the pillows
私が自分のお金ではじめて買ったCDは
the pillows の fool on the planetだ。(多分)
以下wikipedia参照だが、
「ベストアルバムは出さない」と
雑誌のインタビューでVocalが言っていた
pillowsのベストアルバムで、発表直後
ベスト肯定派と否定派の対立で公式サイトの
掲示板が荒れたらしい。(へぇ〜…)
アラサー会社員の私だが、
あれは確か中1ぐらいの頃ではなかったか。
もちろん中1なんて大したお金を
持ってる訳じゃなく、月のお小遣いも
1000円とかだっただろうか(高い?安い?)
記憶がひどく曖昧である。何せ十数年前の話。
そんな中での私のCD初購入は、
Amazonでの注文。PCを使ってだったので、
父親に教わって四苦八苦した様な気がする。
当時、私は学校に行く前の朝、
Sakusakuをよく見ていた。
テレビ神奈川制作、バラエティ仕立ての
音楽情報番組で、木村カエラとマスコットが
トークバラエティ的なことをしつつ、
途中途中でPVが流れる番組。
見てたというよりは、朝のうちのテレビは
なぜかSakusaku固定だったので、
ただただ目に入るだけだったが。
正直朝のその時間に見るものは
全て憂鬱にうつり、繰り返し見る
アーティストのPVに辟易としたことも
あったが、子供心に「おっ??」と
思った曲があった。
the pillowsの「ノンフィクション」である。
乾いた「スッタッタン」というドラムから
始まり、イントロが流れる。
PVは暗めの部屋を、部屋の真ん中から
等速で回転して周りを映し続ける。
なんかよく分からんが、そこまで
若そうでもない人がちょっと気怠げに
「イェーへー」「アウイェ」と言いつつ
歌っている。
ボケーッと見ていたが、サビに入って
私はひき込まれた。
「夜はいつだって 残酷なフレンド
忍び寄って 目隠しして
誰にも 言えない様な 夢を見せるんだ
Please Please me」
当時は理由がよく分からず、ただただ
「おぉっ!かっこいい!!」と思った。
今にして思えば、キャッチーなメロディと、
何というか斜に構えたような(偏見です)
世界観が凄く自分にヒットしたのかな。
家にピアノがあったり、兄がギターを
弾いていたり、自分もそれに影響されて
ベースを弾いたり、音楽に興味を持てる
環境ではあった。ただ、
CDを買うということをしなかった自分が
購入に至ったのは、あの衝撃によってである。
……ここまで書いて、fool on the planet
(購入したやつ)の収録曲に「ノンフィクション」は無いことを今調べて思い出している。
「え、なんでそれ買ったの??」と
当時の自分に問いたいが、収録曲も
どれも良いものだったので、水に流したい。
(ノンフィクションのシングルをその後に
買ったことも今思い出しました。)
fool on the planetはベストアルバム
だったので、入り口にはきっと丁度良い
という判断だったんだ。
そういうことにさせてほしい。
一番良いと思ったのはベタベタだが
「ストレンジカメレオン」である。
「君といるのが好きで
あとはほとんど嫌いで
周りの色に馴染まない
出来損ないのカメレオン」
物凄い暗かったか、というと微妙だが、
陰と陽でいうなら私は確実に陰の者だった。
人に馴染んでワイワイやれるタイプでは
ない、というのは小さい頃から
ずっと感じていたことだ。
馴染めないのか、進んで馴染まないのか。
卵が先か鶏が先か、という話だが
とにかくそんな感じの子供だった。
加えて妄想癖も軽くあったと思う。
よくやったのは「自分と好きな子だけが
崩壊した世界で生き残ってる」妄想。
書いてて痛々しすぎるが、共感してくれる
人がいるのではなかろうか。
自分と好きな子ぐらいしか
興味がない。周りの世界なんてつまらない。
全部なくなったってかまわない。
そんな妄想を生み出す時点で、
私と周りの世界との関係性に察しがつくが、
その世界観を持つ私の心に、
スッと自然に入ってきた曲が
「ストレンジカメレオン」だ。
「ストレンジカメレオン」が
pillowsの楽曲全てに通ずる世界観では
ないはずだが、それでもこの人達の曲からは
何か寂しさや孤独を感じる。
「寂しいし、孤独だし、こんな世界だけど、
それでもやってこうよ。」という様な。
それがとても私に馴染んだ。
正直この世界観は、アラサーになった
今でも染み付いていて拭えない。
なにか世界全体が色あせてるような、
ぼやけてるような。
その中でもきらきらしたものを
たまに見つけるようなイメージが
私の人生観だ。
非常に悲しげというか、寂しげというか、
まずもって全く応援歌でもないが、
「頑張って!!」「諦めないで!!」と
言われるよりもよっぽど、
心に寄り添ってくれる曲である。
「恐いモノ知らずで 時代ははしゃぎまわり
僕とキミのすごした ページは破り去られ
歴史には 価値のない
化石の一つになるのさ
キミと 出会えて 良かったな
Bye Bye 僕はストレンジカメレオン」
ミスチルがカバーしたことでも有名だし、
今さら私が言う話でもないだろうが、
それでも聴いたことのない人がいたら
聴いて欲しい。
さみしくても、何だかあたたかい気持ちに
なる曲だから。
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