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【随時更新】ショートストーリー集

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1万字以下のショートストーリーです。
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#小説

【小説】目に見える祝福

人の言葉が、物質となって見えるようになった。 そんなことを言うと、頭がおかしくなったと思…

辻村 いち
4か月前
14

【短編小説】「あんた」に殺された

ゆっくりと瞼を開く。微睡んでいた私の脳内が、ありとあらゆる刺激物に一瞬にして晒されてしま…

辻村 いち
4か月前
13

【連続短編小説】男子高校生が女子中学生に激詰めされる話~120分の復讐⑥~【note…

前回のお話はこちら また、電車のドアが開く。さっきよりも乗客が増えた。空の色も明るくなっ…

辻村 いち
8か月前
2

【連続短編小説】男子高校生が女子中学生に激詰めされる話~120分の復讐⑤~【note…

前回のお話はこちら 有紗は昔から大人しい、というよりも存在を消すのが上手かった。 両親が…

辻村 いち
8か月前
10

【連続短編小説】男子高校生が女子中学生に激詰めされる話~120分の復讐④~【note…

前回のお話はこちら うちの家族は5人家族だ。父親、母親、8つ上の姉ちゃん、俺、妹の有紗。…

辻村 いち
8か月前
5

【連続短編小説】男子高校生が女子中学生に激詰めされる話~120分の復讐③~【note…

前回のお話はこちら 「とりあえず、座ったら?」 俺が促すと、女子中学生は俯きながらもそれ…

辻村 いち
8か月前
6

【連続短編小説】男子高校生が女子中学生に激詰めされる話~120分の復讐②~【noteクリエイターフェス】

前回のお話はこちら 俺の妹にいじめられている。 目の前の女子中学生が放った言葉を反芻したが、しっくりこない。よりにもよって、『いじめられている』。 「えーっと……」 どう反応していいか分からず、視線が彷徨う。そうなると当然、女子中学生の背格好やら持ち物やらといった情報に興味がそそられる。 黒々とした髪に、意思の強そうな眉毛。自分で整えた経験がまだ無さそうな素朴な感じは、持っているバッグにつけているキーホルダーからも伺えた。どこで買ったのか分からない、はにわのぬいぐる

【連続短編小説】男子高校生が女子中学生に激詰めされる話~120分の復讐①~【note…

毎朝2時間かけて通学している。 俺がそう言うと、皆「それは大変だ。もっと近い高校あっただ…

辻村 いち
8か月前
4

【3分エンタメ小説】おれが手に入れた自由【1000字】

背徳の時間は真夜中だけとは限らない。 狭いボロアパートの一角で、おれはケーキのフィルムも…

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【5分で恋愛もの】神様が思いがけないプレゼントを用意してくれた話【3,000字小説】

優は、暗闇の中で目を開けた。私、今どこにいるんだっけ。ぼんやりした頭で考える。 どうやら…

13

【2分で胸キュン】好きな子に恋愛相談をくらって死にかける男子高校生の昼休み【小説…

「男の子が絶対にオッケーしたくなる告白の言葉って何だと思う?」 中学の頃から腐れ縁の鍋谷…

23

【5分でほっこり】失恋で傷心真っ只中の女、バレンタインで愛に気づく【小説】

 カレンダーの日付を前にして、三木谷 沙織は目を見開いた。  ここのところ残業続きで、毎…

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【5分でほっこり】とある就活生のボーナスステージの過ごし方【小説】

私の身体は、最近、風船のように膨らみだしている。 最初は、小学生が顔を赤くしながら膨ら…

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【5分でラブ・ストーリー】教師と生徒のとある放課後【小説】【noteクリエイターフェス参加中】

「先生、あげる」 背後からかけられた声に振り返ると、笹倉がコンビニの小さなビニール袋を俺の顔の前に差し出していた。笹倉は俺が受け持っているクラスの生徒の一人だ。 「何だ、これ」 「肉まん」 見ると、笹倉の右手にも同じように湯気の立つ饅頭を持っているのが目に入った。大学入試も近づいているというのに、日本史のテスト結果があまりにも酷かった笹倉に対して特別補習(という半ば説教)を施していた。もう日もすっかり落ちている。 ちょっと待ってて、と校門の前で待たされたかと思うと、ど