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モノからコトは行動で考える

こちらはラジオ「長澤翼のとなり席」で話した内容です。
音声の方がご都合が良い場合は下記よりご視聴ください↓

最近はコト消費という言葉が広まってきている通り、モノがあふれた現代でコトへの需要が高まっています。しかし、コト消費とは言っても実際はモノ単位で市場を捉え、その現状にモヤモヤしている人も多いのではないでしょうか?
実際、時代がそうであれ長い期間継続してきたその発想や枠組みを超えて外に出て考えるというのは難しいかもしれません。
では、コト消費に対して頼れそうな統計なども存在しない場合どうすればいいのでしょうか?その場合もう少し言葉をわかりやすくし「行動で考える」に言い換えるとわかりやすくなります。

■例えばの話
インスタントカメラを例に書きます。これはモノではカメラと捉えることができますが、モノではなく「写真を撮る行動」と言い換えて考えてみましょう。
昔はインスタントカメラと言えば、「ポラロイド」が代表的でしたが、今はそれっぽいのは富士フィルムのチェキくらいです。
当時は写真は現像をするのに手間がかかっていたので、インスタントカメラに優位性があった訳ですが、デジカメやスマホの登場によりその必要が薄れていきました。このような技術革新などどうにも抗えない場合、モノ市場の中だけでの発想では、考えても打開策が見えてきません。

ではこれを「モノ」ではなく「コト」、つまり行動という視点で考えてみましょう。まずは利用者は「なんの為ににどんな行動をとりたがっているか?
」に着目してみましょう。実際の調査では、写真を撮ること以上に友達と思い出を共有することが重視されているということがわかりました。つまり写真を撮る行動というのは「コミュニケーションとして行動」と言えるのです。そうであれば、デジカメやスマホではできないコミュニケーションというのは何だろう?と、行動を徹底的に考えていけばヒントが見えてくるかもしれません。
例えば「財布などに収納できるくらいのサイズの写真がすぐに簡単に印刷できて、さらにそこに手書きのメッセージが書き込める商品」なんてどうでしょう?
コミュニケーションを加速化できるかもしれない!という行動視点ならではの発想だと思いませんか?
なんとなくコト発想の重要性をご理解いただけたでしょうか?

■コト発想で復活を遂げた業界
さて、ここでもう一つ行動視点で復活を遂げた分野を紹介します。
それが映画産業です。1950年~1960年代にいくつかの国で映画産業はピンチを迎えました。それまで圧倒的な娯楽であった映画が、テレビ放送に主役を奪われてしまったのです。
当時テレビに抵抗する戦略として、テレビより面白い娯楽作品を追求し、そのようなアプローチをした映画会社は経営が厳しくなっていきました。
テレビに真似のできない大作をつくろうとして、制作費をかければかけるほど収益は減りました。「映画=作品」というまさにモノ発想だった訳です。必然的に映画館への入場料金もあがり、客足も遠のき多くの映画館は閉館しました。そんな状況を変えたのはいったいなんなんでしょう?
スピルバーグなどの名監督の登場でしょうか?
やはり、映画をモノとして捉えている限りは難しく発想の転換が必要です。「ファンタジーへの没入行動」と捉え直してみるんです。発想の転換によって誕生したのがDVDです。大画面テレビが普及したことによって、家にいながらDVDで映画鑑賞をしファンタジーの世界に没入をするという行動が一般化した訳です。DVDへの発想転換が出来たことで映画会社は映画館を頼らなくてもDVDの売上で製作費を回収することが可能になりました。
さらに競合だったはずの映画を観る為の機械としてテレビが味方になってくれ、映画産業の快進撃となりました。
さらにファンタジーへの没入感をさらに深掘りしていくと、テーマパークを展開したり、ヒット映画のコンテンツを二次利用、三次利用するという映画会社も誕生しました。
USJとかはまさにこの典型ですよね!

さて、いかがでしたでしょうか?
モノ的な発想からコト的な発想は人生においても大いに役立ちそうですよね。
僕は普段から疑問のある何かに遭遇した時は意識的にコト発想、即ち行動的な言葉に置き換えて考えてみるということをやっています。
「頭が痛くなりそう」と言われることもありますが、ゲームをやっているのと同じ感覚なので苦痛ではありません。
という訳で今日はモノからコトは行動で考えるというお話でした。

【追伸】
本丸の活動である一文字アートの制作過程がこちらからご覧いただけます↓


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