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どっとライブのよく見ると普通と違うライブ「星物語」

オールスターライブ

どの箱(事務所)も、事務所オールスター形式のライブはやってくれるものだ。いつもの仲良しや珍しいカップリング、あるいはソロ曲で会場のサイリウムを一色に染めて力を示したり、最後には大団円で歌うといった形式だ。

が、このどっとライブの星物語ではちょっとだけその定番と違うことがあった。それは、ソロになるシーンが一つもなかったことだ。

仲良しとは

箱推しとして、1番怖れるところはビジネスてぇてぇである。一見仲良くしてそうなのだけれど、それは我々に見せるときだけであって、裏では知り合い止まりでおわる、そんな関係である。

冷たいなぁと一瞬思うかもしれないが、たとえば、自分の学校やサークル、職場で考えてほしい。毎回同じ所属の人とオフで遊べるほど仲良くなれているだろうか。自分は会話デッキに偏りがあるせいか、毎回怪しい。飲み会なんてあろうものなら即答で断りたい。特に人数が増えれば増えるほど、苦手な人が出てくる。そう考えると、仲の良い事務所というのはそれなりにハードルが高い。この点ではどっとライブはオフで遊んだり旅行に行くほどなのだからとても仲が良いのだろう。素敵なことだ。

1人じゃない

もちろん、オフで遊ぶくらいの事務所はそこまで特徴的ではないと思う。
ではそれを本格的に売りにしたところはどうだろう。

いつもと違う即興のチームで歌やダンスレッスン、それをいくつものペアとこなすこと。ちょっとくらい確執があるかもしれない。はたまた、事務所公認で一度道が分かれた者のテーマソングをカバーしたり、本人と再会するなんて、もってのほか。このライブではそれらが平然と行われた。

また、視聴するターゲットにしても、単純に歌の芸術に焦点を当てなかったのもおもしろい。それが決定的なのは、狂い花という曲だ。この曲は元は電脳少女シロ主演の映画「白爪草」主題歌で、ソロで歌った曲だ。自分も耳コピをしたことがあるのだが、とにかく複雑な作りで、普通のポピュラーではない。というのも、映画の内容もかなりマニアックだからだ。そういう芸術性ある曲において、普通はたとえライブでもそれを再現することを提案するだろう。が、なぜかあえてこの曲はデュエットとして歌われた。しかも、なんとお相手はばあちゃること、自称世界初男性VTuberという馬仮面を被ったやべぇやつとである(!?)。別に歌が上手いからとかそんなんではない。というか半分はウケ狙いであろうw だけれども、真剣に歌ってる彼を見ていくうちに、最後の方にして、このライブのテーマが見えてきた気がした。決して一人ではなく、みんなで作り上げてきた物語ということなのかなと。

星物語

VTuber界では老舗であるどっとライブ、それなりに紆余曲折はあった。かつての確執に関して今も許していないファンもいるのかもしれない。(自分はすべて終わった後に何も知らずにきた新参ではあったが…)本人たちもたくさん傷ついて、今日までいろいろ考えてやってきていると思う。

これもどっとライブに限らず、他の事務所でもよくあることだ。むしろ、そういういざこざを起こす要因にしたくないからこそ普通の事務所は不用意に介入したり人の距離を不用意に操作しないようにして、リスクを減らそうとする。

そもそも、通常アイドルというのは1人の推しを中心に見て、箱推しというのは誰もがやるわけでない。新参からしたら「この組んだ人だぁれ?」「ええい、他はいい、推しを映せ!」となるかもしれないし、一般的な戦略的では積極的な仲良し戦略は悪手なのかもしれない。

自分がみた最近の印象的なライブは、キズナアイの卒業ライブだ。技術的には1000体のVTuberをつかったり、VRドローンカメラを駆使、実は生ピアノでアイちゃんの言葉にあわせてBGMがついたりとすごいことが行われていた。とても正当に芸術的であったし、戦略的にも無料でやることによるトレンド狙い、代わりにグッズやクラファンで集めるなどかなり練られていることを感じた。でもやはりそこでもリスクある仲良しは避けているように感じた。

リスクをもって、正当な芸術性を薄めて、商業的戦略も少ない、ともすればライブの効果を深く考えてないのかもしれない。それでもなおこのライブで求めたものは感謝の気持ちを伝えるということなのかなと思う。

チームのことを信じるのはもちろん、視聴者のこともとても信じてくれてる。持ち曲を他の子が歌ってもいいこと。かつてのこの子のことも黒歴史にしないこと。例え新参視聴者の人でも、この子たちみんなを知ってほしいという親のような気持ち。そして、1人ではできなかった物語を伝えたいというところ。商業的戦略としては正解ではないかもしれない選択肢、それでも実現したい。定番ではない、ただいろんな人に感謝を伝えたいということに最適化された、そんな今の時代見ることがなかなか叶わない芸術を見せつけてくれて本当にとても感動した。

仲の良い友達がいる世界を経験していないからこそ、仲の良い世界を見せてくれるのはすごく夢があるし刺激的だ。だからこれからもどっとライブのみんなさん楽しく活動してほしいし、応援し続けたい。本当にありがとうございました。





















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めるへんちぇりっくめっちゃかわいかった・・・(´・ω・)

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