第3回 CCS長期ロードマップ検討会(経済産業省、2022/3/30)
いよいよ気温も上がってきて、春感が出てきた気がします。1年の1/4が終わってしまったことにびっくりです。
今回はCCS長期ロードマップ検討会の第3回が開催されたようなので、それについて記述したいと思います。
以前第1回、第2回の検討会も取り上げていましたのでもしよろしければご確認いただければと思います。
第3回CCS長期ロードマップ検討会(2022/3/30)
CCSについては投資金額も大きく、官民が連携して進めなくてはいけない状態です。今回の主な議題は法制度やインセンティブとなっており、商業化に向けてとても重要な要素かと思います。
資料3-6に各種情報が記載されており、確認していきたいと思います。
1.資料3 海底下CCSに関する国際的な枠組みと国内法
個別会社資料のため掲載は控えたいと思いますが、資料3においては今後日本の法規制を考える際の大枠の方向性が記載されております。
P4に記載されていますが、現時点でCCSに係る国際的な枠組みはロンドン条約96年議定書のみであり、日本の法令としては海洋汚染防止法で海底下貯留が定義されていると記載されております。
また、ちょっとページは飛んでまとめまでいってしまいますが、P45-46に記載の海底下や陸地化で共通する法令とするような視点や長期的責任の在り方をどのように定義するかは重要な視点に感じました。
EUや米国などは法令で長期的責任の移管について定められていますが、日本については現状では無限責任となっており、事業者としては商業化しづらい環境になっております。このあたりは第1回CCS長期ロードマップ検討会の資料の記載がわかりやすいです。
2.資料4 主要国のCCS法規則
こちらも個別会社資料のため掲載は控えたいと思いますが、この資料4を見た際に情報の網羅性が素晴らしいなと感じました。(私が業務において知りたかった部分だったからかもしれませんが…)
米国、カナダ、ノルウェー、英国、豪州におけるCCS関係の法規制がかなりきれいにまとめられております。1点だけ言及したいのは、先ほどの話にも関連しますが長期的責任の移管までの期間になります。各国で政府への責任の移管までの期間は20年や50年等と大きく異なりますが、日本としてどれくらいの期間にするかは重要かと思います。例えば米国は50年のモニタリングが必要となっていますが、このような長期間のOPEXを事業者が負担するのは、事業者側の視点からすると考えづらい気がしますね…。
3.資料5 CCSの推進に関する法制度の在り方に関する検討
資料5まできて気づきましたが、今回資料の貼り付けは難しそうですね…。資料5は日本の法制度の在り方についての資料となっていました。
注目したいのはP7の法整備の方向性への言及になります。日本の地下利用についての既存法としては鉱業法や大深度法があるなかで、既存法を改正していくのか、新法を制定していくのかという論点が記載されております。私は法律は詳しくないですが…事業者としては法整備がないと事業ができない部分があり、このあたりがどのように進んでいくかは非常に重要な部分になると考えられます。
4.資料6 CCS普及に向けた規制とインセンティブ
資料6は海外でのインセンティブの事例がまとめられています。こちらも資料4と同様に、私個人としてはいい資料だなと感じました。(日本でも私だけかもしれません…)
この資料において重要な観点としては、現時点でCCS/CCUSを進めるためにはインセンティブは必要であり、経済性はそこでやっと出てくるということになるかと思います。
海外事例をみると、例えばノルウェーはCAPEXに加え、10年間のOPEXの合計額に補助率を掛け合わせた形となっており、従来の再エネ機器への1/4や1/3の設備補助よりはかなり手厚い形が必要になってくると考えられます。
今回はここまでになります。CCSは色々記述してしまいますね。引き続きフォローいただけますと幸いです。
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