ヘアサロン葬

美容院は生きながらにしてちょっとした死を味わえる。

目を閉じて、目の上にタオルをかけられるときに「死だなぁ」って思ったんです。髪をじゃぶじゃぶ洗ってもらってるあいだ、「わたしは死んだらお風呂に入れてもらったり、髪を洗ったりしてもらえるんだろうか…」と。

シャンプーがおわって、いつも髪を切ってくれる しのさんに「死んだあとって髪の毛洗ってくれるんですかね…」って呟いたら「おれは洗わないよ」と返されました。5年以上髪切ってくれてるのに!死んでも洗ってよ!(?)

やさしいしのさんはその後も
「湯灌っていうらしいですよ」
「さいご化粧とかしてくれるよね」
「8万〜10万だって、たかー」
「でもそのくらいするよねえ」
「5万だと手足を拭いてくれるだけなんだ…」
などと話に付き合ってくれました。
やさしい、死んでも髪洗ってとか言ってごめんなさい、この記事読まないでしのさん。

死体になったわたしの髪を、ブリーチして(もう白髪かな?)くすむようにカラーして、じゃぶじゃぶシャンプーして乾かして、綺麗に整えてくれるしのさんを想像して…
居るかもわからぬ配偶者が「髪の毛また傷んじゃうよ」って隣で泣いてて、Instagramに髪染めたー!って、顔が小さくなるアプリで写真撮って載せてもらうのも想像して…

「わたしの死の理想も明るくなったもんだな」とほのぼのした気持ちになりました。

去年の12月くらいまでは、「孤独に死ぬんだ」と決め付けていたけど、今はなんとなく誰かがいてくれるような気が…微かにしています。仕事仲間にも愛されている自信が持ててるし、幸せなことですねえ。配偶者ができる予定はないですけど。

恋人ができたら、有料noteでめちゃくちゃ惚気よっと!

てなもんで、髪の毛綺麗にしてもらいました。いつもいつも、まさに生まれ変わったような気持ちになります。ハッピー!

今夜は雪がふるのかな?雨は勘弁だけど雪なら良いな。

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