インタビュー調査<杉田淳氏>

1956年、杉田淳氏は静岡県に生まれる。工業高校から神奈川大学の応用化学科に進学するも、大学時代は、時間さえあれば映画を見たり本を読んだりして過ごしていたという。そんな生活の中で本を作る仕事に就きたいと考えた杉田氏は、編集者人生をスタートさせた。
 大学卒業後の1978年、新興楽譜出版社(現在のシンコーミュージック)に入社し、楽譜集やビートルズのアンソロジーなどの制作に携わる。その後、手紙事典等を手掛けた編集プロダクションでの経験を経て、1988年現在の仕事場である扶桑社に入社、そこで出会ったのが『週刊SPA!』であった。「本当に面白かったですし、学ぶことも多かった。やっぱりそこで僕は編集者のスキルを磨いた」と語る。2000年代に入ると、書籍販売部、宣伝部を経験。宣伝部時代、強く記憶に残っているのは、「新しい歴史教科書をつくる会」の関連で刊行した教科書『国民の歴史』の新聞での全面告知である。その後は電子書籍部に異動し、電子書籍化するための契約に尽力した。現在は、「良い物なのに埋もれてしまって可哀想な物を、もう一度ピックアップ」することを編集者の一つの役割と捉え、リメイクして再度市場に投入する、いわゆる”編集リフォーム”に力を入れている。編集者の仕事では新しい切り口と「考え続ける持久力というのが必要」だと語った。

杉田淳 写真

インタビュー担当者:渋谷日向里(主担当)、青山亮平(副担当)