2023東京六大学野球 立教大学のふりかえり

2023年の東京六大学野球における立教大学。リーグ戦結果は春も秋も5位で、内容も春秋とも東大からしか勝てず早慶法明には1つも勝てないという屈辱的、悔しい結果に終わった。春は3分け(法慶東)はあったがやはり4校との力の差は明らか。投打の主軸選手の不振もあったが、それをカバーする選手層も、チームとしてのまとまりや一体感も足りなかったと思う。
秋には部内トラブルが明らかになり世間の厳しい目を向けられた。このまま沈滞ムードに陥ったままで万年5位を維持しようなどとはチームの誰も思っていないはず。来年は戦力面もそうだが内面も見つめ直して、やはり誰からも応援されるチームになってほしいと切に願う。

チーム勝敗
春季 2勝8敗3分 勝ち点1
秋季 2勝8敗 勝ち点1

秋季基本オーダー
3平野(春日3)
5柴田(東明館3)
9菅谷(市船橋3)
7鈴木唯(東邦2)
8桑垣(中京大中京2)
4齋藤大(東北3)
2戸丸(健大高崎3)
6鬼頭(横浜3)
1(投手)

春季 チーム打撃成績
13試合433打数33得点92安打6本塁打30打点3盗塁18犠打7失策 打率.212
(明治 .318 9HR62打点64得点)
(慶應 .251 10HR57打点61得点)
(早稲田 .253 11HR61打点66得点)
(法政 .261 10HR50打点54得点)
(東大 .175 2HR15打点18得点)
秋季 チーム打撃成績
10試合335打数31得点84安打30打点4本塁打30打点3盗塁11犠打8失策 打率.251(3.1)
(慶應14試合.298 11HR68打点73得点(5.2))
(早稲田12試合.253 7HR48打点48得点(4.0))
(明治13試合 .244 3HR41打点43得点(3.3))
(法政14試合 .240 2HR51打点54得点(3.9))
(東大11試合 .207 0HR18打点19得点(1.7))

規定打席到達者(4人)
桑垣 10試合38打数10安打1本塁打8打点1盗塁 打率.342
菅谷 10試合37打数12安打0本塁打3打点0盗塁 打率.324
柴田 10試合37打数11安打0本塁打2打点0盗塁 打率.297
戸丸 9試合30打数6安打0本塁打2打点0盗塁 打率.200

今年はもともと、4年生野手で主力として試合出場していたのがショートの西川晋主将(春は二塁)と外野手の安藤くらい。渡辺大や岩本がスタメン出場したことはあったが結果は残せず。その意味では、例のトラブルで4年生が出場自粛しても戦力的な影響は少なかったといえる。ただし攻守の要である西川晋の不在はやはり大きかった。
過去のリーグ戦で出場経験が多い菅谷・戸丸に柴田がこの秋もレギュラーとして出場。加えて、春も出場はしていた桑垣が秋は完全にレギュラー定着しチームトップの打率.342 とブレイク。1番もしくは5番としてチームを牽引した。この秋から出場するようになった平野も最初は代打だったが中盤からスタメン起用。スタメン出場4試合のうち3試合で2安打を放つ巧打で、規定打席には到達しなかったが19打数9安打5打点、打率.474と活躍した。ただし、明治・早稲田1回戦はともに出場なし。守備の不安でもあるのだろうか。明らかに好調で結果も出していた平野を起用しなかったのは大いに疑問。
打線はやはり4番と下位打線が課題。4番は鈴木唯が入るも結果は出ず。期待の西川侑もベンチが主。吉野が鈴木の後を受けて4番に入り19打数5安打、打率.263とある程度の結果は残したが打点は0。最後の東大戦で安藤が2HRした以外は不発に泣き、得点力不足とチームのムードも上がらなかった。下位打線も戸丸が打率.200と低空飛行。鬼頭もショート守備は失策0と好守を見せたが打撃は21打数4安打2打点で打率.190。鬼頭は細身だがパンチ力はあるはずで、戸丸もクリーンアップを打つくらいの期待度はある。来年も今季と概ね同じオーダーになりそうなので、4番打者と下位打線の働きが大きなカギを握ると思う。まあ、これは毎シーズンにいえることだが。
春は、他校と比べると打撃成績は大きく劣っており5位という結果に直結。秋も劣っているが明治とは同程度。ただし池田・沖の不調もあり投手力も弱かった。
打撃では他校と比べると見劣りしたが守備は春7つ、秋は8つのエラーと堅実な守りを見せた。特に鬼頭の秋季失策ゼロは立派。

(来年の展望)
主将は自分の予想、というより願望でもあるが菅谷だと思う。春秋とレギュラー定着した出場実績もチーム一だし、何よりも彼を見ているとガッツが表面に出る選手。特に来年は、今回のトラブルもありチームの特に内面からの立て直しは絶対に避けられない。菅谷の人格は分からないが、外から見えるプレー面においては彼のようなガッツマンにチームを牽引してほしいと思う。
投手は、これまで中心となってきた池田が卒業。2番手として投げてきたのは沖だが今秋は先発登板0。ベンチ入りしリリーフ登板はしていたので、故障というより不調と思われる。来年はやはり沖の復活が欠かせない。沖に続くのは塩野目、小畠、佐山か。塩野目と小畠は既に先発経験もあり。しかし5回までもたなかったのでスタミナ不足は明らか。塩野目も小畠も本格派なので、技巧派の沖が先発できると先発投手の並びとしてはいいと思うが、沖がリリーフに回れるくらいに2人の成長に期待したい。彼らに続くのは三河・竹中・小野など。秋の段階では球威・制球に課題あり安定した投球は期待できなかった。来季どこまで成長しているか。
打線は今秋のオーダーと概ね変わらないだろう。二塁・三塁を柴田・吉野・齋藤大で争うことになる。巧打者タイプが多いのでパンチ力のある吉野に入ってきてほしい。今季は他校と比べて長打力不足・迫力不足は顕著だった。ピストル打線も悪くはないが限界がある。機動力に秀でるとも思えないので、吉野や戸丸の長打が勝利のカギを握ると思う。

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