土屋ゼミ 2021年 夏季集中講座

 初めまして、土屋ゼミ9期生です。本日をもちまして9期生がゼミジャーナルの編集に携わる運びとなりました。何卒よろしくお願いいたします。さて、9期生の初稿は夏季特別研究会についてとなります!
本来では、9月16日から18日の3日間に亘って軽井沢セミナーハウスでの夏合宿を予定しておりました。しかし、昨年に続く新型コロナウイルス感染症への考慮もあり、9月16日から17日にかけての2日間、大学での対面講義という形で夏季特別研究会を行いました。

・1日目 9月16日 木曜日
 午前9時30分、早稲田大学早稲田キャンパス3号館の304教室に集合。男性陣は全員が教室を間違えて710教室に集合しましたが、女性陣は全員304教室にいました。
 その日は朝刊の購入を課されていました。紙媒体の新聞を初めて買った学生が多く、思いのほか新聞が安いことに感心していました。メディア・ジャーナリズムゼミですが、新聞を購入している人は少ないのです。購入した朝刊の用途を疑問に思っていた私たちですが、土屋先生の指示により記事数やページ数を数えるという作業が始まりました。数社を比較したうえで政治面・経済面そして社会面のページ数などを分析しましたが、そのうえで先生から過去の新聞との比較も説明していただきました。こうして私たちは、政治面や経済面が先頭になった背景や、社会部が栄えていた20年ほど前の話を学ぶことになります。
 その後、11時50分からの昼休憩までの間に9期生同士で人物研究報告を行いました。対象は戦後日本の著名なジャーナリストやメディア関係者で、調査するポイントは以下の5つです。
①教育歴と職業の関係
②職業における教育
③職業における履歴、業績及び失敗や苦労
④職業に対する認識
⑤メディア全般に対する考え
この課題は我々の知識を増やすことを目的としていますが、言い換えるとそれだけ我々がメディアの歴史を知らないということにもなります。今年は正力松太郎や大森実、江川紹子氏ら重要人物を調べましたが、今考えると社会部との関係性が強い記者が多かったように思います。発表では、経歴の年号や著書の出版年月を明示することの重要性を教わりながら、手厳しいフィードバックも頂くことに…。調査もさることながら、それを簡潔に要約して時間内に抜け漏れなく共有するというのはなかなかに難しいものでした。
 昼休憩では、感染症対策のために人数制限を設けてランチに行きました。

楓 人物研究 スクショ
資料1 柳田邦男に関する人物研究のスライド 作:9期生 米持楓
千坂さん 人物研究 スクショ
資料2 江川紹子に関する人物研究のスライド 作:9期生 千坂美寿希

 午後1時20分からは3時間程度に亘って事項研究報告を行いました。対象は戦後の社会部および社会記者に関する重要事項で、事前に作成した資料を配布したうえでの発表でした。データベースなどを活用して当時の記事を引用したりしましたが、こちらも要点を掴んで共有することが難しく、先生から補足の説明をいただいてばかりでした。
 最後には人物研究報告の原稿をレポートという形で提出し、この日は終わりました。余談ですが、この1日のために血眼になりながら資料を準備していた人も多かったので、午後5時の解散の時点で疲れが滲み出ていました。準備は本当に大変でしたが、達成感もそれ相応のものがありました。また、土屋先生から豆大福を頂きましたが、それが大変美味しかったです。

田中さん 事項研究 スクショ
資料3 公害報道に関する事項研究のスライド 作:9期生 田中菜穂
まさき 事項研究 スクショ
資料4 1970年代の社会事件に関する事項研究のスライド 作:9期生 押田真輝

・2日目 9月17日
 この日は、ちょっと打ち解けた仲間たちに加えて8期生の先輩方も参加してくださりました。やはり1年上の先輩というだけあって、我々よりも余裕を感じる佇まい。気さくで優しい方が多く、頼れる先輩だと感じました。(実際のところ、秋学期のインタビュー調査において大変なご助力を頂きました!)
さて、当日の集合時間は前日より30分遅い10時でした。集合時間になると、8期生の先輩方による内容分析の本調査結果報告と卒論中間報告が行われました。一人ひとり異なるアプローチで分析に励んでおられ、来年の自分たちの活動に思いを馳せながら話を聞く9期生たち。そんな9期生がまだ知らない分析ツールを使用した分析結果などもありましたが、先輩方がわかりやすく解説してくださったおかげで概形を掴むことができました。土屋先生からは鋭いフィードバックが繰り出されていましたが、来年の我々はどうなってしまうのでしょうか…。そんな一抹の不安を抱きつつも、昼食を挟んで14時30分になるまで黙々と先輩方の報告を聞いていました。

鈴木先輩 スクショ1
鈴木先輩 スクショ2
資料5 卒業論文の中間報告に関するスライド 作:8期生 鈴木華乃香
後藤先輩 スクショ1
後藤先輩 スクショ2
資料6 卒業論文の中間報告に関するスライド 作:8期生 後藤乃々花   

 先輩方の報告が終わり、先輩方は筆記テストを受け、9期生には即答テストが行われました。9期生の課題図書は以下の2冊。
1.藤竹暁・竹下俊郎編著『図説日本のメディア[新版]』NHKブックス、2018年
2.藤竹暁編著『図説日本のメディア』NHKブックス、2012年
 このうち、『新聞』と『放送』と題された2か所が範囲でした。さらに、前日の報告内容もテストに含まれるとのこと。そんな即答テストは全20問中60%獲得で合格でしたが、10人中3人しか合格しませんでした。残りの7人は10月に再テストを受けることになります。数値を聞く問題が難しいのもあったかもしれませんが、何より多くの人が前日の発表に準備するのが精一杯で満身創痍になっていたような気がします。それらを考慮すると、合格した3人は凄い。
 9期生は8期生よりも短時間でテストが終わりましたが、その間に土屋先生から秋学期のインタビュー調査についての説明を受けました。各自のインタビュー対象者やインタビュー方法の説明に加え、文字起こしの説明がありました。ここまで来てようやく夏季課題を切り抜けた9期生でしたが、新たな課題を前に再度身が引き締まる思いになります。
8期生の先輩方の筆記試験が終わると、先輩方といくつかのチームに分かれて録音と文字起こしのレクチャーを受けました。このときに対応してくださった先輩が本当に親切で、その後のインタビュー調査でも大変お世話になりました。また、そうしたレクチャーの中で先輩へのインタビューを実際に録音し、そのうちの3分を文字に起こすという課題が出ました。実際にやってみると、3分起こすのに12分ほどかかることが判明。どうやら土屋先生のおっしゃる録音時間の5~6倍という作業時間の目安は脅しでないようです…。

録音風景
資料7 録音練習の様子 作:9期生 小畑諒一郎

こうして終えた夏季特別研究会でしたが、安堵と緊張、そして不安が入り混じる空気の中での解散となりました。しかしながら9期生同士の仲は以前よりも深まりましたし、学びが多い2日間でした!僕に関しては、多分10人中7人くらいと初めて喋りました。プレゼミでは授業時間が終わるとZoomのルームが解散してしまいましたし、前期は何だか話しかけられる雰囲気ではなかったのです。
ところで、2日目には土屋先生から浅草にある梅園のどら焼きをいただきました。味は通常のどら焼きと栗きんとんどら焼きの2種類。僕は栗きんとんどら焼きを頂きましたが、これまた美味しくてかなり癒されました。頭使ってヘトヘトになっていたので、美味しさがさらに増していたのかもしれません。
 話を戻しますが、今回は大学での夏季特別研究会ということで夏季合宿に行くことができませんでした。しかし、夏季合宿に備えて準備をしてくれたゼミのメンバーや、合宿を行うために大学へ申請を出してくださった先生には感謝する他ありません。また、代替案としての対面講義ができるように感染対策を進めてくれた大学側や、2日目に参加して9期生の面倒を見てくださった8期生の先輩方への感謝もこちらに記させていただきます。どこかでゼミ合宿が再開することを祈りつつも、まずはインタビュー調査を完遂することに集中します。それでは、また次の記事でお会いしましょう!

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資料8 土屋ゼミ9期生のみんな いい笑顔です
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資料9 夏季集中講座の様子 発表中は真剣です

文責:土屋ゼミ9期生 小畑諒一郎