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burial or cremation:火葬/土葬をめぐる問題

🔵burial or cremation:火葬/土葬をめぐる問題

先週末、趣味の読書で “Cause of Death”(Patricia Cornwellの検死官シリーズ第8作)のオーディオブックを聴いていたところ、こんな一節が耳に飛び込んできて、驚きました。

場面は…
ヴァージニア州の原子力発電所がテロリストたちに占拠され、
3人のスタッフが亡くなり、
その死体解剖の仕事を主人公のスカーペッタ医師が担当することになる…という緊迫した場面です。

マリーノ警部が
“Those bodies we’ll cremate?”
と質問し、スカーペッタは答えます。

“I would recommend that. Which is another reason why they need to come here to Richmond. We can use the crematorium in the anatomical division.”

私はここで、「えぇ!?」…と頭が混乱して、オーディオブックを一時停止しました。

やりとりの意味は、分かります。
マリーノ警部が「死体は火葬するのか?」と聞き、
スカーペッタが「その方が良いわ。彼らの遺体をリッチモンドに運んできたのは、解剖部に火葬施設があるからですもの」と答えています。

このスカーペッタとマリーノ警部の会話から察するに…

🔴アメリカでは、土葬がスタンダード。
🔴火葬をするのは、原発事故などのめったにない緊急事態で、人が亡くなった時だけ

・・・ということになりますよね??

私は驚きました。自分はこれまで
「土葬は中世の埋葬の仕方にすぎず、現在の世界の8割くらいの地域では火葬であり、
土葬をしている地域は少数派」

…だと信じ込んでいたからです。
しかし、よく考えると、この漠然としたイメージに根拠などありません。

世界のお葬式について調べると、下記のことがわかり、仰天しました。
自分は何て、ものを知らないのだろう・・・と思うことばかりです。

(調査の結果わかったこと)
🔴日本の火葬率は世界でNo.1(ほぼ100%火葬)

🔴アジア諸国では比較的、火葬率が高い。(台湾96.76%、香港93.30%、韓国84.19%、タイ80.00%)

🔴キリスト教、特にカトリック信徒は「死者の復活」を信じるので、欧米は長らく土葬が主流だったが、近年では土地不足により火葬が増えている。

🔴2018年イギリス火葬協会発行の資料によれば、火葬率は、プロテスタントが比較的多い国々では
アメリカ51.55%、イギリス77.05%、カナダ70.50%、ドイツ62.00%に対し、

カトリック教徒の多い国々では、フランス39.51%、イタリア23.90%と火葬率は低い。(ちなみに、ロシアの火葬率は9.87%

🔴イスラム教では、土葬以外の埋葬方法は禁じられている。

🔴日本在住のイスラム教徒の土葬のための土地確保が、現在、問題になっている(日本にはイスラム教徒のための土葬施設が9箇所あるが、今後の多死社会のことを考えると、この9箇所だけでは足りない)

読書のお蔭で「自分の常識=世界の非常識」ということを確認できました。
だからこそ、私は本を読みたいと思うし、本を読まなければいけない…と決意を新たにしました。

★写真について
アメリカで「遺体を火葬せずに堆肥に」という環境に配慮した埋葬方法が少しずつ広がっているそうです。

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