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脱炭素情報#5 日本のCO2排出量推移について

なかなか平日は更新が進まないですね。書きたい内容は結構あるのですが、記事のストックをつくっておかないときついことが徐々にわかってきました。

今回は日本のCO2排出総量について、昨日12/9に最新の2020年の速報値が発表されたため、近年の日本のCO2排出量推移を見てみたいと思います。

日本のCO2排出量推移について

1.日本のCO2排出量推移

日本のCO2排出量は2020年度は11億4,900万トンであり、2013年以降は徐々に減少傾向であることがうかがえます。

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出典:環境省 2020年度(令和2年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について P1
http://www.env.go.jp/press/files/jp/117187.pdf

CO2排出量というのは「速報値」がまず発表され、後日見直しがなされた「確報値」が発表される形です。

パリ協定においては「2013年度比」での46%削減とされているが、これは一時的なピークの排出量計上のところからの削減となっています。

なぜ2013年にピークがきてしまっているかというと、2011年の東日本大震災の影響で日本の原発が停止したこともあり、化石燃料の使用が増加したからと思慮します。

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出典:環境省 2020年度(令和2年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について P4(http://www.env.go.jp/press/files/jp/117187.pdf)

同資料のP4を見てみると、エネルギー転換部門(発電所・製油所等)にて2013年に526百万トンでピークがきており、合ってそうですね。

2.2020年度(速報値)の考察

2020年度の値を見る際に、まずは部門別の数値を確認してみたいと思います。以下は電気や熱の消費量見合いで各部門に配分した値です。

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出典:環境省 2020年度(令和2年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について P5(http://www.env.go.jp/press/files/jp/117187.pdf)

2020年度の数値の前年比の増減については大きくCOVID-19の影響を受けていると考えます。エネルギー起源CO2の数値をみてみると、産業、運輸、業務その他、エネルギー転換は経済の減退とともに排出量も減少しているが、その一方で家庭部門の排出量は巣ごもりの影響で増加しています。合計でみると脱炭素の取り組みや経済の減退等の影響で減少している状況となっており、結構予想はつきやすい形の増減ではないでしょうか。

また、資料内の他の数値を見てみると、別の視点としては冷媒利用としての代替フロンのHFCsの増加、半導体需要増によるHFCs、PFCs、NF3等の増加が見受けられており、こちらは継続的な課題ではないでしょうか。

CO2排出量データからもなかなか見えてくることは多いですが、間違えなく覚えておくべきことは日本の排出量が約11億5,000万トンであることだと思います。これをものさしにして、比較していくことが可能ですね。

今回はここまでです。見ていただいている方は引き続きチェックいただけますと幸いです。

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