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CUE! カレイドスコープ について考える メインキャラクター考察編

前提考察編はこちら


前提考察編では大枠部分の説明・考察をしてきましたが、メインキャラクター考察編ではより詳細にストーリー「カレイドスコープ」のメインキャラクターについての考察を書いていきます。

ストーリー「カレイドスコープ」メインキャラクター考察


本来なら花鳥風月の順にしたかったのですが、説明の都合上前後します。

鷹取舞花

鷹取舞花は自分に自信を持っている、思っていることをはっきりと口にする、かなり真っ直ぐに生きているキャラクターです。ストーリー内では「声優じゃなくなったときのことを考えたことがあるか」という同じチームFlowerの月居ほのかの問いに「現に私たちはもう声優になっている」とさも当然かのように答え、更には「ほのかの言葉の意味が理解できない」と言ってしまいます。その後、日名倉莉子に「ほのかが悩んでいるみたいだ」と(盛大に勘違いを起こした)相談をした結果、「声優でなくなった時にどうするか」「年齢的に得られるチャンスの数の差」など現実的に物事を考えている/考えなければならない莉子の考え方に触れることになります。
そんな自分の信じた道に進む真っ直ぐなところと他キャラクターの会話で見えてくる舞花自身の未熟さがストーリーで表現されていると感じました。見ている側からすると不安になる部分もありますが、それ故の性格や考え方を持っているとも言えます。
少し「カレイドスコープ」の話から逸れますが、A dressing CUE!ドラマCDにはゲームストーリーからは少し時間の進んだAiRBLUEの物語が収録されています。ゲームストーリー中は高校3年生だった舞花も無事に高校を卒業し、次の一歩を踏み出しています(舞花は成績が良くなく補修常連だったので”無事に”と記載されています)。こういう選択が取れたのも「カレイドスコープ」での経験があったからこそなのではないかと思います。


明神凛音

明神凛音が声優を目指す理由は「子供たちに夢を与えられるから」です。しかしながらストーリーではこの声優を目指す理由について深く問い詰められた結果、苦しい思いをするという姿が描かれています。
劇中オーディションの二次審査で各キャラクターは監督から「何故声優になろうと思ったのか」について聞かれます。凛音は「子どもたちに夢を与えられるから」と答えますが、監督は「声優になることが何故子どもたちに夢を与えることになるのか」「声優でなくてもその目的を達成することはできよね?」と返します。凛音はこの問いに対して言葉にその場でうまく答えることができずオーディションも本領を発揮することができません。オーディション後同じチームMoonの宇津木聡里が様子を心配し凛音に声をかけますが、凛音は監督の問いにうまく答えられなかったことを悔やみ涙を流します。普段明るい性格の凛音だからこそ涙を流す姿はより鮮明に映ります。

——凛音にはどんな成長が?

佐藤:(略) 凛音が所属する「MOON」では、4人で唯一率先して外に出て行くタイプで、太陽みたいに明るい凛音がいるからチームはまとまっているんじゃないかと私は思っています。ライブでも、凛音と同じようにおちゃらけながら場を盛り上げられるように心がけていますね。

佐藤舞「“普通”なのは悪いことじゃないって一与ちゃんが教えてくれた」【声優図鑑】
https://ddnavi.com/interview/604072/a/

凛音のストーリーでは、自分の”好き”で職業を選択することの厳しさが表現されていると感じました。「凛音自身が子どもを好きなこと」「子供たちに夢を与えられる職業であること」この2点は繋がっているように見えて実際は間に「声優になりたい理由」が存在しているはずですし本質的な考えはこういうところに潜んでいるようにも思います。監督の「声優になることが何故子どもたちに夢を与えることになるのか」という問いに答えられなかったということは、その時点ではうまく理解できていなかった/言語化できていなかったと捉えられます。自身の考え方について改めて向き合ったとすればこの経験は凛音の考え方にプラスに働いていてることと思います。


九条柚葉

九条柚葉というキャラクター、お金持ちの父を持ち出身地はシンガポールというAiRBLUEの中ではかなり特殊な環境の育ちです。それ故か自身の行動に迷いがなく
【CUE!】season1.2予告(60秒 Ver.) でも発言していますが、柚葉の人生の目標は「楽しく生きること」です。AiRBLUEの他のキャラクターとは違い、柚葉は声優になることを目的としているのではなく人生の目標「楽しく生きること」を実現するための手段として声優をやっています。
ストーリー内では柚葉とは対極と言っても良いほどの生まれ育ち・考え方の赤川千紗と対比されています(赤川千紗は新潟から単身で上京しています)。凛音が参加していた劇中オーディションの二次審査に柚葉・千紗も参加しており、オーディション後の寮に帰った2人の会話で柚葉と千紗の考え方が語られます。凛音が監督に問い詰められていた様子を柚葉は「ちっとも楽しくないじゃない」と少し怒った口調で振り返ります。それに対して千紗は「確かに厳しいけど監督が言っていたことも間違いじゃない」と返し、自身の声優として生きていくことの考え方(例えば10年後、同級生がみんな結婚したりしてそれぞれの人生を送っている。自分は今と同じようにバイトを続けている、そうだとしても声優であり続けたい思い)を語ります。柚葉はそこに明確な返答をしませんが落ち着いた表情に戻り「ディチャン カオロップ クン カー チサ。」と言います。(翻訳したところタイ語で「私はあなたのことを尊敬する」という意味のようです。また、「ディチャン」は一人称で「わたくし」(参照) で「私」よりも丁寧な表現となっているのは柚葉のお嬢様である側面が出ているのでしょうか…) 柚葉なりの表現方法ではありますが、千紗の考え方を受け入れたのだと思います。
最初にも述べましたが柚葉の人生の目標は「楽しく生きること」、楽しく生きるための手段として声優をやっている。けれどAiRBLUEメンバーとの関わりや経験を通し他人の価値観を受け入れ理解する、そして少しずつ変わっていく、そんなことが表現されていると感じました


日名倉莉子

ストーリー「カレイドスコープ」における日名倉莉子というキャラクター、綺羅びやかな面よりも他キャラクターとの対比で苦しい姿と言いますか現実的に物事を考えていてそれを受け入れている姿が印象的に映ります。
ストーリー内ではAiRBLUE16人全員が同じオーディションを受けるのですが、宮路まほろと宇津木聡里は一次審査のテープオーディションをパスして二次審査からスタートという設定です(まほろは子役経験あり、聡里は母親が有名な声優であることのアドバンテージ?)。ストーリー内で展開されているWind4人の会話の途中で同じオーディションを受けること、同じチームのまほろがそのオーディションの一次審査をパスしていることを知ってしまい莉子は数日の間まほろを避けるような行動を取ってしまいます。
また、「オーディションに落ちても次受ければいいじゃないですか」と言う舞花に対して「舞花の次の数とあたしの次の数 多分違うんだよね」(【CUE!】season1.2予告(60秒 Ver.)参照) と返します。日名倉莉子は21歳、大学3年生と同じ年齢なわけで進むにも諦めるにも難しい年齢なのかもしれません。
このようにストーリー「カレイドスコープ」での日名倉莉子は、声優として生きていくことに対して、より現実的な視点からの葛藤・悩みが描かれています。
以下にいくつか示しますがCVを担当している鶴野有紗さんのブログを読みながらだとより日名倉莉子の解像度が上がりますのでぜひ。

そんな矢先のカレイドスコープ。


莉子さんのセリフは、あまりにも染みて。



莉子はどんな風にこのセリフを言ったんだろう。

自分より若い子達が必死に夢に向かっている姿に対して、どう思ったんだろう。

綺麗事の虹。|うま……カリ……オイシ……。
https://ameblo.jp/tsuruarib/entry-12635400260.html

大人になってしまった、ならなくちゃいけない私たちは、今でも子どもの頃の夢や希望をどれだけ忘れないでいられてるんだろう。

どれだけ諦めないでいられてるんだろう。

正直難しい。

綺麗事の虹。| 鶴のひとりごと
https://ameblo.jp/tsuruarib/entry-12610172322.html

CUE!のメインストーリー1.2のカレイドスコープにて、莉子さんが『次』の数の話をしていた。

私もずっと『次』に怯えていた。

このまま芽が出ないままなら、上京してきた意味あるんだろうか?

普通に就職、今からなら間に合うんじゃないのか?

不安に思っている間にどんどん新しい人は増えていく。

新人声優の私たち。| 鶴のひとりごと
https://ameblo.jp/tsuruarib/entry-12627954246.html


見ておいてほしい記事など

カレイドスコープへの理解を深めるために読んだ記事などをおいておきます。


歌詞考察編に続きます


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