超がつくほど不器用。発達性協調運動障害を知っていますか?(その1)【子どもの姿勢と体作り講座】

■はじめにおことわり

超不器用な子どもは、「発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder)」(以下DCDと書きます)がその裏にあるかもしれません。

・・・と、本題に入る前に一つだけおことわりを。

不器用の程度は人それぞれです。
今回ご紹介するDCDによる不器用さは、「日常生活に支障がでる」レベルでの不器用さを指します。

例えば、「よくつまずく」という課題。

幼児は基本的に大人よりよくつまずきます。

しかし、つまずいた時、パッと手が出て怪我を予防できたり、年齢とともに徐々につまずきが減ってきているなら、それは「上手く歩くための練習中だった」と判断してOKです。

しかし、つまずいてころんだ時、手が出ずに顔面を地面にぶつけて怪我をする、歯を折る、転ぶ経験を重ねても一向に改善する様子が見えない、等の場合はDCDを疑ってよいかもしれません。

このように、「不器用」には、かなりの幅がありますので、「『不器用=DCD』とは限らない」ということを予めご了承ください。


■協調運動とは、そもそも何か?

人の体の動きは、色々な部位が複雑に組み合わさって動くことで構成されます。

例えば、字を書くという行為でみてみましょう。

字をきちんと書くには、次のような体の動きが求められます。

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1.まず椅子にしっかり座ることができる。

2.座った状態で、体幹がグラグラしないように、長時間固定させておくことができる。

3.まっすぐにノートと鉛筆の先を見ることができるように頭を固定させることができる。

4.字を書いている最中、鉛筆を持っている方の肩や肘をしっかりと固定させておくことができる。

5.ノートの左から右へ、または上から下へ字を書き進める際、なめらかに書けるように上手く手首を返す動きができる。

6.鉛筆を指先で、適当な力(強すぎず弱すぎず)で把持することができ、文字の形に合わせて指先の力を上手くコントロールすることができる。

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