見出し画像

水素#3 FCEVや水素ステーションの普及状況とは

水素の利活用については様々な方法があるが、水素社会形成が進んでいくにあたり重要になってくるのはモビリティではないかと考えました。FCEV(FCV)としてはトヨタ自動車のMIRAI、本田技研工業のCLARITY(生産終了)が有名であり、カテゴリとしてはFCバスやFCトラック等が存在しています。

首都圏で生活している場合は、ごく稀に歩いている際にMIRAIを見かけたりもするし、丸の内あたりでは時折FCバスが走っているようなイメージもあります。

今回FCEVの普及は進んでいるのかについて、水素ステーションの観点から考えてみたいと思いました。

FCEVや水素ステーションの普及状況とは

1.FCEVの普及状況(日本)

まず、FCEVの普及状況について確認してみましょう。

前回の水素の記事でもIEAの「Global Hydrogen Review 2021」を用いまし
たが、P180に日本のFCVの普及状況のわかりやすい図が掲載されています。

2030年に800,000台のFCEV導入を目標としているのに対して、2020年時点で4,000台程度となっていることが記載されている。

出典:IEA Global Hydrogen Review 2021 P180
(https://iea.blob.core.windows.net/assets/5bd46d7b-906a-4429-abda-e9c507a62341/GlobalHydrogenReview2021.pdf)

現在からみて約8年後に目標を達成するためには、現時点でも爆発的に導入が進んでいるような必要がありますが、そのような様子は見えてきません。

この課題について、水素ステーションの普及状況の観点から見てみたいと考えました。

2.水素ステーションの普及状況(日本)

勿論FCEVや水素ステーションのコスト面での削減や燃料としての水素費用の低減を進めなくてはならないという意見もあるかと考えますが、生活圏内における水素ステーションの整備状況が重要ではないかと考え、現状の進捗状況について確認してみました。

経済産業省の第27回水素・燃料電池戦略協議会のうち、資料の「今後の水素ステーションの政策の方向性」という資料にて、水素ステーションの普及状況の現状がうまくまとまっています。

水素ステーションの導入状況数がP5に記載されており、2021年8月現在で154か所(+12か所整備中)となっている。

出典:経済産業省 第27回水素・燃料電池戦略協議会 
資料2 今後の水素ステーション政策の方向性について P5
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/suiso_nenryo/pdf/027_02_00.pdf

関東から九州にかけては整備が進んでいるが、北海道や東北においてはあまり整備がなされていない現状が見受けられます。

また、水素ステーションの今後の普及台数見込みについては、今年6月のグリーン成長戦略にて2030年に1,000か所を目指すことが発表されていますが、現状を鑑みるとハードな目標設定に思えます。

今回はここまでです。完全に課題の記述だけで終わってしまった感もあり、後日どういう課題を解決していく必要があるのかという記事も書きたいと思いました。引き続きチェックいただけますと幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?