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映画「パラサイト 半地下の家族」

サクセスストーリーからのドタバタブラックコメディ。と、言っていいんだろうか?格差社会のでっかい鍋の中で、泥まみれで遊んでいる感じがした。おもしろかった。

最初のピザの箱の組み立てシーンで感じていた父親への不審感が後々効いてくる。

なんだかぼんやりした父親を固める強い(物理)母、そして賢い兄妹。兄の小賢しい計画が、どんどん進んでまんまとうまくいくのが見ていて気持ちがいい。こころの隅っこで「ばかばかやばいって」と囁きながら見てしまう感じが尚更良い。

金持ち一家の奥さんの描かれ方が作中で言われている通り、まさにビューティー・アンド・シンプル。(だっけ?)彼女に愛されすぎている次男と雑に扱われる長女の対比もまた、物語の引き金?

どこにでも人間関係があって格差があり、お金があれどそれは確実にあって、人と人との間にある「感情」や積もり積もった「不快感」がストーリーに影響を与えていくのがとっても面白かったです。

あと画面の絵がちょこちょこ可愛くて面白かった。

冒頭のスマホと天井のふらふらした映像とか、便器の横にくっついて座る兄妹とか、ずるずる引きずる足とか。料理シーンがやたら気持ちが良いのも料理漫画みたいでよかったなあ。

半地下の家に漂う、ずるりとぬるりとした湿った空気と、

小高い高級住宅地にある豪邸の、シャッキリと乾燥した空気。

大袈裟な描かれ方に見えて、きっとこれがリアルなのでしょう。

B3くらいの濃い鉛筆で描かれたブラックコメディでしたね。繊細というよりはゴリゴリ!って感じ。手でこすって紙が結構すすけて黒くなってる感じ。

思い出して、見た人と話すとシーンの再現とかしながら結構ゲラゲラ笑えるのでオススメです。

計画をすると計画通りにならない。なぜなら計画があるからだ。

ううん…。絶望感のどん底で、死ぬまでゴロゴロくつろいでるのは、私は嫌だなあ。

2020.01.31

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