自分ならどうする?

先日、読書のすすめで、ある出版社の方と話していた話題…

NHK「100分で名著」で取り上げられている「戦争は女の顔をしていない」スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ著、

第二次世界大戦の独ソ戦で、
看護婦や軍医を含め100万人以上のソ連の女性が兵士として武器を手にして戦った。その従軍女性たちに聞き取りをし、
男性のイデオロギーではない違った角度の女性の証言で、戦争の姿をあぶり出している。

その中で、
ドイツの占領支配に抵抗するパルチザン(ゲリラ)の女性の証言に、
慟哭が喉を突き上げた。

占領軍に銃殺されようとしていた母親と五人の子供、その時、その中の乳飲み子をドイツ兵は仲間に “宙に放りあげろ、俺が撃ち抜く” と合図をすると、
母親は、自らの手で我が子を地面に叩きつけて殺した。


その出版社の方は、「この本は以前読んでとても大きな衝撃的を受けた。と同時に、自分でなくてよかった…」と。

それを詳しくお聞きすると、「その地獄の苦しみを、自分ならどうする?」と、その苦痛を自分事として受け止め、自身に絶えず問い続けている。

そして、「自分でなくてよかった…」 と。

その言葉には、

自分だったらその苦痛を絶対耐えられない、
あまりにもリアルに自分事として想像するその方は、読書も社会の問題もすべてが自分事として受け止め、非常な痛みに感じている。
そして、その痛みがエネルギーに変わって。

私はハッとした。

それが本当の読書だ!
人の痛み苦しみを自分事とするのが読書なんだ!

なりきって、自分はどうする?

 
【読書のすすめの落語のすすめ】
https://ameblo.jp/koushusan/entry-12695542585.html

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