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◇高嶋イチコ自選集◇

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自己紹介がわりに、これまでの投稿で特にお気にいりの物を集めました!
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2019年11月の記事一覧

恋の証人。

これは本当に起こったことかもしれないし、そうじゃないかもしれません。 「俺、宏美とも寝てるよ」 男が口にしたのは、わたしの憧れの女性の名前だった。 ちょっとだけ虚をつかれて、眠気がとんだ。 深夜3時までだらだらと抱きあって、わたしたちはまだ裸でベッドに寝そべっていた。さっきまで繋いでいたその手が、あの優しい女性の体にも触れていたなんて。 バイト先のバーで、わたしが働き始めるよりもずぅっと昔に働いていた男とその女性、宏美さんは、いまでもそのバーにそれぞれ飲みにきていた。

いなくなればいいと思ったあのこは、三日後の夜に死んだ。

「なんかさ。Mちゃんに、家に遊びにおいでって誘われたんだよね」 彼氏が口にしたのは、私と彼氏共通の、女友達の名前だった。 カッと体が熱くなった。 寂しいなら、私を呼べばいいのに。 せめて、私と彼氏と2人を誘えばいい。 なぜ彼氏だけを誘うの。 Mちゃんは、精神の病を患っている女性だった。 旦那さんは仕事が忙しく、家にあまりいない。 もともと寂しがり屋だったうえに、病気の状態が悪化していた彼女に呼ばれて、私は当時そのマンションによく遊びに行っていた。 私は18歳で、はじめ