Cry baby(詩)

抑圧と衝動
心の奥に押し込めた
熱が
夢の中で吹き上がる

その欲望のほとりで
生まれた温泉街
憧れの人と
デート

混浴らしい
残酷な時計が
チクタク
美しい光景まで
あと少しなのに

崩れていく夢
醒めていく心
やけにはっきり覚えていて
捨てたはずの希望が
白馬となって
駆けめぐる

こいつに乗って
迎えにいかなくちゃ
僕を待つ未来のもとへ
そんな陽気な
誰かさんの声

(小休止)

握りしめた
ひのきの棒じゃ
姫は喜ばないななんて
伝説の剣でも
あればいいのだけれど
無ければ探すしか
ないだろう?

いつまでも
ありのままでいいなんて
言葉が大嫌いなんだ
ひのきの棒と
非力な俺で
倒される魔王なんて
つまらないに
決まってるだろ
すぐに
飽きてしまうだろ

自分の限界を超えて
魔王軍を
壊滅(かいめつ)させてやる
理想の中にある
お姫様との生活
そんな
血沸(わ)き肉踊る
物語を
生きることを
命の中の
竜の子が
求めてる

俺の中の
少年が
成長を求めている
なにもかも
とかすような
灼熱の炎で
焼き尽くせ

いつの日か
忘れてしまった
強く望む自分を
探して

なにもかもが
可能だと思えた空へ
羽ばたくことを
思い出して

泣き叫べ
唯一無二の
血潮をたぎらせ
求めるままに
望むままに
自分自身の
魂を信じて
誰もクリアしたことのない
冒険を求めて
誰も触れたことのない
宝をつかんで
君のもとへ

俺の炎よ

荒れ狂え

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