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つづれやの仕事

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洗い張り(水洗い)で培ってきた技術の上にあらゆるしみ抜き、洗いを承っております。
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2019年11月の記事一覧

絹のズボンを水洗い

今の時代、シルク(絹素材)はドライクリーニングと言われていますが、シルク(絹)は太古の昔から水洗いをされてきました、当然です。 絹の洗い方、絞り方、乾燥方法、仕上げ方などを熟知すれば絹を水洗いすることが出来ます。ドライクリーニングはクリーニング店が手を抜くためになされてきました。又は、ドライクリーニングが万能のように錯覚してまいりました。 此を書いている自分自身も50年前は本気で錯覚していました。水で濡れた絹をブラッシングすると「擦れ」が発生し、白けてしまうため「絹は水洗

虫干し代行サービス

近年、一般のご家庭では虫干しをほとんどされていません。総桐の箪笥の中は毎日のお風呂の湯気と台所の湯気で湿ってしまっています。箪笥屋さんは「総桐だから大丈夫!」と言い切っていますがさすがの総桐の箪笥も毎日のお風呂と台所の湯気にはかないません。日本全国で湿り捲っています。 箪笥の中はカビが発生し、衣類はカビのため変色しています。カビを防ぐには虫干しが一番です。虫干しが出来ないなら、せめて湿らないように換気扇を使って湿った空気を出しましょう。湿った空気を出すと乾いた空気を引き入れ

ご家庭でも使える「ブライト21」酸素系漂白剤をお勧めします!!

酸素系漂白剤は色々な場面で効果的に使える万能に近い漂白剤です。 濃度、温度、時間、phなどを調整することで幅広い目的に使えます。又、使い終わった水は洗濯機に一緒に投入し洗濯にも有効に使います。一石二鳥の酸素系漂白剤です。 使用出来ないもの ・含金染料・ネックレス等の金属イオンが着いたもの ・染色堅牢度が悪く移染をするもの ・アセテート素材 ・ナイロン素材 等が有ります。 事前に必ず生地の端で試し抜きをして下さい。 ブライト21 ¥1,100 ご希望される方は、当店ま

「復色効果」を体験して下さい

クリーニング店では体験できなかった「復色効果」を体験して下さい。 「復色効果」とは手入れの前より染色の色合いが濃く成ることです。 「そんな、バカな!?」と思われるかもしれませんが現実に有るんです。ドライクリーニングを重ねたブラウスを手入れすると、手入れ前の色合いが濃くなる。ドライクリーニングを重ねた麻素材のブレザーを手入れすると色合いが「復色効果」で濃くなる!! お客様の人生経験での初体験をして下さい。これが「つづれや」の隠し技です。 料金は商品によって異なります。例

赤穂緞通の手入れによる予測事例

つづれやでは、赤穂緞通に限らず、堺緞通、鍋島緞通などの絨毯の手入れを行っておりますが、これらの事例は予め予測できるものですが、防ぎきることはできません。また、予測不可能な場合もあります。自然の成り行きと見ていただければ幸いです。段通の強度や染色の退化を少しでも遅らすことが目的です。新品には戻りません。これらをご理解していただければ幸いです。 日本三大緞通のしみ抜き・お手入れについて ・日焼け 日焼け知らず知らずのうちに日光や蛍光灯から出る紫外線のため染色に影響があり変色や

赤穂緞通、鍋島緞通のお手入れ

かつて赤穂市の産業として栄えた赤穂緞通。そのお手入れとなると百年余り前の緞通を手入れすることがざらにあります。 当時は糸の染色にドイツの化学染料を使用されたので色止めをしたくても色止めをする技が有りませんでした。水で手入しなくてはならず、水で手入れすると染料が滲み出し移染してしまいます。百年分の灰汁が浮き出し、型崩れもあり糊抜けなどが絡み手入れすることが不可能でした。 「つづれや」では段通に含まれた水の動きを熟知して、移染、糊ぬけ、灰汁の浮き出し、型崩れを防ぐ技を開発し不

ウール・カシミヤの水洗いの限界を知る!!

人類は太古の昔から水洗いを行ってきた。 先進国だけがドライクリーニングを認めて来たわけだが、ここまで来てようやく水洗いの価値を再認識出来たようだ。アパレル業界や消費者はドライクリーニングを否定した。しかしクリーニング屋さんだけが今もドライクリーニングにしがみついている。本来、クリーニング屋さんが水洗いを認め洗剤や洗い方を開発しなければならぬのに。 水で濡れたウールやカシミアを何回揉んだら縮むのか探してみるといい。 ・準備として、幅50×500mmのウール地の生地を100

クリーニングでは直らない柔道着

一度、このように変色をしてしまいますと、漂白以外に直す方法がありませんでした。しかし、刺繍やタグの色を抜いてしまっては意味がありません。刺繍やタグの色を抜かずに直す方法があります。 酸素系漂白剤の 濃度 ・温度 ・pH ・時間・ 湿度 ・濯ぎの方法等を調整しながら直します。「つづれや」の特技のひとつです! タグと「赤穂」の刺繍を鮮やかに残して変色補正できあがり。 #シミ抜き #お手入れ #クリーニング #坂越 #赤穂 #着物 #ウール #カシミヤ #ダウン #ドライクリ

変色したダウンを水洗いで直す!!

ダウンウェアのダウンは元々、油脂分をふんだんに含んでいます。 ドライクリーニングを行うと、 油脂分を洗い流して脱脂綿状態に成ってしまい、膨らみが無くなり表地も汚れ易くなります。クリーニングしたいのは表地の衿袖口裾回りです。水洗いならダウンの油脂分を洗い流す事なく確実に表地の汚れだけを洗い流す事が出来ます。 洗剤は「シャボン玉石けん」を使用し、ダウン野中に前もって水を含ませておき洗剤がダウンの中に 入りにくくしておきます 。そうすることで濯ぎやすくなります。 濯ぎには柔軟