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通販ビジネスを始める際に準備すべきこと

通販ビジネスを立ち上げる際には、以下のものが必要となります。

① オンラインショップ
② 電話(フリーダイヤル)
③ FAX(できればフリーダイヤル)
④ 代金決済(代引き、クレジットカード、後払い)
⑤ 商品発送体制(郵便もしくは宅急便)
⑥ 商品同梱ツール
⑦ 顧客管理体制

① オンラインショップ

STORES、BASE、Shopify等、無料もしくは低価格でオンラインショップを開設できる環境が整っています。これらのサービスでは専門知識が無くても、自分達で手軽にショップの開設ができるように準備がされています。

会社の事業規模も大きく、本格的に取り組みたい場合には、フューチャーショップ、イーストア、メイクショップ等のショッピングカートを活用し、オンラインショップを開設します。この場合は、オンラインショップの制作実績のある制作会社に依頼することになります。

東京都中央区にあるビストロ「レトノ」は今年からお店のメニューを冷凍してお届けするという取り組みに着手しました。お届けする商品作りに目処が立つと、BASEを活用し、オンラインショップを開設しました。同時に今まで取りくんでこなかったSNSにも力を入れ、過去の来店客にお店の取り組みについて情報発信を重ねていきました。なかなかお店に来ることができない常連客は通販で商品を購入し、お店の味を楽しむことができました。

②電話

フリーダイヤルで準備するのが基本です。受付時間も決めて告知するようにします。

③FAX

できればフリーダイヤルで準備したいですが、件数が少ないうちは対応していなくても構いません。割合は少ないのですが、まだ利用者もいるので準備はしておきたいです。

④代金決済方法

代金決済1つとっても通販の売上は左右されます。選択肢が少ないとお客様は買い物自体に不便さを感じてしまい、購入自体を止めてしまう場合もあります。お客様1人1人、便利と感じる決済方法は違うので、なるばく多くの選択肢を用意することが大切です。

・代金引換

お客様が代金と引き換えに商品を受け取る方法です。100%代金回収ができるため、売掛金の回収がないのがメリットです。一方で、お客様は商品受け取り時に現金を用意していなくてはいけないので、煩わしさを感じる方からは敬遠される傾向があります。

・後払い

商品到着後、お客様がコンビニエンスストア・郵便局・銀行にて代金の支払いを行う方法で、通販では最も利用者が多い決済手段です。通販ビジネスに慣れていない会社では前払いにしている場合があります。多くの通販会社が後払い対応している中、前払いだとそのことで購入を諦めるお客様も出てきます。なるべく前払いは避け、後払いで対応することをお勧めします。なお、回収に不安がある会社は株式会社ネットプロテクションズのように後払いを代行してくれるサービスを利用することでその不安を解消することができます。

・クレジットカード

オンラインショップでの購入では利用者が多い決済手段です。代金回収も確実なので、オンラインショップで商品を販売する際には必須です。
通販ビジネス立ち上げ当初は、「代金引換のみ」か「代金引換+クレジットカード払い」という用意で構いません。お客様の買いやすさを考えますと、後払いがあるのは理想ですが、売掛金の管理や督促というのはかなりの労力とストレスがかかります。代金引換、クレジットカード払いであれば督促等の業務は発生しませんので、担当者も売上を作る活動に集中できます。お客様が増え、体制も整ってから後払いも準備すると良いでしょう。

・未収金への督促状は2週間で発送すること

通信販売ではお客様からの入金がないとせっかくの売上も未収金になってしまいます。お客様が入金をしてこない理由の大半は「うっかり忘れていた」「面倒くさかった」というものです。販売している側も1ヶ月~2ヶ月経っても入金のないお客様へ督促の手紙を出す場合が多いのですが、変に遠慮をしないで早めにコミュニケーションを取ることが大切です。もし、2週間経っても入金がなければ、お客様とすぐにコミュニケーションを取った方が良いでしょう。その際には、入金の督促をするというよりも「無事に商品は届いていますか?」とお客様の良心に訴えかける方が良いでしょう。未収客へは早めのアプローチが未収金を減らすためのポイントです。

⑤ 配送体制

商品を発送するための箱や緩衝材を用意します。発送する商品の大きさによって、利用するサービスが変わります。厚さ3cm以内(3辺の合計60cm以内)で送れる商品であれば、ゆうパケット(郵便局)、ネコポス(ヤマト)といったサービスが利用可能です。


2017年にヤマトが値上げを行ったことにより、ゆうパケット、ネコポスといった宅急便より安価に商品を送ることができるサービスの利用が増えました。商品開発の時点からどの形態で発送するかを想定している会社もあります。


日本郵政、佐川急便、ヤマトといった宅配サービスを提供している会社の見積もりを取り、利用する会社を選定します。価格以外の担当者の人柄・対応のスピード、会社からの距離といったところも勘案して選定してください。

⑥ 商品同梱ツール

通信販売では商品の品質が良いだけではお客様はその価値を理解できません。商品の良さ、企業の考え方、販売担当者の人柄、商品を実際に使っているお客様の声等に「共感」することで初めて、お客様は自分の購入した商品の価値を実感することができます。

そのために、購入者に送る

・挨拶状
・商品パンフレット
・リピート注文の案内・申込書
・お客様の声ツール
・お客様の声収集用ハガキ

といった同梱物は最低限、用意しておく必要があります。

・挨拶状

手書きのメッセージカード、印刷した挨拶状に2~3行手書きのメッセージを添える、全て印刷の挨拶状と様々な表現方法があります。挨拶状の目的は主にお客様への感謝を伝えること、事業・商品への溢れる想いを伝えることにあります。

事業・商品への強い想いを持っている場合には、文章は長くなっても構わないので、自らが持つ思いを余すことなく伝えてください。手書きのメッセージを添えるのは、単に商品やツールを郵送するだけではなく、お客様が人の気配を感じることが大切で、お客様に良い印象を残すことができます。

菊正宗挨拶状

・商品パンフレット

ツールの中で、最も重要なものは商品パンフレットです。この商品パンフレットには通販で販売している商品、商品へのこだわり、開発経緯、品質、製造工程、品質管理、企業姿勢、販売している社員の姿など多くの情報を徹底して訴求していきます。


商品パンフレットはお客様の商品理解と会社への信頼の醸成を目的としたツールになります。商品についての情報をわかりやすく伝えることで商品理解を促し、販売している会社や社員の写真もあることで信頼の醸成に努めます。


お客様は長い文章を読まないだろうから簡潔にまとめようとする方もいますが、これは情報発信側の固定観念と言えます。通販で商品を購入するお客様は店舗と違って接客を通じて詳しく情報を伝えることができません。文章は多少長くても気にすることはありません。写真やイラストを織り交ぜながらわかりやすく伝えていきましょう。

あじかんパンフレット

・リピート注文の案内・申込書

次回のリピート注文を促すためにも通販での注文方法を書いた案内や申込書を用意する必要があります。わかりやすい注文の案内があることで、リピートの際にストレスなく注文することができます。また、通販業界でも意外に重要性が認識されていないのが申込書です。「申込書を見れば、企業の実力がわかる」と述べる経営者もいるほど重要なツールの1つです。申込書のデザインによってもリピートの有無が左右されます。ポイントとしては、商品の価格がわかりやすいことと、なるべくお客様が記入する場所を少なくすることです。

・お客様の声ツール

消費者が企業の発信を鵜呑みにしない時代になってきました。そんな中、客観的な第三者の声は説得力があります。実際に他のお客様はこの商品を使ってどのような感想を持っているかというのは気になるもので、お客様はそこで商品に対する安心を得ようとします。アマゾンで商品を買う際、グルメサイトで飲食店を選ぶ際に多くの人がレビューを参考情報としています。なるべく多くのお客様の声を集め、体験談として情報発信を心がけてください。

なお、お客様の声を集めるのにテクニックはありません。愚直に商品とサービスを提供し、高い満足度が得られるよう努力してください。満足度に比例して喜びの声も多く届くようになります。

お客様の声(大友産業)

・お客様の声収集用のハガキ

お客様の声は集めすぎて困ることは何もありません。実際の意見に目を通すだけではなく、同梱物や広告にも活用することができます。商品を発送する際にはお客様の声収集用のハガキを必ず同梱するようにしましょう。ハガキ内でお客様の声ツールに活用してもよいかどうか?本名で良いかペンネームが良いかといった確認を行う欄を設けておくと、その後の活用がしやすくなります。

⑦ 顧客管理体制

通販事業立ち上げ当初は、お客様の数も少ないので、顧客管理システムに多額の投資を行うのはお勧めできません。事業規模が小さいうちは、紙の「顧客カード」を用意し、1名ずつ記載していくことでも構いません。当初はお客様の数も少ないので、対応は十分可能ですし、何よりも書くことでお客様のことを覚えることができます。ある成功企業では、顧客リスト3万人まで紙で管理していたという事例もあるほどです。パソコンで管理したいという会社でもEXCEL、ACCESS、数万円の管理システムで十分です。売上が上がってきたらその規模に応じてシステムを選択していきます。

ここにあげたもは通販を始める前に最低限、必要なものになります。自社としてお客様にお伝えしたい情報を整理しつつ、準備していってください。

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