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#15 日本の産業分類コードを学ぼう

札幌でちいさな貿易商社を経営している、ケニー(tsujikenzo)です。noteでは、Tweet以上、技術ブログ未満の、アウトプットを行っています。

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今日のテーマは、日本の産業分類コードを学ぼうです。

はじめに

みなさん、アンケートを提出したり会社のことを聞かれたときに「小売業」や「情報処理・提供サービス業」など、業種を選ぶときに困ったことはありませんか?小売りもやってるけど、ネットショップもやってるし、友達のWebサイトも作ったりしてるしな、という方も多いと思います。そんなお悩みを、ケニーが解決します。

日本標準産業分類とは

昭和の初めごろまでは、日本の産業分類はバラバラで、統計を取るのが大変でした。そこで、効率よく管理するために「統計法」という法律を定めて、日本の産業を「農業・製造業・建設業」などに分類しました。
その分類は「日本産業分類」と呼ばれており、総務省の「告示」として定められています。ちなみに、日本の法律は、以下のようなピラミッド状になっており、上に行くに従って力の大きなものとなります。

引用:『法体系ピラミッド』政治ドットコム

産業分類コード

この告示があるおかげで、経済産業省は、経済政策の立案や産業政策の実施ができますし、厚生労働省は、労働者に働きやすい環境を提供できますし、総務省統計局(e-Stat)は、日本の産業の統計が取れるわけです。

産業分類コードは、日本標準産業分類(平成27年)を中心に、商業分類基準(平成27年)、医療機関分類基準(平成29年)などが存在しています。たとえば、医療機関分類基準は、医療機関を対象とした産業分類基準であり、3部門、約20の大分類、約50の中分類、約100の小分類で構成されています。主に、病院、診療所、歯科医院などが分類されます。

また、産業分類コードは、国際的な産業分類コードと対応関係があります。輸出入品目を分類するために、産業分類コードが使用されております。(HSコードのお話は別途)

引用:『我が国と諸外国等の 産業分類及び生産物分類の概要』総務省

自社の産業分類コードを知ろう

なので、ひとくちに「産業分類コード」と言っても、誰が統計を取りたいのかによって、参照先が異なります。今回は、e-Statの産業分類コードを使って、自社の業種を明確にし、自社をアピールしたり、業界トレンドや競合状況を分析してみましょう。

e-Statの日本標準産分類

政府統計の総合窓口、通称e-Stat(イースタット)にて、日本標準産業分類を調べることができます。

フリーワードで検索もできる

産業分類コード

項目をポチポチクリックしていくだけで、目的の産業分類コードに到着できます。

産業分類コードが判明したおかげで、経済センサスなどのデータを見ることが可能になります。

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?age=1&toukei=00200553&tstat=000001145590

業界における自社の位置づけや、事業の評価をやってみましょう。高いコンサル料を払うのは、解決しなければならない課題を見つけたあとです。

「都道府県別」の「卸売業」の「従業員数」などが調べられる

商品分類コード

ちょっとわかりづらい話なのですが、「商品分類コード」もまた、目的によって異なります。

例えば、経済センサスにおける卸売業・小売業の商品分類コードと、日本標準商品分類の、商品分類コードは異なります。

https://www.stat.go.jp/data/e-census/2021/pdf/bunrui_oroshi.pdf
経済センサス-活動調査分類表(卸売業・小売業)における生鮮魚介は5216からはじまる5桁:52161:生鮮魚介

https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/30
日本標準商品分類の水産食品は71から始まる5桁:71231:ほたてがい

弊社が取り扱いしている商品、および、産業分類コードはこのような感じになりそうです。

商業統計など経済活動のときに使う弊社の産業分類コード(および商品分類コード)

まとめ

産業がバラバラだと、統計を取るときに不便なので、総務省告示(守らなければならない法律)として、「日本標準産業分類」が定められていることを学びました。
また、「商品」などは、誰が分類したいのか、何のために分類したいのか、によって自由に変わってきますので、法律として定められているわけではありません。(分類学という学問が興味深いです。分類は効率を上げる道具ではなく、思想の構築だそうです。)
統計データは、ChatGPTの苦手な出力分野です。ノンプログラマーでも、気軽にe-Statを触れるように、今後も発信していきたいと思います。

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