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愚直な足し算、知恵の掛け算

ベンチャ-企業が成長していくプロセスでは、
足し算で考えるべきタイミングと掛け算で考えるべきタイミングとがある。それは、愚直な努力が必要な時期と知恵による飛躍が必要な時期でもある。

ベースを築くまでは、こつこつと積み上げていく必要があり、
愚直な取り組みが、足し算の結果を増やしていくことにつながる。
売上が3億円を超え、黒字化することで、ビジネスの基礎が出来上がる。

ベースが出来れば、飛躍を目指して、儲かる仕組みを効率的に
回し、掛け算の結果を増やしていくことが重要になる。
売上を伸ばすとともに、利益率も改善して、収益逓増を目指すことになる。

ベースを築くまでに重要なのは、数の積み上げであり、量である。
ベースから飛躍するのに重要なのは、知恵であり、効率である。

ハンズオンで成長を支援する際に気をつけなくてはいけないのは、
行動量が必要なタイミングで質を求め過ぎないことであり、
質が重要なタイミングで非効率を許容しないことである。

大企業からベンチャー企業に転職する人は、
上記のことに気を配る必要がある。
大企業で求められていた効率重視の考え方をベンチャー企業の現場に
ストレートに持ち込むと、愚痴に終わってしまうことが多い。
非効率な現場を現実として受け止め、量によって質を創り出す
プロセスを回していく必要がある。

数値による管理といっても、
絶対量に着目するタイミングと効率に着目するタイミングがある。
コンサルタントと呼ばれる人たちは、掛け算の管理が得意であり、
掛け算が必要なタイミングかどうかは、あまり関心がない。
経営者は、ビジネスの変化をタイミングよくとらえ、
取り組むべき課題を的確に判断していく必要がある。

企業を成長させていくプロセスは、愚直な努力でベースを作り、
現場の知恵を生かして伸ばしていくことになる。
今必要なのは、愚直な実践なのか、知的な戦略なのかは、
経営課題の的確な把握には欠かせない。
実践が重要なタイミングで、机上の空論を振り回していては、
ベンチャー企業は衰えていくだけである。

ORIGINAL20060910


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