した。「おそらく、拳銃で芹沢を殺害した人物と、拳銃の指紋を拭き取った人物は別人物です。でなければ、殺害犯はよほどおっちょこちょいですね」と左京。すると、警部は「左京、拳銃で殺害した人物が手袋をしていたんじゃないか?だから、ドアノブの指紋を拭き取る必要がなかったんじゃないか?」と反論した。左京は「だとするならば、拳銃の指紋を拭き取る必要もありません。また、ドアノブには手袋で触られた痕跡はありませんでした。手袋をしていても痕跡は残ります。しかし、その痕跡はドアノブにはなかった。拳銃の指紋を拭き取りながら、ドアノブの指紋は拭き取らなかった…。同一人物の行動とは思えません。まるで別人の行動です。つまり、この現場にはふたりの人物が出入りした可能性があるのでは、と。拳銃で芹沢を殺害した人物と、拳銃の指紋を拭き取った人物は別人だと結論付けたんです。そして、ポイントは、なぜ指紋を拭き取ったのか?その理由ですね」と一気に話した。

「ガヤ、、、お前が左京さんを頼る理由がよくわかったよ。彼は洞察力と推理力が鋭いね。俺にはやることがあるから、失礼するよ」と陣地警視は言い残し、現場を後にした。そして、世田谷警部も警視の後を追った。

世田谷警部は、陣地に芹沢の正体を伝えようか迷う。陣地は世田谷の表情を読み取り、「ガヤ、ありがとうよ。実は俺、芹沢の正体を知っていたんだ。タレコミの捜査をしている途中で、三枝弁護士から偶然、芹沢が俺の娘を殺した犯人だと聞いたんだ」と告白される。世田谷警部は、ふと「警視が復讐のため殺したのかもしれない…」と思い、自己嫌悪に陥った。「15年間、法律を守り抜いてきた警視が復讐殺人など犯すはずがない…」そう思い直した警部は、陣地に敬礼した。「あなたが復讐したのですか?」と問う気にはなれなかった…。

世田谷警部はその夜、15年前の事件について、左京に話をした。

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陣地は、遅かれ早かれ左京が逮捕しにやってくると確信していた。それまでにはやっておかなければならないことがある…。そう思い、娘の墓参りにやって来た。そこにいるのは、左京だった。「やはりあなたは、芹沢が娘さんを殺した犯人だとご存知だったんですね?」「何を陣地から聞いたか知りませんが、さすが左京さん、名推理ですね。その通りです」と陣地。そして、「あなたは私が復讐のために芹沢を殺したと仰りたいのでは?」と続ける。左京は「いいえ、あなたが殺したかどうかは、まだわかりません。ただ、芹沢が亡くなった翌日、娘さんのお墓を訪れてらっしゃるということは、その犯人が芹沢だとご存知だったんだと思いまして」と応える。「ふふ、、、。まだ、俺が犯人だという証拠をお持ちじゃない、ということですね?」と陣地は笑って応えた。と、そこに現れたのは、世田谷警部だった。「左京!何をしてる?」と怒る警部。「いや、いいんだよ、ガヤ。左京さんは、やるべきことをやってらっしゃるだけだ。犯人逮捕の捜査。それは、お前もやるべきことじゃないのか?俺に気を使わずに色々聞きたければ聞けば良いんだよ」と陣地。

「お前にやるべきことがあるように、俺にもまだやるべきことがある。それを終わらせるまでは、あの事件は終わらないぞ」と陣地は続けて、墓地を後にした。

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「あの事件…ですか。気になりますねぇ」と左京はDADAで世田谷警部と話していた。「あの事件…つまり、今回の芹沢弁護士殺しではなく、それよりも前の事件、おそらく娘さんの殺害事件について陣地さんは話しているんでしょう。『あの事件は終わらないぞ』陣地警視が芹沢を復讐心から殺害していたとするならば、もう事件は終わっています。しかし、『あの事件は終わらない』という警視は言った…。あの事件はどうやったら終わるのでしょうか?」左京に対して、世田谷警部は「たとえば、、、真犯人が他にいた、、、とか??」と応えた。「『まだ、やらないといけないことがある』…警部!もしかしたら、お手柄かもしれません!《真犯人を突き止めるまで、まだあの事件は終わらない》という意味かもしれませんね」と言い、左京は、DADAを後にした。

翌日、陣地の遺体が自宅で発見される…。
陣地はなぜ死んだのか?それとも殺されたのか?
左京が事件の真相を突き止める!

■ゲスト
▼陣地巌…舘ひろし

 警視庁組織犯罪対策部・警視
▼芹沢利一…加藤浩次
 中学時代に陣地の娘を殺害した犯人。
 刑期を終えた後、弁護士に。
▼三枝貴文…三宅弘城
 芹沢のもとで働く後輩弁護士。

■事件の真相
▼陣地警視は重なった偶然を「復讐の時」と考え犯行に及ぶが、実はそう仕向けたのは、三枝弁護士だった。

⇒陣地へ芹沢のことをタレこんだのも三枝。
⇒三枝が陣地に芹沢の過去を伝えたのも、陣地に復讐させるためだった。
⇒そして、芹沢へは「陣地はあなたの過去を知っている」と言っていたと嘯いていた三枝。芹沢を不安に陥れていた。

▼三枝が陣地警視に「復讐」をするように仕向けたワケ。
⇒実は、三枝は芹沢から”正体”をバラすと言われていた。
⇒陣地の娘を殺害したのは、芹沢ではなく三枝だった。
⇒資産家の御曹司だった三枝は、貧しかった芹沢に”儲け話”として、犯人を名乗るよう持ち掛け、芹沢は承諾。
⇒出所した芹沢が頼ったのは三枝だった。三枝は学費などをすべて出し、芹沢を弁護士にした。
⇒そして、今、良心の呵責に耐え兼ねた芹沢が「事件の真相を話す」と言ってきたため、陣地警視を利用し、殺害を誘導した。

▼陣地は、自殺を遂げる。(しかし、それは三枝の仕業=他殺だった)
⇒陣地は、娘殺害犯が芹沢ではなく三枝であると気づき、三枝に自供を勧めたが、三枝は拒否。そして、三枝は陣地を撲殺。ビルの上から遺体を落とし、自殺に見せかけた。

▼左京は、三枝とともに15年前の事件を再現。
⇒三枝が犯人しか知り得ない行動を取ってしまう。秘密の暴露で逮捕。

■妄想放送日
2024年5月4日(土)21時〜22時54分
※通算46話

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