日経スクープが球界再編騒動の幕開け
20年前の今日…6月13日、日本経済新聞のスクープにより球界再編騒動が幕を開けた。「近鉄球団、オリックスに譲渡交渉」というものだった。
パ・リーグが5球団になってしまう。
ここから球団オーナー側は、もう1つの合併をして10球団とし、1リーグ制を目指そうとした。古田敦也を会長とする労組日本プロ野球選手会が反対の意志を明確とし、球界初のストライキにも突入する騒ぎになった。
日経のスクープが出た日……私はヤンキースタジアムにいた。
米国時間6月12日はヤンキース松井秀喜選手の30歳の誕生日だった。デーゲームで行われたパドレスとの交流戦に勝利した後、報道陣がケーキを贈って誕生日を祝った。
球団職員もケーキを準備していたが、名前が「HADEKI」になっており、慌てて「A」を「I」に直す一幕もあった。チームが勝ったこともあり、穏やかな雰囲気が漂っていた。
そこに記者の1人が血相を抱えて走ってきた。
「今、会社に電話したら、日本は大変なことになっているらしいぞ」
慌ててインターネットで情報を集め始め、誕生祝いの和やかな雰囲気は吹き飛んでしまった。
「どうなるんだ?」
「大変なことになるんじゃないか?」
そこからの数カ月は間違いなくプロ野球の危機だった。プロ野球がなくなってしまうのではないか? そんな危機感も持って取材に臨んでいた。
6月13日がくるたびに、プロ野球を楽しめる喜びを噛みしめている。
以下は昨年の6月13日に書いたコラムです。