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SBTとは

夏ももう終わりに近づいてきた気がしますが、まだまだ夏っぽいですね。

今まで結構経産省の委員会資料等を基にCCSや水素・アンモニア等の現況を紹介するような形でした。しかし、9月に転職して脱炭素関係の事業開発業務への従事からサステナビリティにおける環境分野に従事させていただくような形になったため、政策資料は引き続き確認はしていきますが、Noteの記述の方向性は少しずつ変えていこうかなと考えております。(日経の脱炭素の記事紹介は継続していきたいと思ってます)

Noteを作成し始めた頃に戻るような形になりますが、基本論点の部分から学びながらも記述を行っていきたいと思います。

今回はSBT(Science Based Targets)になります。昨今の脱炭素の取り組みの広がりもあり名称を聞いたことがある方も多い気がしますが、どのようなものになるか早速見ていきたいと思います。

SBTとは

このあたりの国際的な取り組みの内容がどのようなものなのかについては、政府のグリーン・バリューチェーンプラットフォームのサイトの資料がわかりやすい気がします。

グリーン・バリューチェーンプラットフォーム
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/intr_trends.html

出典:環境省ウェブサイト

SBTの定義

SBTは以下のように定義されています。

Science Based Targetsは、パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準(Well Below 2℃)に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のことです。

出典:環境省ウェブサイト

パリ協定に則って主に1.5℃以下に世界の気温上昇を抑えるために、企業が5-15年先のGHG排出量排出削減量を目指す形になります。

日本企業としては、8/1現在で233社の認定取得、56社のコミットとなっております。「コミット」については、2年以内のSBT認定を取得することを意味しています。

SBTの概要

HP上には概要資料と詳細資料がありますが、今回は概要資料を主に使用していきたいと思います。

出典:環境省 SBT 概要資料 P1
(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_gaiyou_20220801.pdf)

企業としては自社における4.2%/年の削減が必要であり、多くの企業が2030年ベースで目標達成を目指している状況になるかと思います。日本企業の目標設定状況は以下の資料のP89以降に記載がされています。(詳細資料にも同様のスライドはあります)

4. SBT参加企業
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_syousai_04_20220801.pdf

出典:環境省ウェブサイト

SBTのメリット

出典:環境省 SBT 概要資料 P3
(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_gaiyou_20220801.pdf)

次に、企業サイドとしてSBTに取り組むメリットを見ていきたいと思います。4点の視点があり、①投資家の視点としてはESG投資銘柄としての選定のしやすさ、②顧客としてはリスク意識の高い顧客への訴求、③サプライヤーとしては取り組みによるサプライチェーンの調達リスク低減、④社員としては環境への取り組みの活性化となっております。

総括的な意味合いでは、各ステークホルダーに持続可能な企業であることを訴求していくといったような形でしょうか。

SBTの要件

出典:環境省 SBT 概要資料 P4
(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_gaiyou_20220801.pdf)

要件の特記事項としては、Scope1+2は4.2%削減、Scope3は2.5%削減が必要となっています。費用については、企業として払うような金額ですね。

補足情報

詳細資料からも少し取り上げますが、対投資家の面ではCDPの得点が上がるという部分にメリットがあります。詳細資料のP16にはその内容が記載されてます。

出典:環境省 SBT 詳細資料 P16
(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_syousai_all_20220801.pdf)

また、P136にはクレジットに活用に関するスライドもありました。GXリーグもはじまることから、今後はこのあたりの取り組みも考えていく必要がありそうです。現在J-クレジットは、再エネ電力と再エネ熱由来のクレジットのみSBTの算定に加味することができる状況です。

出典:環境省 SBT 詳細資料 P136
(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_syousai_all_20220801.pdf)

今回はここまでになります。環境分野でも少し路線変更となりますが、引き続きフォローいただけますと幸いです。

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