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ロロ「四角い2つのさみしい窓」

「こっちおいでよ、こっちには"親密"があるよ。」

こまばアゴラ劇場にてロロの「四角い2つのさみしい窓」を観てきました。

大好きな劇団です。ロロ。短歌とか詩、比喩たっぷりな表現が好きな人は好きなんじゃないかなぁ。明確な言葉が欲しい人は向いてないかもしれないけれど。

ロロはいつも「家族」というものを考えさせてくれる。血の繋がりがあるという意味であったり、そうじゃないただ集まった人たちのことであったりする。時に突飛な形であったりもするそれらを、隔たりなく「家族」としてくれる。

今回は劇団と、コンクリートと、嘘と、だけどあれもこれも、もしかしたら触れられてない空気の隅々までもが「家族」だったんじゃないかとすら思わされる。
そういう、不思議に語りかけてくるパワーがあるんですよねえ…。

家族は構築され、
壊れて、
なおして、
弔って、
授かって、
産まれて、
結ばれて、
死んで、
巡り合って。

ああ、うまく言えないんですけど、なんせ「人生はハピネスでラブリーなんだ!」って心をカラフルに塗りたくられるような気持ちになるんですよ!しかも虚しさや寂しさをはらんだまま!

ロロの特徴といえば音楽と美術、そして衣装!

衣装はいっつもサイコー可愛い。伊賀大介さんのスタイリング、流石です。おしゃれだけど馴染みやすい…かわいい…。

音楽のチョイスもいつも面白くて、宇多田ヒカルのパクチーの唄が流れたのは笑っちゃった。謎のミュージカルナンバーも可愛くて大好きだったなー。ニセモノのラブリー♪

美術は、役者が転換するシーンが毎度胸熱。今回もぐわー!っと動き、バラバラにされていくセット、そして中盤で語られていた「団長がムオクのために(?)書いた芝居」がラストシーンに繋がるのが、もう、ロマンチック〜!とバタ足しそうになりました。

「エコー」という言葉も、最初はわははと笑ってたけど、だんだんと本来の意味が見えてくるのが、ロロの見せ方は…なんというか。桃の皮が剥けていく感じがするんですよね。今回のチラシの影響もあるかもしれないけど!

つるるるっと、少しヌメリと、産毛の生えた可愛い色の皮を剥いて、中身の桃が見えて来る。少し内臓っぽい感じもするけど、それが甘い味がするのをみんな分かってる。それを再確認する。

ロロってそんなかんじ。私の中で。

あー、桃食べたい。

役者さんももちろん素晴らしいです、ロロのプロ。三浦さんの言葉を紡ぐプロたち。2役をいったりきたりする楽しさがありました。難しいことをやってるのを「大変そう」と思わなせないのが素敵。楽しそうだもん。

ああ、ここ数年で一番好きな劇団なのでいくらでも語れてしまいます。新作楽しみ。

わたしも密度1000%の親愛で、誰かとの関係を愛していきたいな。嘘でも、本当でも。

2020.02.01

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