マガジンのカバー画像

◇高嶋イチコ自選集◇

18
自己紹介がわりに、これまでの投稿で特にお気にいりの物を集めました!
運営しているクリエイター

2019年10月の記事一覧

わたしがあなたのペットだった頃。

「君は年が離れているから、恋人って感じがしないね。セフレってほどドライでもないし。なんだろうね」 ストーブの灯りで橙色に染まったその人の肌に触れながら、すこしだけ考えて「それならペットでいいですよ」と答えた。 男は肩まである自分の髪を邪魔くさそうに束ねて、いいねそれと笑った。 恋人ではない男のベッドで寝るなんてはじめてだった。 意外と平気。わたし、なんにも傷ついてない。 ベッドで過ごした数十分は、過去の恋人たちとしてきたのと変わらない、ただのセックスだった。 窓の外は雪