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インタビュー調査<三沢明彦氏>

 三沢明彦氏は、1956年に大阪で生まれ、東京で育ち、高校生の頃には新聞記者か弁護士かどちらかになりたいと考えた。早稲田大学政治経済学部政治学科入学後、「自身が選んだテーマを掘り下げていける仕事、社会にアピールできる仕事」としてジャーナリズムを志望。
 卒業後の1979年には読売新聞社に入社し、横浜支局に配属された。そこで四年程サツ回りをする中で、現場での取材の仕方、警察との付き合い方を体得した。1982年には社会部で警視庁捜査一課を担当し、殺人、強盗、誘拐などの事件を取材。
 1988年には宮内庁を担当し、昭和天皇の崩御や皇太子のお妃候補を取材した。1994年には警視庁担当となり松本サリン事件を取材。オウム真理教の関与を示唆する記事を1995年元旦に決断して掲載した。報復テロの可能性もある中で、「やはり、危険がすぐ隣に迫っているという事実を伝えることが新聞の使命なのではないか、という思いが強かった」と言う。
 1998年社会部次長となり、外国人による犯罪などを多く取材し、これらの経験を基に、2004年には『組織犯罪』と『捜査一課秘録』を出版する。また、同年に北海道支社の編集部長、2009年には編集局次長、さらにネットニュース『ヨミウリ オンライン』の編集長も務めた。
 2011年に福岡放送取締役に就任、2016年には静岡第一テレビ常務取締役となった。
 現在の報道に対しては「生身の記者の匂いが消えている。記事には怒りや悲しみ、感動がなければいけないと思う」と語った。また、過熱する皇室報道については、「皇室は特別な存在だけれども、プライバシーというのはあって然るべきだ」と述べた。