ツジ 

'96(28) 震えながら立つ中央線のホームで、あなたの足を止める言葉が、私…

ツジ 

'96(28) 震えながら立つ中央線のホームで、あなたの足を止める言葉が、私の中にあるように。                              (コメント返信遅くなってしまうことが多いのですが、必ず返しますのでご容赦ください)

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  • スキが100を超えたもの

    スキが100を超えたものだけ集めました。皆さんが読んでくれたこと、ほんとうに嬉しいです。(ほぼ100もいれちゃう)

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    自己紹介代わりの記事5つ。お気に入りのものです。

記事一覧

"愛する"というスキル

「ひとにはね、見えないスキルがあるんだよ」 まるでそれは魔法のことば、妖精がささやくように彼女は言う。 「履歴書に書けるようなスキルがないとしても、あなたは魅力…

ツジ 
12日前
51

冷房の効かない部屋の午後2時に

夏の暑さがわたしの憂鬱に拍車をかける。冷房の効きが悪いこの部屋で、わたしはただ希死念慮と寝転がる。「逃げてちゃダメだよ」ひとは簡単にわたしの逃げ道を塞ぐ。それは…

ツジ 
2週間前
42

死ぬな、生きろ、ただ愛せ

「幸せになるのには、覚悟が必要だよ」酔った勢いで誇らしげに言うわたしが、二日酔いの頭にリフレイン。安いウイスキーを煽ったせいで、鼻の奥からまだ酒の匂いがする。頭…

ツジ 
1か月前
53

たくさんのスキをいただけたこと、
フォローを外さずにいてくださったフォロワーさんがいること。その事実にほんとうに、こころから救われました。ハグして愛してるって生きててくれてありがとうって、叫びたい気持ち。ほんとうにありがとう。これからもゆるゆる更新しながら、愛を届けられたらな。

ツジ 
1か月前
28

ぼくらの夏、青い春

いつだってどうしようもないぼくらは、ただ瞬間的な夏を生きている。人生は夏みたいだ。恋しくて、いざ来ると最悪で、終わってしまうのは悲しくて。振り返ればきらめく思い…

ツジ 
1か月前
111

いつも読んでくださってありがとうございます。愛と喜び、痛みを分け合ってる気持ちで、いつも愛おしい。ただ、申し訳ないことにフォロバが追いつけません。あなたを愛するためにフォローを外させてください。詳しくは画像を読んでくださるとうれしいです。生きててくれてありがとう。

ツジ 
2か月前
53

"ぼくの好きな先生"

あのひとは、いつもくしゃくしゃの顔で笑う。ぼさぼさの髪の毛に埃をいっぱい纏わせて、「今日はどしたん」と訛りの強い関西弁。白衣はクタクタになっていて、あちらこちら…

ツジ 
2か月前
60

世界一脆い、ダイアモンド

「ねえ、大きくなったら何になりたい?」無邪気に問いかける姿は、いまだ少女のようで。そんな彼女にわたしは答える。「いつか、必ずエッセイストになるよ」誰にも言ってこ…

ツジ 
2か月前
94

孤独の話をしよう

孤独の話をしよう。 目をつぶると、暗闇がわたしを支配する。穏やかな悲しみが全身を豊かに覆い尽くして、ただ溺れてゆく。目が慣れてくると、暗闇のなかで、微かに光る星…

ツジ 
3か月前
59

今夜踊ろう、そんなダンスミュージック

木造のぎしぎし軋む階段を上がると、音楽が聞こえてくる。リズムは本たちのパラパラめくれる音に、瀬戸内海のさざなみ。そして、微かに鼓動を揺らすときめき。まるでわたし…

ツジ 
3か月前
81

おはよう、せかい

書店員の朝は、遅くはじまる。モーニングルーティンなど蹴っ飛ばして、ざっざっとメイクをして、とびっきり好きな服を着て。とりあえず鏡の前で決めポーズ、走り出すように…

ツジ 
3か月前
92

博士、餃子、愛。

博士、というあだ名の恋人がいる。博士は理系の研究者で、たぶんちょっと変わっている。 怖いものは採血と大学の先生で、電話越しのわたしの声を立体音響で聴こうと日々努…

ツジ 
3か月前
43

海の見える街

そのお店は海のそば、古いトタン屋根の倉庫街にある。秘密基地のような狭い階段を上がると、建てつけの悪い古めかしいドア。鍵を開ける時は、えのながい大きな鍵でひと回し…

ツジ 
3か月前
122

大人になんかなるなよ、死ぬなよ、

「大人にならなくていいのに」そう悲しそうに、何気なく先生は言った。少し暑くなった病室に、静かな風が吹く。春の終わりの匂いがした。 * 昨日、初めてのメンタルクリ…

ツジ 
4か月前
115

桜が降る夜に、永遠を想う

桜が降る街、雨の音は深く胸の中まで降り注ぐ。春は美しく、世界中が活気づいて見える。芽吹くたくさんの命の香りにクラクラしては、自分の生を実感させられるそんな日々。…

ツジ 
4か月前
66

星やどりの恋人

恋人は、夏の星座をからだに宿している。光って見えるちいさな黒子は、わたしだけが知る秘密。抱きしめられた腕の中でこっそり願いをかける。「永遠に隣にいられますように…

ツジ 
4か月前
64
"愛する"というスキル

"愛する"というスキル

「ひとにはね、見えないスキルがあるんだよ」

まるでそれは魔法のことば、妖精がささやくように彼女は言う。

「履歴書に書けるようなスキルがないとしても、あなたは魅力的でひとを惹きつける。あなたの愛は、見えないスキルだよ」

なんだかその言葉をポッケに入れれば、どこまでも歩いていける気がする。そんな宝物を今日もひとつ、もらった。



わたしにはほとんど職歴がない。正確に言えば、正社員の経験はゼロ

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冷房の効かない部屋の午後2時に

冷房の効かない部屋の午後2時に

夏の暑さがわたしの憂鬱に拍車をかける。冷房の効きが悪いこの部屋で、わたしはただ希死念慮と寝転がる。「逃げてちゃダメだよ」ひとは簡単にわたしの逃げ道を塞ぐ。それはきっとやさしさで。何度言い聞かせても、染みついた被害妄想はわたしを救わない。それでも隣にいてくれるのはこいつしかいないから、わたしは簡単に絶望する。

こないだ、部屋の中でシャボン玉をした。ふわふわ浮く透明なガラス玉は光を閉じ込めて、夢のよ

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死ぬな、生きろ、ただ愛せ

死ぬな、生きろ、ただ愛せ

「幸せになるのには、覚悟が必要だよ」酔った勢いで誇らしげに言うわたしが、二日酔いの頭にリフレイン。安いウイスキーを煽ったせいで、鼻の奥からまだ酒の匂いがする。頭を抱えながら水を飲み干し、自分に改めて問う。

「自分には、幸せになる覚悟あんのかよ」

小さくつぶやいたその声は、反響もせず孤独に吸い込まれてゆく。まだ若い、と言われる年をもうすぐ終える。28歳夏、わたしはまだ迷っている。



わたし

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たくさんのスキをいただけたこと、
フォローを外さずにいてくださったフォロワーさんがいること。その事実にほんとうに、こころから救われました。ハグして愛してるって生きててくれてありがとうって、叫びたい気持ち。ほんとうにありがとう。これからもゆるゆる更新しながら、愛を届けられたらな。

ぼくらの夏、青い春

ぼくらの夏、青い春

いつだってどうしようもないぼくらは、ただ瞬間的な夏を生きている。人生は夏みたいだ。恋しくて、いざ来ると最悪で、終わってしまうのは悲しくて。振り返ればきらめく思い出たちが、心に焼き付いて離れない。痛みと隣り合わせの愛は、わたしをどうしようもなく狂わせる。そんな、夏。



しばらく前から、ゲストハウスに滞在している。わたしが働く本屋さんのオーナーが経営する、大きな古民家だ。といっても、2〜3人しか

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いつも読んでくださってありがとうございます。愛と喜び、痛みを分け合ってる気持ちで、いつも愛おしい。ただ、申し訳ないことにフォロバが追いつけません。あなたを愛するためにフォローを外させてください。詳しくは画像を読んでくださるとうれしいです。生きててくれてありがとう。

"ぼくの好きな先生"

"ぼくの好きな先生"

あのひとは、いつもくしゃくしゃの顔で笑う。ぼさぼさの髪の毛に埃をいっぱい纏わせて、「今日はどしたん」と訛りの強い関西弁。白衣はクタクタになっていて、あちらこちらに汚れをつけている。

「先生、今日はね」からはじまる、二人の時間。広大なキャンパスという人の海で、ここだけはまるで陸の孤島。閉じ込められた空間で、わたしはただ泣きながら、怒りながら、今日のことを話しだす。口から流れる言葉を、まるで水を眺め

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世界一脆い、ダイアモンド

世界一脆い、ダイアモンド

「ねえ、大きくなったら何になりたい?」無邪気に問いかける姿は、いまだ少女のようで。そんな彼女にわたしは答える。「いつか、必ずエッセイストになるよ」誰にも言ってこなかった秘めた想いを、震えながら口に出した。彼女は静かに微笑んで、「やっぱりあなたは、どうしようもなく"あなた"だね」とつぶやく。

金木犀の香りが微かにする、大学のカフェテリア。テラスで交わした、二人にとってはじめての約束だった。


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孤独の話をしよう

孤独の話をしよう

孤独の話をしよう。

目をつぶると、暗闇がわたしを支配する。穏やかな悲しみが全身を豊かに覆い尽くして、ただ溺れてゆく。目が慣れてくると、暗闇のなかで、微かに光る星屑がある。まぶたの裏でチカチカと。その光がとても希望だとは思えなくて、ただまぶしさだけが絶望を深くする。だれかの輝きが、わたしの影を色濃くするのだから。

毎日楽しい訳がないなんてこと、思春期の頃にはとっくに分かっていた。なのに、なぜわた

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今夜踊ろう、そんなダンスミュージック

今夜踊ろう、そんなダンスミュージック

木造のぎしぎし軋む階段を上がると、音楽が聞こえてくる。リズムは本たちのパラパラめくれる音に、瀬戸内海のさざなみ。そして、微かに鼓動を揺らすときめき。まるでわたしとあなたの、"明るい未来"の話をしているかのような、そんな音楽が。



本屋さんに勤めはじめて、もうすぐひと月。オーナーさんに「好きな音楽かけていいから」と言われて託されたサブスク。腕まくりしてかける音楽、店内を踊らせるダンスミュージッ

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おはよう、せかい

おはよう、せかい

書店員の朝は、遅くはじまる。モーニングルーティンなど蹴っ飛ばして、ざっざっとメイクをして、とびっきり好きな服を着て。とりあえず鏡の前で決めポーズ、走り出すように海を目指す。初夏の香りが潮風に混ざり、きらっきらにまぶしい景色がわたしの瞳を射抜いてゆく。

香川県の瀬戸内海が見える本屋さん。今日もわたしは穏やかに扉を開ける。ワクワクとトキメキを、めくるページに忍ばせて。



昼、開店したての店では

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博士、餃子、愛。

博士、餃子、愛。

博士、というあだ名の恋人がいる。博士は理系の研究者で、たぶんちょっと変わっている。

怖いものは採血と大学の先生で、電話越しのわたしの声を立体音響で聴こうと日々努力している。わたしの怒るポイントや悲しむポイントを知るたびに、「傾向と対策ができてきました」とか、「これはケアレスミスだなあ」という言い回しをする。わたしを何かしらの試験だと思ってるのか?と時々憤慨するが、そんなところも愛おしい。

そん

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海の見える街

海の見える街

そのお店は海のそば、古いトタン屋根の倉庫街にある。秘密基地のような狭い階段を上がると、建てつけの悪い古めかしいドア。鍵を開ける時は、えのながい大きな鍵でひと回し。まるで物語のはじまりみたいに開くドアの先には、たくさんの夢が詰まった本が並ぶ。美しいポスター、おしゃれな写真集。物語の隙間に挟み込まれる挿絵のようなお店は、ちいさいけれど愛おしい。すみずみまで愛に満たされた、美しい本屋さん。そんな場所で、

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大人になんかなるなよ、死ぬなよ、

大人になんかなるなよ、死ぬなよ、

「大人にならなくていいのに」そう悲しそうに、何気なく先生は言った。少し暑くなった病室に、静かな風が吹く。春の終わりの匂いがした。



昨日、初めてのメンタルクリニックへ行った。東京から引っ越したせいで、新しい病院を探していたからだ。「3ヶ月後になっちゃうんですけど…」予約時にそう言われた時は絶望したけれど、なんとか騙し騙しこの日を迎えた。精神科は、ほんとうに空いていない。今日死にたいのに!今日

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桜が降る夜に、永遠を想う

桜が降る夜に、永遠を想う

桜が降る街、雨の音は深く胸の中まで降り注ぐ。春は美しく、世界中が活気づいて見える。芽吹くたくさんの命の香りにクラクラしては、自分の生を実感させられるそんな日々。孤独な生きものとして生まれた人間たちは、ただ愛を求めて彷徨う。こんな穏やかな春の日は、そんな自分の孤独と切なさを感じて涙がこぼれ落ちる。

桜は咲いている時より、散っている方が好きだ。歩けば桜の絨毯、舞い落ちる花びらはわたしの肩で微笑みかけ

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星やどりの恋人

星やどりの恋人

恋人は、夏の星座をからだに宿している。光って見えるちいさな黒子は、わたしだけが知る秘密。抱きしめられた腕の中でこっそり願いをかける。「永遠に隣にいられますように」星に願いを、彼の瞳を見つめながら。

恋人と出会ったのは、本当にありきたりなもの。離婚して、興味本位でいれたマッチングアプリで初日に出会ったのが彼だった。なんとなくお互いのいいねで始まる現代的なラブストーリー。メッセージを何回かやり取りし

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