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木を曲げる技術で特許を取得@アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話展

『アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話展』

アイノ・アアルト(1894-1949)とアルヴァ・アアルト(1898-1976)夫妻は「暮らしを大切にする」という視点で作品を作り続けたフィンランド建築家であり、デザイナーです。

今回は、展覧会を通して驚いたことを簡単にまとめてみました。

驚いたこと その1

戦前のデザインとは思えないモダンな暮らしの空間

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アアルトハウスは一般公開されているそうです。

驚いたこと その2

住宅以外の建築(サナトリウム、図書館、MIT寄宿舎など)にも重視された実用性と機能性

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たとえばサナトリウムでは、ベッドに横たわった患者さんの顔に太陽光が直接当たらない病室、呼吸がしやすい角度の椅子、同室の人に迷惑をかけないための消音設計などが施されていました。

展示には、

・採光のスタディ
・音響のスタディ
・空調のスタディ

もありました。そのスタディ自体も作品のようで美しかったです。

驚いたこと その3 (一番の驚き)

曲げ木の技術で特許を取得

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アアルトの作品には、有機的な曲線が数多く用いられています。

フィンランドでたくさん採れる白樺を使って家具を作ることを思いついた際、曲げ木の技術(木材を曲げる技術)を開発したそうです。そして特許も取得しています。

この技術によって、家具の見た目柔らかくやさしく、家具の強度は高くなりました。体にも馴染みます。

まず、木材を曲げる技術の開発に思い至ったこと、そして曲げ木の技術に特許があったことに大変驚きました。

下記のサイトで、曲げ木の技術についての説明がありました。

驚いたこと その4

ニューヨーク万国博覧会フィンランド館の設計者を決めるコンペに夫妻で応募(アルヴァ2案、アイノ1案)、なんと2人で3等までを独占

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実際のフィンランド館は、2人のデザインを混ぜ合わせたようなものになったそうです。

まとめ

今回の展示会場は世田谷美術館です。

美術館の公式Youtubeチャンネルにて、解説の方がこんなことをおっしゃっていました。

この世田谷美術館を設計した内井昭蔵という建築家は、自然と共にある建物を深く考えた建築家だった。同じく、アアルトの2人も自然をモチーフにした造形自然と共にある建築を考えた建築家だった。自然豊かな砧公園のみえる美術館のこの展示室で二人の建築を再現できたのは象徴的な意味がある。(【世田美チャンネル vol.22】より加筆修正して一部抜粋)

様々な驚きがあった展覧会を、その展示に適した美術館で鑑賞できたことを嬉しく思います。



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