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フランスの思ひ出

202306メガロドンの乱で昨年初めて海外買付けへ行った時の事を思い出した。ちょっとだけ苦い思い出かも。

初めての海外買付け、フランス・サンマリーショー(サントマリーショー)でかなりテンションが上がっていて、気に入った石を片っ端から購入してた。
この時密かに抱いていた「海外で化石を買う」という夢を実現させるため、化石を扱う業者が集まっている建物へ向かった。
日本のショーでは見ることが難しい大型の標本、展示物に少年のごとく目をキラキラさせながら何か気になる化石はないかと探していた。

するととあるテーブルに並べられている大きめの爪の化石が目に入った。
「これって……ラプトルの……ゴクリ」
値段を見ると10ユーロくらい。
マジか!!海外だとこんな値段で爪が買えちゃうのか!!
うひょー!!
と喜び勇んで手に取ったらめっちゃ軽い。
化石であるとの認識と手で感じている重量の差に脳の処理が追いつかない。

え!?なんで!?プラ??軽っっっ!!

その爪の横にはプライスとともにフランス語で「Réplique」と書いてあった。この単語をきっとラプトル系の名前とかそんなんでしょ!って思ってスルーしてた。数秒して英語の「Replica」でありレプリカでもない偽物であった事を理解できた。

浮足立っていたとはいえ、偽物だったという事よりも石でない事にすら気づけなかった自分にショックを受けた。
ネットで売ってたものが届いてみたら……という話ではなく現地へ出向き実物を目の前にしてでも本気でプラのおもちゃを買おうとしてた。
その衝撃ですっかり化石を買うというテンションではなくなってしまった。
別に誰かが悪いということではなく、ただただ自分の勉強不足だなと痛感したため結局最後まで化石を買うことはなかった。
自分へのお土産とするなら分からないけどかっこいい、可愛いという見た目からの物欲で買って帰るのは構わない。
でも仕入れたものをお客様へお渡しするという立場からすると全然知識も経験も足りないしご陽気に「買ってきましたー」と店頭に並べることはできないと学んだ。

お調子者が化石買おうとしてたくさん仕入れようとしたら石でもない偽物を買うところだったっていうお話でした。
フランスではこの他に「Takovite」をなぜか「Turquoise」と脳内変換してしまいそのまま買って帰ったという話もあったりしますがそれはまた別のお話……

2023/6/28追記
レプリカではなく偽物と呼ぶべきではないかというご指摘を頂きましたので文中の「レプリカ」を偽物に置き換え、一部文章を修正しました。


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