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治具(ジグ)とは?種類・用途・製作事例をご紹介!

治具とは?

治具(ジグ)とは、加工や組み立ての際に部品や工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具の総称です。

加工物を固定したり、位置を決めたり、加工を案内する補助工具として活用されます。

治具を使うことは
・経験の浅い作業者でも作業が容易になる
・品質のばらつきが減少する
・作業効率・生産速度の向上
・ミスの削減

といったメリットがあり、生産性向上につながるため、あらゆる業界のあらゆる工程で治具が使用されています。
そんな治具の種類や用途を作製事例とともにご紹介します。

治具は要望に合わせてひとつひとつ作製する。
photo by MIX JAM DESIGN

加工治具

加工時に使用される治具を「加工治具」といいます。
受け治具、ロール転写用治具、ゲートカット治具などがこれにあたります。

受け治具

ワークを固定し、印刷の位置合わせを正確に行うための治具です。
主にホットスタンプ、パッド印刷、シルクスクリーン印刷に使用されます。

左:受け治具 
右:プラスチック向けホットスタンプ版
ツジカワでは版とセットで治具を製作するため、
位置合わせが正確で高精度な治具作製が可能。


ロール転写用治具

ゴムロールで圧をかけてホットスタンプする際に、成形品を固定するための治具。
成形品を傷つけたくない部分はベーク・デブコンなどの樹脂で、
強度がほしい部分はアルミ・SKなどの金属で作製するなど、耐熱性やクッション性を考慮した設計・材質選びが求められます。

写真中央部の丸い部分に成形品をかぶせ、
その上に箔をセットする。
その上を、熱をかけたゴムロールが転がり、
成形品に箔が熱圧着(ホットスタンプ)される。

※プラスチック製品向けのホットスタンプに関してはこちらの記事もご参照ください!
プラスチックへの ホットスタンプ 加工とは?仕組みや印刷方式を解説!
「 ホットスタンプ 版」と「 治具 」‐プラスチック成形品に高付加価値を付与する‐

ゲートカット治具

射出成形金型に樹脂(プラスチック)を充填する際の流入口である「ゲート」をカットするための治具です。
何カ所も除去しなければいけないゲートがある場合、手作業だと非常に大きなリソースが必要になりますが、治具を使用すれば不要なゲートを効率的にカットすることができます。

カス取り治具

抜き加工時に発生する不要なカスを除去するための道具です。カスは手作業やブロワーでの除去も可能ですが、ロット数が多い場合などは、治具を使用することで効率的に作業を進めることができます。

組立治具

組立工程でも様々な治具が使用されています。
位置決め治具固定治具、貼り合わせ治具などがそれに当たります。

固定治具

ネジ止めなど、通常であれば経験を要するような組付け作業も、治具で位置決め・固定をすることで作業が圧倒的に容易かつ迅速になります。

こちらの治具は、部品を置いてボタンを押すだけで、ネジ止めとパーツの圧入ができる装置です。
センサーが部品を感知し、部品が正しい順序で入っていないと作動しない仕組みになっているため、部品の入れ忘れなどの人為的なミスを防ぐことができます。

貼り合わせ治具

OCAフィルムや、飛散防止フィルム、光学フィルムなどの貼り合わせ加工を行う際に使用される治具です。
スマートフォンやタブレット端末などのタッチパネル機器には多くの貼付部品が使用されており、高精度の貼り合わせが要求されます。
ゴミの付着・気泡混入の防止、精度の高い位置合わせを行うために貼り合わせ治具が使用されています。

刃型で抜いたあとのフィルムを
位置決めしながら貼り合わせる治具
ゴムローラーで圧をかけながら
貼り合わせを行うための治具

検査・測定用治具

成形や印刷などの加工を終えたワークが、規定を満たしているかを検査・測定する際に使用される治具です。
成形品をセットして目視で確認が行えるため、ノギスなどで1つ1つ計測するよりもスピーディに検査を行うことができます。

成形品をセットして目盛り内に印刷が入っているかを確認する検査治具


成形品を上からはめて使用する検査治具

治具製作におけるツジカワの強み

ツジカワではお客様のご要望・お困りごとに合わせたバリエーション豊かな治具を設計から製作まで手掛けています。

版・刃型とセットで納品が可能!

ツジカワでは版や刃型とセットで治具を製作できます。このため、位置合わせが正確で、精度の高い治具の提供が可能です。

幅広い加工に対応!

ツジカワでは、フライス盤や旋盤だけでなく、ワイヤー加工機、マシニングセンタ、3Dプリンターなど、多種多様な機械を備えています。
そのため、幅広い加工方法に対応できます。さらに、製品のデータがない場合でも、製品現品から3Dスキャナーを用いて3Dモデリングデータを作成し、それをもとに版や治具を設計するリバースエンジニアリングも可能です。

多様な材質に対応する加工技術!

ベークライト、POM(ポリアセタール)、デブコン、鉄、真鍮、アルミニウム、サイコウッド、ステンレス、アクリル、その他の固形樹脂など、多岐にわたる材質の加工が可能です。また、テフロン加工や、各種メッキ、窒化処理といった表面処理も、協力会社を通じて提供できます。

自由度の高い設計!

上記のように、対応の幅が広いため自由度の高い治具設計が可能です。
電気制御やエア駆動の治具作製も可能です。

自動機の作製も可能!

治具を組み込んだ自動機の製作実績も多数ございます。

  • ダイカットロール式ラベルカット装置

  • 腐食刃ロール式ラベルカット装置

  • 平圧ヒートプレス装置

  • シュリンクラベルセンターシール機 など

これらの装置を通じて、ものづくりにおけるさらなる省力化・省人化をお手伝いいたします。


まとめ

治具は一般的にはなかなか目に触れることのない製品ですが、作業の効率化には欠かせない製品です。
ものづくりの作業性に課題を感じている方は、是非導入をご検討ください。
詳細はカタログをダウンロードいただくか、お気軽にお問い合わせください。

photo by MIX JAM DESIGN


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