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インバル&フランクフルト放送響/ブルックナー 交響曲第9番(フィナーレ付き)

エリアフ・インバルは、現在も東京都響桂冠指揮者で、実演に接した日本人はかなり多い。彼が世界的に飛躍したのはマーラー全集の録音だが、ブルックナーについても堅固な構築と歌謡性を両立させた名演を残している。このCDはその交響曲全集の中でも特にユニークな「フィナーレ付き第9番」。原典版(第1稿)にこだわりぬいたインバルらしく、20分ほどの復元された第4楽章が収録されている。ブルックナーはこの第4楽章の作曲中に亡くなり、自筆楽譜は直後に散逸してしまった。「未完成」と違ってこのなさそうでありそうな楽章を復元するのに何十年も研究している人たちがいる。この盤はイタリア人研究家の手によるもの。他にはオーストリア人研究家の手になるラトル&BPO盤などがある。
フランクフルト放送響は正式名、hr(ヘッセン放送協会)交響楽団。インバル以外に、キタエンコ、P.ヤルヴィなどが首席指揮者を務めた名門。

エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団ブルックナー(1986、87年録音)
・交響曲第9番ニ短調 (原典版)
・交響曲第9番~フィナーレ
(第4楽章のスケッチから。サマレ&マッツカによる補完)テルデック国内盤(1997年製造)

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