理想的なサーバント(使用人)とパンデミックがもたらした人材の流動

インドのオリンピックやり投げ金メダルおめでとう！おなじみ団長です。
さらっとバンガロールに戻ってきたのだが、現在のメイド/ナニーを解雇して新しい人材を雇うことを計画しているところ。手間が掛かるが仕方ない。

ところで自分にとって理想のサーバントってどんな人だろうと、メイドやドライバーを6人雇い、他人の話も聞いた上で改めてまとめてみる。

英語がある程度以上できる

リスニング＆スピーキングorリーディング＆ライティングどっちでもいいけど、インドでは前者のスキルはそこそこ成り立つが後者は全然orあんまりという人材が多い。

体臭/口臭がない

いわゆる腋臭体質の人がインドにはちょいちょいいる。私はニオイに敏感め。っていうか日本人が特に腋臭体質の人が少ないって言うよね。スパイスのにおいとかは別にいいのだが、ワキガは私、ダメなのです。そして歯並びが悪いメイドで口臭がキツい人もいました。

働き方

・遅刻がない/少ない
・オペレーター85%＋観察＆気遣い15%
・Quick and dirty 寄り
20-30分以内でざっとやってくれる程度でいい掃除を1時間かけるのは子供を見てもらう時間が相対的に減る。性格的に細かい汚れが気になるのは分かるが、それより子供と遊んでいてほしい。遅刻した分後ろ倒しで働いてくれるが、誰も"よそ者"がいない状態でゆったりネットをしたり脱毛したりスクワットしたり外の木々を見たり...という時間が大切なのだ。もちろん信号が少なく渋滞が日常茶飯事、我先にと車を走らすドライバー溢れるバンガロールで全然時間通りに来ないバスを待たねばならず、さらにコロナが追い討ちをかけバスの本数を減らし乗車人数を制限する中では、まったく日本と同様に時間の概念を持つべきではないが、平気で2時間遅れて来る人もいるのでそれは論外ということで。

以下はあればなおよし。
・何かあれば言う、確認する
洗剤やトイレットペーパーが切れた、修理に来た工事の人たちが水をくれと言っているがどのコップに入れるか確認が必要、蜂が巣を作っている、断水した、などなど。

・極力、給料の前借りをなるべくしない
あるあるなのだが、毎回やちょい借りは困る。

・クレクレが多くない
低所得層だと仕方ないのは分かっているのだが、毎回だとうんざりするのも事実。捨てたゴミを拾われるのは私はあまり何も感じない。使えるものがあれば、自宅のサーバントでなくとも別の誰かが持って帰るだけの話だったりするし。

・あまりおしゃべりでない
インド人はおしゃべりと言うしそれは日々痛感していることだが(笑)、寡黙寄りの人ももちろんいます。いっつもいっつもしゃべりたくないタイプなので。お隣さんの女性コックは物静かで料理を1、2時間で終えて帰るそうだが、ご近所さんのところのかなり恰幅のいい女性コックが子供とセルフィーを撮っていたときに近所さんが話題にしたところによると、その日は6時間もかけてまだ完成しておらず(笑)じゃあ何をしてるのかといえば、その日に限らず誰かとずーっと電話しているらしい。なぜ怒らないのかと問うと、「彼女なら私が不在のときでも夫となんか情事が起きることはないでしょ。ガハッ。」とのこと。まあ別に時間かけても給料は変わらないしね。気にならなければそれはそれでいいもんね。

・直前連絡の欠勤がほぼない、途中で無断で家に帰らない、無断で子供を連れてこない
やむなき事情は私もくむつもりだが、いつもいつもは困るし、前もって言うというのがあまり社会通念上にない感じがある。細かいことは都度言えばいいから、そのへんの概念的なところは契約時に事前に握っておくのがよいでしょう。

・後から不満ごとを言う
交通費込みで給料を合意したにも関わらずバイクのガソリン代がかかって大変と言われても困ります。年々バンガロールの物価は上昇傾向なんである程度経ってから給与交渉するのは全然いいのだけど。

参考：デリー日本人会のインド生活の手引き
過去の駐在員の事例があります。P.26「3. 家事補助者の解雇理由例（2005 年 5 月アンケートより）」。

岡村隆史の炎上発言

記憶にも割と新しい岡村隆史の風俗に関する発言が炎上した件。言い回しや思想が大変下品ではあるが、景気悪化や今回のようなパンデミック下における人材の流動について言及された、通常とある職場ではさして働くことがなかった属性の人材が生活のため一時的にお金を求めて新境地で働き始めるという現象については本質を突いている。と、今回新たなメイドをインタビューして岡村隆史を思い出した。

今回、お隣さんの紹介でトライアル採用を始めたこの女性は、30代半ばだがメイドとして働いたことはなく、今までずっとオフィスワークしかしたことがないとのこと。しかしコロナで職を失い、子供3人の教育費を稼ぐために早く仕事に就きたいとのこと。うまくworkするかどうかは試用期間に見極めることにするが、この程度英語ができてキャリアのある人が職にあぶれているのかーー。オフィスワークが希望でも求人がなければ何か別の職種を探すしかない。田舎出身の人と話したことはないが、バンガロールに住む人と話す限り所得層に関係なく教育を重視している家庭は多い。貧困から抜け出す重要な手段だと分かっているのだ。

なお職を探すに際して、特に中間層未満の場合にはword of mouth/grapevineが原則だそうで、バンガロールにはタウンワークもanもないしindeed.comもメイドやナニーを探せない。それはまた別の問題。