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数学の面白さ

 学校などで数学を勉強していると、「面倒臭いなぁ」とか、「難しくて嫌い」という思われている方も多いのではないでしょうか?(筆者もその一人ではあるのですが)       
 そんな筆者が、ある時本を読んでいたんです。本とは言ってもそんなたいそうなものではありませんけれども、とにかく面白い本だったんです。その本の中で『セールスマン問題』とかいうことが書いてあったんです。何だこれは!となるわけであります。調べてみると、数学の問題だったんです。そのときは、こんなユニークな問題も数学にはあるんだなと感激まではいかないにしろかなり驚きました。
 というわけで、今回の記事ではこの感動を皆さんと共有すべく数学の面白い問題を幾つか見ていきたいなと思います。

【セールスマン問題】
 

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ひとつ目の問題は、セールスマン問題です。
この問題を簡単に説明すると、「セールスマンがいくつかの都市を1度ずつすべて訪問して出発点に戻ってくるときに、移動距離が最小になる経路」を求める組合せ最適化問題のことを言います。この問題はNP困難というクラスに属していて答えを導き出すのが非常に難しいと言われています。
 例えば、とあるセールスマンAが回らなくてはならない箇所がN個あると仮定します。この時の組合せの数はN!/2Nと表されるので、N=10程であれば案外少ない組合せ数になるのですが、これがもっと大きな数字になると想像もつかないような数の組合せ数が算出されます。そんなこんなで、この問題はNP困難な問題とされているのであります。
 さて、ここまでの文章を読んで「この問題ひょっとして」と思った遊園地ファン(ではなくてもいいのですが)の皆さん正解であります。この問題で遊園地の最短周回ルートを求めることができるんです。南山大学というところが、TDL、TDS、についてのセールスマン問題を検証なさっていたので示します。

これによると、TDLの場合は大体全ての乗り物の待ち時間が30分以内の閑散状態でライド系に割合を割くと最大17個、TDCの場合は複数回乗る乗り物は昼食や夕食を挟んでから2回以上乗ることができるとすると最大24個に乗れる(ただし、どちらも待ち時間・満足度も定式化した上で考えられている)ということです。
 このNP困難に関連してですが、マリオがNP困難であることが証明されていたりします。気になる方はそういうのもぜひどうぞ。

【同日誕生日の確率
 先ほどは、難しい問題について触れていましたので、今回はレベルを少し下げてこの問題。これはP(P<366)人のなかに同じ誕生日の人がいる確率を計算するものです。詳しい仮定や証明は以下のURLに書いてありますので、参照下さい。

 これによると、P=23になるとその確率が50%を超えるらしい...。かなりの確率ですよね。
 ただし、これが「自分と同じ誕生日の人がいる確率」にするとPの値が同じでも6%程度まで下がるようです。不思議なものですよね。

ここまで二つの問題について触れてきました。文章も長くなって参りましたので、次の問題を最後にしたいと思います。

【8÷2×(2+2)】
 一見、小学校レベルの簡単な問題であるように見えます(実際そうなのです)が、積と商の符号に着目していただくと面白いことになっているんですが、お分かりになるでしょうか?
 
 そうです。答えが2通りあるんです。説明するまでもないかも知れませんが、一応。

①かっこ内の式は始めに計算するというルールがありますから、2+2を計算します。勿論2+2=4ですから以下の式に変形できます。
   8÷2×2
②−1 左から順に計算する
    左から➗→✖️の順に計算を行うと、8÷2×2=4×2=8となります。
②−2 ✖️を先に行う
    ✖️→➗の順に計算を行うと、8÷2×2=8÷4=2となります。

以上の様にこの問題には、8と4の二つの解が存在するという結果が出ました。これは正しいのでしょうか。
答えはYESだそうですよ。
高次方程式でもなんでもないただの和差積商の問題に二つの正しい解が存在する。実に興味深いことです。

最後に
 数学の世界にはもっとたくさんの「面白い!」で溢れています。今回は3つしか取り上げませんでしたが、ハノイの塔、ナップザック問題など色々なユニークな問題が存在します。学校で習う数学というのは、やはり機械的だったりと面白さに欠ける部分があるかもしれません。が、それだからといって数学嫌いになってしまうのは勿体ない様な気がしてなりません。「嫌い」と決めつけず、もう少しだけ追い求めてみてください。そうすることで、気がつく何かというのもあるかと思います。
 この駄文が、あなたの数学に対する前向きな気持ちの一助になれば幸いです。



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