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装丁の展示:BOOKS 水戸部 功×名久井直子

竹尾 見本帖本店にて、本の装丁をテーマにした展示「BOOKS 水戸部 功×名久井直子」が行われていました。

本が標本のように展示されている

、という物体が小さい頃からすきです。
読むのはもちろん、眺めるのも、触れるのも、バッグに忍ばせるのも。

この展示を訪れて、ああやっぱり本がすき…!となりました。


この詩集ためだけの紙

かつて、思わずジャケ買いしてしまった詩集があります。
『あたしとあなた』谷川俊太郎(ナナロク社)です。

なんでしょう、この引き込まれる金・青・白・茶の模様

手にとって、本を開いて驚きます。
なんてすてきなブルー!

「ふっつり」

最初に原稿を読んだ時、この言葉たちの動きや遠さや近さを、どうやって本という物質にしたらいいのか、悩みました。その結果、一番大事なのは、目の前の言葉を載せる紙なのではないかと考えました。(…)名久井直子

「あたしとあなた 特製しおり」より抜粋 

読むというよりも、水面に浮かんでいる言葉を目で掬っていく —— そんな詩集になっていたのは、特別に抄かれた紙と、色によるものだったと分かりました。

会場の展示

それにしてもオーダーメイドの紙に載せてもらえるとは、なんて幸せな詩だろう…!

帯を外すと、まるで別世界へのドアのよう

カバーを外してみたくなる

展示を見ていて驚いたのは、カバーを外した下にある本体の表紙です。

たとえば、『約束された移動』小川洋子(河出書房新社)
カバー下の表紙にはなんと、ミッドナイトブルーの地に銅色(?)で6つの短編のモチーフが…!

広げられたカバーを見ると、装画が90°ずらして表と裏に配置されていることがわかる
持っている本だったので、帰宅してさっそく確認
それぞれのタイトルページの挿絵だったことが発覚

もう一冊。
『猫と偶然』春日武彦(作品社)
こんなに猫たちが隠れていたなんて…!

見返しのフォレストグリーンも渋くてすてきだ
こちらも持っている本だったので帰宅して猫たちを確認

本を読むときにブックカバーをつけることはあっても、もともとのカバーを外すことはほとんどありません。

なんだか家中にある本のカバーを外してみたくなりました。

気になった本

100年 大長編ドラえもん(小学館)

だいすきドラえもん。

タイムマシンがなんとも可愛らしいです。

時空間感がある
タイムマシンの配置が各巻で違うらしい

なんとこの見返しの模様、イタリアのマーブル職人の方によるもので、全17巻すべて違うのだとか!

遠慮深いうたた寝 小川洋子(河出書房新社)

本屋さんで目にするたびに気になっていました。
見た目が陶器そのもの…!!

河出書房新社公式サイトより

そしたらなんと、これは実際に陶板を焼いてもらって、写真に撮ったものだそうです。
実物が存在するのだ…!すごい!

本自体が容れ物に見える様なデザインにされたとか

ちなみに帯の山吹色は、陶器を包む布の色だそうです。
帯も含めて装丁なのですね。

皆神山 杉本真維子(思潮社)

こちらも帯を活かした装丁。
山の表し方が格好よすぎます。

もったいなくて(?)まだ読めていない…
今、杉本さんのエッセイを拝読中
帯は手折り(!)で、本棚に仕舞うとき引っかからないように、山の角度を工夫されたとのこと。
隣にある詩集「暮しの降霊」も格好良かった

まとめ

色、紙、カバー、表紙、見返し、帯… 
すべてがぬかりなく設計されて本はできていました。

本文を大切に収める容れ物としての本。
これまで以上に大切にしていきたいと思いました。

おまけ(もじイメージGraphic展にて)

水戸部 功

文字がいっぱい敷き詰められているのが好きなのかも、とおっしゃっていた

名久井 直子

どれも手に取りたくなってしまう

以上です。

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