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2023/04/15 あたたかな言葉、優しい世界、いつまでもここにいてSideM

アニメ アイドルマスターSideMを見た。
前日譚となるエピソードjupiterを含めた全14話一気に見た。約5時間が一瞬だった。

dアニメストアとU-NEXTで観れます。前日譚と第一話ならアマプラでも観れるし、第一話に限ってはYouTubeでも観れる。ぜひ見てほしい!


周りのアイマスオタクたちが男女年代問わず「SideMのアニメは出来が良い」と口を揃えて言うので、ずっと観てみたいなと思っていた。しかし最近は何かと忙しく、アニメを見るようなまとまった時間がなかなか確保できず消化不良な思いを抱えていたのだが、今日ようやく観ることができた。例のアイマス好きな友人と同時上映会をしながら見た。

……なんかもうこの友人登場しすぎて最早準レギュラーになりつつあるな。
説明するのが面倒なので、仮名をYとしよう。以降「友人Y」という名前が出たらアイマス好きの彼女だと思ってもらえたら……。

さて、アニメSideM。

すっごくすっごく良かった!最近見たアニメの中でダントツ満足感が高かった気がする。満足感というか、多幸感というか。

SideMは「理由(ワケ)あって、アイドル!」をキャッチコピーに、前職からアイドルに転身した「ワケあり」アイドルが多く在籍する315(サイコー)プロダクションを舞台に描くアイドルストーリーだ。
例えば、

  • 前職が弁護士・医師・パイロットの元エリートからアイドルに転職した「DRAMATIC STARS」

  • 化学教師、英語教師、数学教師の元教師からアイドルに転職した「S.E.M」

  • 元双子プロサッカー選手の「W」

  • 着ぐるみバイト、コンビニバイト、花屋の元バイト店員で構成された「Beit(バイト)」

などなど。特にDRAMATIC STARS(略:ドラスタ)なんて何故わざわざアイドルに!? と思うかもしれない。しかし彼らにはそれぞれ人生があり、事情があり、ワケがあってアイドルを志している。

そうやって「本来ならば交差することのなかった人々」が同じ目標に向かって走っていく様にはカタルシスを感じる。自分が「こうありたいな」と思う在り方を、真っ直ぐに目指している姿には心が洗われるような気持ちになる。

劇中のアイドルたちはデビュー時すでにアラサーだったり、強いトラウマがあったり、家との確執があったりとそれぞれの問題を抱えている。
けれど周りにいる仲間たちも、皆さまざまな生き方をしてきた。どうコミュニケーションを取ればいいのか、ちゃんと分かっている。

ストーリーの中で、私が一番すごいと思ったエピソードを挙げたい。

外科医からアイドルに転職したドラスタの桜庭は、大きなライブを前にグループ活動だけでなくソロ活動にも力を入れるようになる。しかし完璧主義者で誰にも頼ろうとしない彼は、明らかにハードワークな日々を過ごしていた。
見かねた同じドラスタの天道と柏木は彼を慰安するため一泊2日の温泉旅行に連れ出す。一緒に露天風呂に浸かりながら、天道は桜庭に問いかけた。「どうしてアイドルになったんだ?」
桜庭は思い詰めたような顔をして、一言だけ言って去っていく。
「金のためだ」

唖然とする天道と柏木。去る桜庭を追いかけるでも「金のため」という言葉に激昂するでもなく、天道は呟く。

「ま、いろいろあるよな」

……大人すぎる!!
アニメをよく見るという方は何となく分かると思うが、こういった展開には「なんだよそれ!」だとか「ちょっと待てよ!」だとか「おい、どういう意味だ?」とか「金ってどういうことだよ!」みたいな、とにかくこう、感情に任せた言葉が続きやすいのだ。

それを「ま、いろいろあるよな」で済ませ、彼らはそれ以上踏み込もうとしない。
その後、話が進む中でドラスタと桜庭の心境に大きな変化が生まれるのだが、その過程でも天道たちは桜庭の過去やアイドルになった動機に土足で立ち入ろうとしない。

無理に踏み込まず、ある程度の距離を保った上で、その上で信頼関係を築いていくのだ。そんなコミュニケーションができるのは、とっくに大人になった彼らだからこそのことだ。

このように、SideMには柔らかく暖かな、【善】の性質を持ったコミュニケーションで満ちている。私はSideMのそんなところが好きだし、なかなか他のコンテンツで見ることができるものではないなと思う。

何度かこのnoteでも書いているが、特に私はS.E.M.の「S」、山下次郎さんが好きだ。自己評価が低くふらふらとしながらも、トップアイドルになるという夢への覚悟は強く持っているところが素敵だと思う。受動的な性格と覚悟の強さは両立することもある。そして自分の「好き」の思いを静かに燃やし続け、夢を諦めても尚それを別の未来に繋げようとする姿勢も好きだ。

「山下次郎30歳。人生フラフラしていたらいつの間にかアイドルだ。だがな、やってみたら案外面白い!こんな俺でも可能性ってやつがまだあった。遅すぎることなんて何もないんだな!」

アニメ第5話、予備校の特別応援ステージにて山下次郎が叫んだセリフ。
本当に良いな、と思う。「遅すぎることなんて何もない」というセリフはいろんな場所で聞くけれど、彼がそれを言うことでそこに重みが増す。激しく激励するのではなく、寄り添うように背中を押す言葉だと思う。

本当に素敵だ。アニメを見終わって、1月にサービス終了したMobage版のSideMソーシャルゲームのアーカイブをひたすら読んでいた。
ストーリーの中で山下次郎が語った台詞が胸に刺さる。

「夢は絶対に叶えなければいけないものじゃない」
「後悔なく生きて、後で人生を振り返って、笑えるならそれでいい」
「夢は尊いものだけど、重荷になって押し潰されちゃよくないからねぇ」

先生…………!!

カイジ泣きしちゃった。

夢は尊いもの。叶えたいもの。けれど、それが重荷になってしまってはいけない。そのメッセージで救われる人間が、どれほどいることか。
このストーリーを読むことができてよかった。アニメ第5話のセリフと併せて、胸の中で大切にしていたいと思えるセリフだ。

こうやって、時にあたたかくじわりと沁み入るような言葉を欲してしまう時がある。そんな瞬間に胸を打つ言葉を、SideMは的確に届けてくれる。

そんなこんなでアイドルマスターSideM、本当に素敵なコンテンツです。ぜひ見てほしい!!

7月末に唯一現行しているソシャゲがサービスを終了してしまうけど! 終わらないで!

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