【5分でラブ・ストーリー】教師と生徒のとある放課後【小説】【noteクリエイターフェス参加中】
「先生、あげる」
背後からかけられた声に振り返ると、笹倉がコンビニの小さなビニール袋を俺の顔の前に差し出していた。笹倉は俺が受け持っているクラスの生徒の一人だ。
「何だ、これ」
「肉まん」
見ると、笹倉の右手にも同じように湯気の立つ饅頭を持っているのが目に入った。大学入試も近づいているというのに、日本史のテスト結果があまりにも酷かった笹倉に対して特別補習(という半ば説教)を施していた。もう日もすっかり落ちている。
ちょっと待ってて、と校門の前で待たされたかと思うと、ど